「なんで、こんなギスギスした空間に俺を連れて来た?」
雪旗が軽く愚痴るように上条に言うと、上条は特に何も言わず、笑うだけだ。
「そもそも短髪は一体何なのかな?」
「それはこっちのセリフよ!」
そう、二人は言い合いをしていた。モテる男は困りますね? と嫉妬と苛立ちが交ざった眼差しを送る雪旗。上条は困った感情しか抱いていなかったが。
「それに、こっちはこっちでさぁ……」
美鈴が何か胸を強調するような格好になると、そちらを見る刀夜。それにキレる詩菜。そう、こちらもこちらで若干ギスギスしている状態なのだ。
はっきり言って、どちらとも関わりたくなさすぎる雪旗にとっては、どちらも安全地帯じゃなかったりする。上条はなんとも思ってないようだが、一体どういうスルースキルなのだろうか、譲って欲しいぐらいである。
別行動中。
絹旗と雪旗。上条とインデックス。それぞれ別々に行動していたりする。絹旗自身、特に行きたい場所も行くべき場所も無いとの事で二人行動してる最中だ。
まあ、こういう時に限ってきっと面倒な何かが来るような感じがしたりするのだが、きっと気の所為だろうと雪旗は思っていた。
「おいおいおい、何してんだ? 二人して」
聞いた事のある声だった。というか、麦野沈利だった。
「ん? 麦野か。その口調どうにかしねぇか?」
「は? 別にどうでもよくないかにゃー?」
(どこぞの誰かを思い出すからやめて欲しい。そもそもそういう口調多くない? 何、流行ってるの? もしかして俺にもそういう特徴的な口調必要? 俺には決めゼリフすらないよ!?)
と何やら、話が心中で脱線させている雪旗だが、そんな事は知る由もなく、麦野は続ける。
「それよりも、二人で何してたの?」
「ん? 超二人でデートしてたんだぜよ!! なあ、絹旗っち!!」
「は!!? ちょ、超違いますよ!!! というか超なんですか、その口調!!」
(なんか、思った以上に恥ずかしいぞ……!! やめる、もう特徴的な口調じゃないのが、特徴的って事にしよう!! うん!!)
そんな空間の中、一本の電話が掛かってくる。一瞬で雪旗の目の色が変わる。土御門からの連絡だ。
「なんだ?」
ワーワー言ってる二人から少しずつ距離を取って、別の場所で通話する雪旗。巻き込めない以上、素早くここから立ち去らなければいけない。そんなこんなで、会話をしていると、どうやらオリアナに動きがあったようだ。第五学区の地下鉄のようだ。
一気に駆け抜ける。能力を使い、すぐさま行く。おそらく全員が動いているはず。すぐさま、地下鉄に向かい、移動する。土御門は随時、連絡をくれる。何度も何度も。
なにやら魔術を使い、場所を随時調べているようだ。
「……アイツらどこだ……?」
上条とステイルの二人とは完全に別行動となっている為、土御門は二つに連絡している事になる。なんだか悪い気分になってきた。さっさと二人と合流しようと思う雪旗である。
「……さっさと終わらせるぞ。こんな状況をよ!!」
そんなこんなで雪旗は一気に駆け抜けるのだ。こんな状況をさっさと終わらせる為に。
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