目の当たりにした、世界は『とある魔術の禁書目録』だった。彼が目を覚ますと目の前に広がっているのは、普通の寮みたいな感じの部屋でかなり簡素だった。
「……」
とりあえず、洗面所の前まで行くと、そこに映ってる顔は自分だった。そして体を見る限り。どうやら年齢は15歳ぐらいで、多分、前世と同じぐらいの年齢だと思う。
「……これも、特典か?」
ぶっちゃけ、もし自分が0歳から初めていたら、いろんな恥辱が待っていた気がする。だからこれはこれは、いろんな意味ですごく感謝してます神様と心の中で言うと、直後に死んだ理由を思い出し、やっぱり殺したくなる雪旗。雪旗の心の中は大忙しだった。
カレンダーを見て、今日の日付を確認すると今日はなんと、七月十九日だった。
(せめて……!!! せめて、あと一日過ぎていれば、学校へ行かずに済んだのに!!!!)
と本気で思っている雪旗はまた神をぶち殺したくなった。というか、もう上条当麻に奇跡ぶち殺されて、慌てふためいてくれないかなと切実に願う雪旗。
「……はぁ、学校行くか」
とりあえず、制服に着替え、学校へと行く。
(さすが、学園都市製、若干軽く感じるぜ!! たぶん気の所為だろうけど!!)
そして、彼は学校へ行く最中一人で適当に何か考えながら歩いていると、直後にとんでもないことに気付く。
(おいおいおいおい、俺、よく考えたら、ほとんど初対面じゃん。みんなと、つか初対面だよ。どうしよう!!! 接し方が一切わからない!)
神の馬鹿野郎ォォォォォォォォ!!!!! という声が学園都市の第七学区に響いた。
学校へ、ビクビクしながら行くと、みんなは気さくな感じで声を掛けてきてくれた。ちなみに学校までの地図は第七学区にあったのでここまで来れた。
「よぉ、雪旗!」
「お、おう」
(誰!?)
「雪旗ぁ!! 頼む。宿題見せてくれぇ!!」
「ったく、またかぁ?」
(反応的に)
「悪い、サンキュッ!!」
(合ってたのか……超絶奇跡じゃね? 神の力?)
「あれ、雪旗。今日は早いんだな?」
そこに居たのは上条当麻その人だった。不幸に愛されてる。不幸者。
「……よ、よぉ、上条さん」
「上条さん?」
(し、し、し、しまったぁぁぁぁぁぁ!!!! いつもの癖でつい、そう呼んじまったぁぁ!!!)
ちなみに、さん付けしろよデコ野郎!! と言った人に対しては、なぜかさん付けしたくなくなる。不思議である。余談だが、さん付けしているのは上条当麻と佐天涙子のみである。禁書キャラならの話である。佐天さんが禁書キャラかはわからないけど。
「ば、ばかだなぁ、悪ふざけだよ。上条」
ポンッと背中を叩きつつ、誤魔化した。
「別に気にしてないけど、なんで突然?」
「それは、いっつも、カミやんが自分のこと上条さんとか言うからだにゃー」
「そういや、いっつも言ってはりますなぁ、カミやんは」
あの二人が現れた。
(やっべぇよ。土御門だよ。バレるよ。多分、俺のことバレるよ。つか俺ってどう喋れば、普通なのか、いまだに理解できてねぇよ。青髪の方も青髪でなんとなく、鋭い所あるから危険なんだよなぁ……)
などと、いろいろ悪戦苦闘しつつも、とりあえず二人とも会話する。
「ったく、雪っちは、本当におかしな感じだにゃー」
「本当それやで、なぜ、こんなヤツが好かれるのか!! わいには一切理解できひん!!」
割と、情報を手に入れれるかもしれないから、この三人とは仲良くしておこう、ていうか、これも特典か? 最初から仲良いぞ? まぁ、どうでもいいがなどと考える。
時間が経ち、とりあえず、なんとか、今日を乗り切る、雪旗は欠伸をしながら、眠そうに目を擦る。
(ガチで疲れた。帰りたい……早く。俺は……)
体の疲れを感じながら、学園都市をウロウロしていると、あることに気付く。それはもう気付いた時には、遅いモノだった。
(迷子になっちまったぁぁぁぁ!!!)
心の中で悲痛な叫びを迸らせる、雪旗は自分の人生を恨む。そのまま、悪の権化へと変化……する訳もなく、仕方ないので、掲示板まで行く。途中で、ファミレスを見かける。丁度、小腹も空いたと思っていた頃だったので、何かそこで食べようかと、何の気なしに行く。それが、失敗だったと、彼はすぐに気付く。
それは、ファミレスに入った直後の話だった。そこに居たのは。どう考えても顔見知りだった。それはツンツン頭だった。それは上条当麻だった。
そして気付く。気付いてしまった。ここは、彼がスキルアウトに追われるファミレスだったのだとッッ!!!
「……嘘だろ」
トイレの方から数人の男達が現れ。上条の目の前に立ちはだかる。
「ふ、不幸だぁーッ!!」
そのまま上条は外へと飛び出そうと、一気に駆け抜けようとする。勿論、ファミレスの自動ドアの目の前に居た。雪旗に気付かず。
ドォーンッ! と自分にぶつかり、上条はファミレス側へ、雪旗は外へと吹っ飛ぶ。
「わ、悪い! 大丈夫か? って……雪旗か……」
「雪旗か……はないだろ。ぶっ飛ばすぞ。この野郎」
「あっ! そうだ!! お前の力で追っ払ってくれよ!! アイツら!! 頼む! 上条さんの一生のお願い!!」
彼の言った言葉を即座に理解した。自分には何か能力が備わってるらしい。しかも、あの程度の連中なら一掃できるようなそんな能力。しかし自分のことをまだしっかりわかっている訳ではないので、能力を発動することすらできない。必死に何か言い訳を考えようと思ったのだが、そんな必要はなかった。
「さぁ!! いいのか!! お前ら、コイツは、肉体強化のレベル4だぞ!!」
(ナイス。上条!! セリフは小物っぽいが、ナイスアシストだ!!)
心の中で上条を褒め讃え、雪旗はそれを発動させる。どうやらわかれば、発動することは訳なかったようだ。そのまま少し、ジャンプをしてみた、すると思った以上に高く飛ぶ。大体十メートルぐらいだろうか。それを見るとスキルアウトの連中は、一気に顔が真っ青になる。どう考えても、身体能力に差があるとわかったのだろう。あんまりファミレスの前で騒ぐのは良くないが。
「…………案外、あっさり引きやがったな」
少し拍子抜けした雪旗だったが、とりあえず難は過ぎたようだったので安堵した。
今回は、前回よりは、長めになっております。 最後まで読んでいただきありがとうございました。