「うらぁ!!」
雪旗は攻撃を仕掛ける。ただのパンチだ。特に肉体強化とかも使わない。逆にこっちの方が戦法としてはあってるかもしれないと思いつつ、上条の顔面に向かって殴ったが、どうやらそれは大した意味はなかった。上条は意図も容易く避けることができた。
「うぉ!?」
上条が避けると同時に殴りかかってきたので、それを大きく下がって避ける。
「お前……結構喧嘩強いんだな?」
「そりゃな……」
そんな軽口を叩きながら、さらにもう一度、またさらにと攻防は続く。そして、上条が最後に蹴りを喰らわせようとした、しかしそれが戦法としては悪手だった。
肉体強化をして、自身の身を守ったのだ。肉体強化。文字通りに体の硬さも変わる。そのまま上条の蹴りは一切通用せずに逆に蹴った本人が痛がる始末だ。
「グァ!?」
足をとっさに押さえてしまう上条。しかしその隙をみすみす見逃すはずもなく、雪旗はそのまま蹴りを喰らわせ、向こうへ吹っ飛ばす。
「グ……」
「しばらく、動けないだろ……」
そのまま走り出す。そしてアイテムの面々が思った以上の成果を出していたので、自分の立場がないなと思った。
(命令ってのは強いヤツがやる仕事なんだな……)
そんなことを思いながら、適当に見守ってると、後ろからシスターさんに攻撃をされる。
「っと……」
シスターの方が上条よりも弱いのは明らかだった。肉体強化を使えば、すぐに気絶させることができるんだから、即座に体を移動させ、腹部に強烈な一撃を喰らわせる。
「そっと……そっと……」
そっと寝かせながら、また見守ってた。
すると、いつの間にかシスター達が少なくなっていた。アイテム達も一度集合する。
「おい、相手がいなくなったけど?」
「多分、引いたんだと思うぜ?」
麦野達と話してると上条とインデックスとステイルが来た。
「おい、そろそろ帰るぞ」
「あれ? どうした?」
そのまま事情を聞くと、もう上条達に出る幕はないらしい。帰ろうとしてる途中だった。上条はコンビニに行くと言って、走り出したのだ。雪旗は小さくため息を吐いて、上条の方へ行く。
「……付いてくぜ? 上条さんよぉ」
「……悪い」
「別に気にすることないぜ?」
そのまま上条達と行くと、場所は上条が思考を巡らせていた。どうやらここかもしれないという場所はわかったらしい。ここでは特に口を挟むつもりはなかった。はっきり言って、そこまでしっかりと覚えてる訳ではなかったから。今頃、オルソラ=アクィナスはローマ正教に暴行を受けているはずだ。はやく急がねば!! などと思っている内に教会まで到着する。
「……この教会か?」
「あぁ、多分」
そして、その教会をバンッ!! と開け。中にいるシスター達が全員こちらを驚きながら見る。そこに居たのは、ボロボロのオルソラとそれをやった張本人のアニェーゼだ。
「いやぁ、上条の右手って本当に反則な」
「ま、こういうことに限れば、だけどな」
シスター達はザワザワと騒ぎ出す。そこでリーダーであるアニェーゼが最初に切り出す。
「ただのド素人がなんで……とは思っていたんですがね? 『何か』があるみたいですね」
「……一度聞くけどよ。もう、誤魔化す気はねぇってわけか?」
上条が言うと、アニェーゼが若干の冷や汗を掻きつつ言う。
「この状況を見て、まだ、そんなことが言えるんですね? イギリス清教は逃げ帰っちまったみたいですが、アンタ、この状況を見て何するかわかってますよね?」
上条が一呼吸おいて、言う
「ああ、わかってるよ」
「だったら」
と続く言葉は無かった。そのまま上条が走り出し、思い切り殴り飛ばす。とっさに持っていた杖でガードをするが、そのまま後ろのシスター達が受け止める。
「き、さま……何の真似だ! これはぁ!!」
アニェーゼが叫ぶように言うが、上条は睨んだまま、言い放つ。
「何をすべきか……だと? 助けるに決まってんだろうが!!」
(こういうの素で言う所がもう、凄いよね。俺は無理だわ)
そんなことを考えながら、戦いが始まろうとしていたが、直後、炎がこの教会を襲う。
「まったく、勝手に始めないで欲しいね」
「…イギリス清教!? ア、アンタがやってることがわかってんですかッ!?」
「あぁ、わかってるさ、その前にオルソラの胸を見てみたまえ」
そうだ、上条はオルソラを見て思い出す。上条はオルソラに十字架をつけてあげた。それが結果として、オルソラをイギリス清教にしたのだ。今の彼女はローマ正教ではなく、イギリス清教。つまりここでステイルが入ってこようが、問題にはならないのだ。
そして、それをきっかけに続々と人が入ってくる。インデックス。天草式にアイテムの面々。
「なんで、お前達が来てるんだよ?」
「超たまたまですよ!!」
「あぁ、ていうかなんか文句あるのか?」
「ありません! はい!」
こうして、全員集合ということだ。誰もがオルソラ=アクィナスを助ける為に動こうとしていた。
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