彼、
「……ん?」
彼は突然暗くなった空を見上げた。すると何か『落ちてきた』。
ドゴォォーンッッ!!! 何かが自分の脳天に当たり、自分の意識はそこで完全に遮断された。
「……ここは、どこだ?」
世界は白に染まった、と言っても過言ではない程の白さ。圧倒的白さ。どこまでも続く真っ白な世界。そこにポツンと一人残された。そのことを頭で理解した瞬間。目の前に何かが現れた。真っ白な世界にたった二人の存在。
「……アンタ……一体誰だ?」
「……私は、『神』とでも呼んでください」
神と名乗るその『存在』はとても神々しい光に包まれており、神と名乗るのに相応しいというのがなんとなく理解できた。
「そ、そうかよ……神か」
「あら、理解が及んだのですか? 私を初めて見て、そこまで冷静でいられた人間は生まれて初めてです……」
少し微笑みながら言う。
「そ、それより、なんで俺はここにいるんだ? 死んだっていうのは、なんとなくわかった、ってことは、もしかして、天国か地獄に行く。審判の場所とでも言うのか?」
「えぇ、アナタがちゃんとした死に方をしていれば、そうした場所へと誘えたのですが……今回の場合は例外です」
「は?」
「あなたには、『転生』というモノをしていただきます」
「て、転生? ってことは何か? 俺はどこかの世界へと誘われるってことか?」
「まぁ、そうですね」
理解に及ばないというよりは、バカバカしいお話だと思った。それでももう既に話は進んでいたの、そのまま勝手に話が進んで行く。
「……とりあえず、行き先を選んでください」
「あ……あのさ、『二次元』っていう世界にもいけるのか?」
頭を掻きながら言う。
「えぇ、どんな世界だろうが、行けますよ」
「だったら『とある魔術の禁書目録』って言う世界に行かせてくれよ」
とある魔術の禁書目録。自分がもし行けるとしたら、ここがいいな。と最近思っていた場所だった。ちなみに前だったら、シティーハンターが良かった。その前なら、確か、ハンターハンターだった気がする。
「……わかりました。それでは、『特典』をおつけしますので、何か言ってください」
「特典?」
「たとえば、こんな能力が欲しいとか、絶対に死なない体が良いとか、まぁ、二つだけですが」
そのまま、唸りながら、考える雪旗。そしてこんなことを言った。
「不死身の体と神並みの英知」
「まぁ、この世界ならその二つがあれば、ほぼ無敵でしょうね」
「そりゃ、それなら死ぬ心配はないしな、つか、俺の死に方異様すぎるし」
「あぁ、あれは、私の……ゲッフンゲッフン」
誤魔化すように、咳払いをする。このことだけで、彼はなんとなく察しがついた。ついでに『神』をぶち殺してやりたくなったが、そのための、『転生』なんだろうと諦める雪旗。
「それでは、ご武運を」
優しく微笑みながら、手を振る。
「腹立つわぁ……」
思いのほか、短くてびっくり。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。