とある雪旗は転生者   作:三十面相

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 久々な投稿です。できる限り頑張ってますので、暖かい目で見ていただけると、幸いです。


運び屋 オリアナ=トムソン

 やることは山積みである。そして、ひとまずは動きだす。オリアナを探す為に走ってばかりの雪旗だが、簡単に見つけれるはずもなく、そんなこんなでずっと走りっぱなしである。

 辺り一面、大覇聖祭一色という雰囲気でこんな場をぶち壊そうとしてる連中には少しばかり痛い目にあってもらわないと困る。ひとまずやることと言えば、大本を叩くのが一番早いのだが、今回の場合はどこにいるのかがわからない為、枝の方からやるしかないのだ。運び屋という職業である彼女はおそらく、撒く技術が人一倍あるだろう。

「くっそ……疲れた」

 息を軽く切らしながら、横腹を押さえる。息を整えつつ、再度走り出した。

「見つからねぇな。どこだ?」

 

 

 そうこうしていたら、上条を見つけた。

(あ、上条か?)

 そう思ったら、その先にオリアナが居た。上条が見つけたということだ。しかしどうやらオリアナの方は上条に気付いてるようだ。それに上条は気付いていない。このままでは撒かれるだろう。

(さっさと捕まえたいが周りに人が多すぎて、無理だな……)

 

 

 人ゴミの中、オリアナに気付かれないようにする。ついでに上条にも気付かれないようにしなければならない、もしも気付かれたら、仲間認識され、絶対に自分からも隠れるようになってしまうだろう。面倒ごとはごめんなので、二人にバレないように彼はずっと付いていく。が、しかし唐突に勢い良く走り出す。通行人が居るので、能力も使えない。そのまま走り出すのを追いかけようとしたが、追いつくことができなかった。

「チッ、逃げ足の速いヤツだな……さすが運び屋か」

「なんだ、雪旗もいたのか?」

 上条が言うと、雪旗がいつもの調子で言う。

 

 

「あぁ、なんつか、アイツ。やっぱりプロだな」

 多少、トーンが下がった感じで話す。別に格好つけている訳ではない、真剣に話す時など大体こうなってしまうものなのだ。

 だから、別に左目が封印されてるとか、右腕に何か宿してるとかではない、実際この世界だと普通にありそうな話ではあるが。

 

 

 場所は移り、そこはバスの整理場だったのだ。

「ったく、面倒な場所に移りやがって」

 頭を掻きながら、雪旗はうんざりした調子で話す。

「自立バスの整備場って訳か……」

 土御門の暗部バージョンの声が響く。そのままバスの整理場の中へと入り、走る。雪旗達が進んでいると何かを踏む。

「トラップか!? 伏せろカミやん!! 雪っち!!」

 

 

 とっさに雪旗は横へと飛び込もうする。するとそれよりも先にステイルが上条を前へと押す。

「君の出番だろう」

「うわ!!?」

 とっさに右手を構えて、トラップを破壊する。

「ナイス! 上条!」

「ふざけんな!」

「いいや、我ながらなかなかのチームプレイだね? 役割分担ができているのは動きやすい」

 上条が睨みつけ、ステイルの方へと詰め寄り、胸倉をつかむ。

「お前なぁ……!」

「だから、自分の役割を果たしてこい!」

 そう言いながら、押し返されると、直後トラップが発動する。それを右手を使って破壊する。どうやら上条はそういう役割のようだ。

 トラップを破壊した瞬間、ステイル、土御門、雪旗は進む。

 

 

「ちょっ!? 待てって!」 

 すかさず上条もついていく。

 二人はバスへと隠れながら、状況をうかがっている。

 

 

「ステイルはルーンのカードを配置して待機しておいてくれにゃー。オレは運び屋を抑える」

「了解した」

「カミやんと雪っちはどうする? ここに残っていた方が安全だが……?」

「僕としても、そちらの方が安全だと思うけどね。僕の身が。ソイツはいらない」

「ああいう感じなの? 嫉妬? 嫉妬でしょ? 絶対」

 

 

 そんなことを言いながら、結局三人はオリアナを追いかけることになったのだった。バスの整備場から出て行くまでにも、何度もトラップがあったが、それをすべて避ける。

「これは囮だ。いちいち構ってたら、逃げられちまうぜい」

「んなこと言われても!!」

「俺は簡単に避けれるけどな?」

 

 

 結局、すべてのトラップを避け続け、やっとバスの整備場から出て行くことができた。すると、直後、地面の波のようなモノが襲い掛かってきた。

「上条ォォォおおおお!!」

「おう!!!」

 雪旗が叫ぶとそれに答えるように上条が地面の波を破壊する。

「うし! 行くぜい!!」

 しかし、追いついたと思ったが、完全に逃げられてしまったようだ。もう姿すらどこにも見当たらなくなってしまった。

「どこ行ったんだ……?」

 雪旗がそう言ったが、土御門が壁に貼ってあったモノを剥がし、一言。

「追跡封じのオリアナ=トムソンか……ふざけやがって!!」

 一度、バスの整備場へと戻り、オリアナの場所を把握しようとする。ステイルがルーンの魔術を使い、何かを発動させた。それ自体を覚える気はさらさら無かった雪旗だったという。

 その魔術を使った瞬間、まるではね返されたかのようにステイルがもがき苦しむ。

「カミやん、ステイルを殴れ!」

「え!?」

 

 

 しかし、その指示に従い、上条はステイルに触れると、直後、魔術が破壊される。

「ハア、ハァ……なんだ? 今のは……?」

「おそらく、ステイル個人の魔力に反応して自動的に作動するような迎撃術式が組まれていたんだろうさ」

「ってことは、ステイルはオリアナに対して、魔術は使えないってことか?」

「まったく、厄介なモノを組まれたモノだ」

 そう言いながら、立ち上がる。どうやらもう回復したようだ。

「さすがは追跡封じというべきか……」

 そう言いながら、彼は懐からタバコを取り出し、吸う。どうやら今回の敵は想像以上に厄介だったようだ。

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。 


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