いつも、自分が思ってる事が丸っきり否定するような出来事が起きたら、それは何かの陰謀だと思うのに、さほど時間は掛からないモノだろう。
というのも、上条当麻という。
ふざけてるのかと思う程の不幸体質の人間が大覇星祭最終日恒例の来場者ナンバーでなんと、なんとあの上条当麻という人間が、北イタリア五泊七日の旅を見事に引き当てたのだ!!
「……うぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」
と叫んでいるのは、雪旗硬地だったりする。何故、叫んでいるのか、その理由は、自腹を切らなければならないという部分だ。
いや、ついてこなくてもいいのならば、彼らの旅が本当にただの旅ならば、雪旗は一緒に付いていったりはしない。だがしかし、あってしまうのだ。
上条当麻のいる所に事件あり、という言葉が作られても不自然ではない程、彼はその点に関しては遺憾なく、不幸を発揮したりするのだ。
「……はぁ、自腹かぁ……高っけぇな……」
とお金はたっぷりあるのだが、使うのがなんだか勿体無いという感じがする雪旗硬地はそのまま後悔の念にとらわれたまま、準備を素早く、済ませていた。
「ったく、しょうがないなぁ……」
叫んだ理由も実のところ、旅行が楽しみで楽しみで仕方ないという部分もある。しかし、彼は滅多に自分の感情を表に出さないのだ。
しかし、今回のような事があれば、彼もテンションは上がるだろう。そして、様々な問題をクリアして、彼らは北イタリア五泊七日の旅へと、向かったのだ。
「さてと……どうするか」
思案している雪旗を置き去りに、彼らは勝手に行ってしまう。まあ、なんとなくそういうヤツらだとはわかっていたが、それをわかっていた上で。
「おーい……酷くない?」
そんなこんなで、三人で来ていた。ちなみにアイテムの彼女達も後に合流するらしい。誘ったのは自分だし、一応奢りという形になるのだ。
今まで貯めこんでいた貯金が一気に消え去ったのに軽いショックを受けつつも、その事を払拭する為に、楽しむだけ楽しもうという感じだ。
(怪我はしないようにしないとな……いろんな意味で洒落にならんし)
そしていつも通りと言うべきか、暴食シスターインデックスはご飯を見て、目を輝かせている。
いつも通りの服を着ていて、ここでもやはりと言うべきか、目立つ格好だ。
「食べるのはホテルに荷物を置いてからだぞ?」
と上条が呆れ混じりに言ったが、インデックスは顔を真っ赤にしながら。
「く、釘を刺されなくても、わかってるかも!!」
と言った直後、また食べ物に目がいっている。上条も微笑ましく思ってるようだ。
「あのさ、食べ物も良いんだけどさ、チェックイン済ませたら、ヴェネチア行こうぜ、ヴェネチア。俺、一回ゴンドラ乗りたかったんだよな」
と上条の方もどうやら行きたいところがあったらしい。
ちなみに雪旗も海外旅行などは両方合わせても、今回が初めてで、ワクワクがいまだ健在という事だ。
行きたいところは少ないが、海外旅行という事でテンションは爆上がり、さっさとチェックインを済ませたいところだと、思っていたら、その前に不都合が起きたり。
「あれ? インデックスは?」
「え? インデックス……?」
迷子。
インデックスがというよりも、彼ら二人が。
インデックスを探す為に、いろんな場所を回っていたところ、そこで、ここに住んでいるであろうおばさんが話しかけてきた。
ペラッペラのイタリア語だ。一応、雪旗が華麗に対応したおかげで、難を逃れた上条はホッとしているところで、彼女に会った。
「オ、オルソラ……!?」
「はい」
ニコリと対応してくれたのは、オルソラ=アクィナス。前に上条が助けた内の一人だ。たまたま、今回も会った、という事だろう。
ちなみに雪旗は知っていたのだが、一応、対応は驚きを混じらせている。
「それで、一体どうしてあなた様達が?」
と聞いてきたオルソラに対して、上条が答える。
「俺達は旅行でな、そういうオルソラこそ、確か、ロンドンじゃなかったか?」
「つい先日までこちらに居を構えてございまして、ローマ正教からイギリス清教へ移る時に少々バタバタしてしまいまして、天草式の人達がお手伝いをしてもらいまして」
「天草式か……」
雪旗が、少し含みのある感じで言ったが、上条はそれを一切気にせずに、多少驚いた感じでいた。そしてオルソラが聞く。
「ところで、あなた様達は、何をしていらっしゃたのですか?」
「え、ああ……インデックスを探して……」
「ここで会ったのも、何かの縁でございます、丁度良かったのでございますよ、荷物の整理を手伝ってもらえませんか?」
「え、だから、俺達はインデックスを……」
(なんか、天然さんな感じだよな……)
などと思っていたら、彼女が。
「あら、インデックスさんでしたら」
先にオルソラの自宅に居たりした。二人が必死に探してる間に彼女はジェラートを頬張っていたのだ。笑顔でそれを頬張りながら、インデックスが。
「とうま、とうま! コレ見て、コレ! こんなにおいしいジェラートなのにお徳用で凄く安いの!! あむっ!!」
と本来ならば。
それを使って。
「お前、俺達を置いてけぼりにして……?」
「あ、オルソラ! お昼ご飯まだぁ?」
と二人を無視して、お昼ご飯を要求するインデックスに落胆しながら、上条はいつもの一言を発した。
「不幸だ……」
「ま、それがお前だから」
とフォローになっているような、なっていないような一言を言って、肩に手を置き言う。
そんな事をしていたら、天草式の人達か、扉を半開きにして、五人程の人数が居る。
その中で雪旗が最も気にしたのは、やはり誰が何と言おうと、五和だろう。この時には既に彼女は上条に惹かれていたはず。
上条におしぼり作戦なるモノを実行していた時は、あまりの回りくどさに驚愕したのを思い出す。
そして、雪旗達のお昼ご飯が用意される。パスタという、イタリア料理の定番を出された。
「あ、でもいいのか? 俺達まだ何も手伝っていないけど……」
と上条が心配そうに言うと、オルソラが笑顔で対して。
「まずはお客様をもてなすのが先でございますよ」
上条が笑顔で答える。
「じゃあ、遠慮なく」
と言ったら、五和が上条に対して、おしぼりを用意する。
(お……)
「使います?」
「あ、ども……」
と軽く会釈。
「いえいえ」
そのまま彼女はそそくさと退場する。上条もいまいち、要領の得ない顔をする。
「あいつらは一緒に食べないのか?」
上条が聞くと。
「鍛錬中とかで、決まった食事作法でなければ、ならないらしく」
「とうまぁー」
と我慢できずに上条を急かす。オルソラも笑顔で。
「さぁさぁ、冷めない内に」
「じゃあ……」
三人一斉にいただきます、と言い。食べ始めた。
「う、うめぇ……」
雪旗が感嘆の声を漏らす、それと同時に二人もおいしいおいしいと食べまくる。
「なんだ、パスタってこんなに旨くなるモノなのか!?」
「とうまが作った五百倍ぐらいおいしいかも!!」
「てめぇに言われる筋合いはねぇけど、本当においしいから今はいいや!」
と食べながら喋るという行儀が悪い食べ方をしていた二人。雪旗は黙々と食べていた。
食事中に喋るというのは、あまりしなく、今も寮では一人で食事してるし、そこら辺は黙って食べるのが、癖になってたりしている。
そうして、全員が食事を済ませた。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。