『八月十九日』。彼は『魔術』が欲しかった。見るだけで良い。それだけで使うことができる。今、使うことができるのは、ステイルの魔術と自動書記の魔術ぐらいだ。圧倒的に足りない。どっちにしろ、今から出てくる。『ヤツ』には、勝てない気がする。炎? 簡単に反射されるわ。
「……はぁ、どうすりゃ」
寮の自室で考え込んでいると、チャイムが鳴る。少し苛立った雪旗だったが、とりあえず扉を開くと、そこに居たのは予想通りというべき人物だった。
「……なんだよ。上条」
「実はですね……」
彼はすっからかんの財布をこちらに見せてくる。そして苦笑いをしていた。それを見て、察したというか、見ればわかる通り、金がないということだ。
「あんまり、使いすぎるなよ?」
そのまま二万円を渡す。これはあまり良くない気がする。でも、まぁいいか。
「……サンキュ……」
そのまま、とぼとぼと自室へ戻っていく。
「……?」
罪悪感でもあるのか、元気がなかった。いや、それ以前に、なぜ、彼はあんな感じになっていたのだろう。
(……あれ? そういや、今日か? アイツが、『アイテム』と戦うのって?)
もやもやした。一方通行。変えちゃいけない。もし変えてしまったら、もしかしたら、自分の知らない所で何かが犠牲になるかもしれない。だから、どうしたって、変なことをしちゃ、いけないという感じになってしまう。しかしそれでも、これ以上の犠牲を……増やさない為には、こうするしか……道はない。
「……行くか」
おそらく実験は毎日やってるはずなので、今日もやっていると思う。そのまま、彼は新たな道へと進むことになる。
「……っつても、無理があるよな……場所も一切不明だし、結局、情報がないんじゃ、助けるもくそも……」
そんなことを言いつつ、制服に着替え、いつの間にか街へと出ていた。
「…………」
結局、学区をまたいで、いろんな場所を探してみたが、一方通行どころか、御坂すら見つけられなかった。
「……無理か……」
諦めかけたが、結局、夜中になるまで、ずっと彷徨い続けた。そして、遂に見つけた。研究施設に入る瞬間だった。
(奇跡だ。よしっ!)
そのまま研究施設に入る。御坂を少し、離れた場所からつける。研究施設に入ると、そこで交戦が始まることになる。
そして一通り、研究施設を破壊し終えると、御坂とフレンダの戦いがついに始まった。
(ここか……お、やってるやってる。さてと、行くか……)
思惑を潰す。それが今、始まろうとしていた。
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