「……ちょっとアンタ」
髪を掻あげつつ、電気をバチッッ! と鳴らしながら、こちらへと歩み寄る人影。彼女は御坂美琴。この『学園都市』の超能力者の第三位という序列に位置する。
雪旗は本当にここに来なければよかったと後悔するが、もう時すでに遅しということで、絡まれるしか運命が無いということだ。
(いや、待てよ? コイツは、電撃をうち消せる上条に用事があるんだ……だったら、俺は別に要らないだろ……いや、しかし、上条に付いて行かないと、寮の場所が……)
自分の中で考えを纏められず、かなり考え込んでいる間。二人はそんな雪旗は無視して、いつの間にかどこかへ消えていた。
(ちょっと待てよぉ!!!)
心の中でキレながら、二人を探すために走り出す。すると、店員に止められ、なぜか二人の食事代を払うはめになった。これはもうぶっ飛ばす。確定事項と心の中で、ふつふつと燃えたぎる。闘志を上条にぶつけようと心に誓った。
ちなみに、女子相手に本気で殴るのは、少し気が引けるので、できることならしたくないと思っている雪旗。
「見つからない……。確か、どこかの橋みたいな場所だった気がするんだけどなぁー?」
そこら辺をどんなに見回っても、そんな場所を見つけることすらできない。しかし、さすが外とは二、三十年の開きがあると言われるだけあって、中にある物の大抵は高度なモノばかりで、見ててもなかなか楽しめた雪旗。目的を一瞬忘れそうになるのを首を横に振り、忘れないようにする。二人を探すために走り出す。そして絶対に食事代を出させると誓う。
「ゼェ……ゼェ……ゼェ……」
やっとのこと見つけた。二人はまだ戦っている最中だった。しかし見た感じ、やはり上条の方に分がある。さすがに『幻想殺し』という異能に対して最強の力があるのとの違いなのかもしれない。が、御坂も御坂でタダでやられるつもりもないようだ。砂鉄で作ったブレードを鞭のように飛ばし、上条を倒そうとする。しかし、それも上条は無効化する。
「……終わったな」
そのまま、戦いが一通り終わると雪旗が、二人の下へと行く。そして二人が雪旗に気付くと御坂の方は不機嫌そうな、上条の方は安堵したような表情だった。そして、その二人に雪旗は言う。
「金を寄越せ。貴様らのおかげで、俺はファミレス代を二人分払わされたぞ」
二人はハッと気付き、謝りつつ払ってくれた。
「……ったく、御坂さんよぉ。上条を好きなのは勝手だが、無銭飲食はいけないなぁ……」
と少し小馬鹿にした感じで言うと、御坂が顔を真っ赤にして、こちらに電撃を放つ。それを上空に一気に飛び、その攻撃を避ける。こんな使い方もあるんだな、と自分にちょっぴり感心したりしてる。
そのまま綺麗に着地して、御坂の方を見て、ため息を吐きながら肩を竦める。それが逆鱗に触れたのだろう。さらに激しい電撃が迸ることになった。
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