とある雪旗は転生者   作:三十面相

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今回も駄文ですが、暖かい目で見ていただけると幸いです。


アドリア海の女王

 オススメの場所をオルソラから聞きながら、上条と雪旗は引越しの手伝いをしている。と言っても、雪旗はもっぱら力仕事のみに専念していて、他の事を一切まかせっきりという感じだ。

「ほぉ、さてと、他にする事はぁーっと……」

 そして上条が新聞紙のストックの場所を聞きにオルソラの元へ、この時、二つの場所からシャワーの音が聞こえるという状況に陥った上条は悩みに悩んだ末、インデックスの声が聞こえない方を開けていた。雪旗もその場面を目撃しており、雪旗が一番初めに思った事はまさに上条と同じだ。

 

(なぜ、ノックで確認しない……?)

 まさに流れるような作業とでも言うべきか、ラッキースケベを終えて、待っているのは制裁だ。インデックスに噛みつかれる上条当麻の一言。

 

「不幸だーッッ!!!」

 そんなこんなで、辺りも暗くなりやっと引越しの作業を終える。上条はオルソラに一緒に見て回るかと、誘ってみたが。

 

「そんな、大人数でだなんて」

 とクネクネさせながら、赤面させて言うオルソラ。ガクッ! と上条は体勢を崩す。インデックスが不思議そうに聞く。

 

「何、大人数?」

「聞かなくて良い!! そして知らなくて良いんだ。インデックスッッ!!」 

「それにこれからキオッジアにお別れを告げに回りたいですし、みっともない顔もしてしまうかもしれませんし、あまり見せたくありませんから」

 と少し恥ずかしそうに言う。

 

 それに上条は少しだけ微笑んで。

「そっか」

「では、私はこれで、機会がありましたら」

 そしてオルソラと別れようとした、その瞬間だった。

「これは……! みんな伏せて!!」

 

 インデックスが叫び、そして強制詠唱(スペルインターセプト)。オルソラを狙っていた魔術を強制的に位置を変え、そしてオルソラの荷物が吹っ飛ぶ。そして魔術師の仕業だとわかって先に動いたのは、上条。そのままオルソラを押し倒しながらオルソラを狙っていた針のようなものが上条の背中を掠る。上条がうめき声をあげてしまう。

 そしてそのまま魔術師の場所を探すが、見つからない。探していると足を掴まれる上条を水の中へと一気に投げ飛ばす。そして水の中から這い出てきた魔術師は持っていたヤリでオルソラに突こうとするが、それを雪旗がオルソラの前に立ち、突いてきたヤリの軌道をずらし、その魔術師に思い切り蹴りを入れ、水の中へと再び、ぶっ飛ばす。

「チッ!! なんだこれ!? 上条ー! 大丈夫かっ!?」

「あぁ!!」

 

 上条は水の中から這い上がり、辺りを見回す。

 向こうから数名の魔術師が何かを喋る。

「……?」

 雪旗が疑問を浮かべてると、地面から地震のような揺れが生じる。

「なんだ……?」

 

 そう上条が呟いた後に、水の中からとてつもなく大きな船が出てくる。あまりの大きさに上条とオルソラが立っていた場所も巻き込まれ、そのまま上条とオルソラは船の中に入ってしまった。

「大丈夫か、インデックス。少し下がってろ」

 雪旗も助走をつけて、一気に船の中へと入り込む。すると、その直後だった。船が急発進し、そのまま三人を乗せたまま船は動き出してしまう。

「これ、素材はなんだ? ガラス? いや、氷か?」

 

 雪旗が少し船について、考えていると雪旗達が上の部分に居ると、船の下の方から魔術師が数名ほど来る。どうやらここに居るという事は既にバレているようだ。

「俺が囮になるから、その間にお前達は中に入ってろ……」

「なっ!? 何言ってんだ!? 雪旗ッ!!?」

「お前はちゃんと、オルソラを守ってやれよ……中にも敵はいるかもしれねぇからな」

 そのまま雪旗は上条達から多少離れた場所から一気に下へと降りる。そして啖呵を切る。

「よぉ、魔術師達よ!!! 俺が相手してやるぜ。かかってこいよ!」

 向こうは日本語ではない言葉を使っている。雪旗が使ったのは、日本語だから理解できてないだろうが特に気にしない。どうせ向こうはわからなくても……。

 向こうから迫ってくるからだ。魔術師達が槍やら何やらを使って、こちらに向かってくる。雪旗はそのすべてを避けて、一気に迫りくるヤツらを一気に吹っ飛ばす。

 そして、そんな間。中に入ってる上条とオルソラ。中の構造はどうやら客船のような感じだ。そして向こうから魔術師が来たので、一室に隠れている上条とオルソラ。どうやら相手はローマ正教のようで、二人は頭を抱えていた。その直後、船が大きく揺れる。一室についていた窓を二人で覗くと、今乗っている船とまったく同じ船が多数ある事に気付いた。

 

「この船は敵の本拠地ではなく、一部に過ぎなかったという訳ですか」

「キオッジアじゃ、狭くて、展開できなかったって訳か……」

 上条が懸念している事は今はインデックスだ。どうやら一人っきりにしてきた事を心配していた為、携帯電話で連絡しようとしたが、どうやら電源が切ってあるようで、連絡はつかない。そんな話をしていると、扉が開かれる。慌てふためいた上条がとりあえずオルソラをベットの上にあった毛布で包む。扉を閉めようとしたら、そこに居たのは。

「アニェーゼ……!?」

 

 そう言うのも束の間、アニェーゼは上条の頬と腹部に一撃。それを見兼ねて、上条の前に庇うように立つ。アニェーゼは驚いたようにオルソラを見る。

「どうして、アンタ達がアドリア海の女王に……?」

「成り行きで船に乗ることになったのですけど……アドリア海の女王というのは、この氷の艦隊の名称でございましょうか?」

「艦隊名は女王艦隊。この船は護衛艦の一隻。本当に何も知らないみたいですね?」

 上条が少し回復して、口を挟む。

 

「どうして……こんなところに? 何やってんだ?」

「侵入者捜索の手伝いです。ですが、アンタ達が侵入者なら、これは少し利用できそうです……」

「でも、俺達もここに来たばっかりだぞ?」

 と反論したが、彼女は平然なままだ。

「グダグダ言ってたら、ここで今叫びますよ? アンタ達は黙って従ってればいいんです」

「ですが、私達を逃がして、あなたに何のメリットが?」

「報酬……そう捉えてもらえればいいです」

 

 そしてこの船の事を少しでも知りたく、上条が聞くと、どうやらこの船はアドリア海の監視の為のものらしい。オリアナは聞いた事がなかったらしいが、どうやら二人が知ってる事などほんの一部に過ぎないらしい。

「というか、俺達はいきなりこの船のヤツらに襲われたんだぜ? 本当にただの監視の為のものなのか?」

「そりゃ文字通り、監視に引っかかったんじゃないですか? あなた達はローマ正教のプロジェクトを破壊した人物なんですし、その上、片方は日本から片方はロンドンからやってきてんですし」

 どうやら、この狙っていたのはオルソラだけでなく、上条や雪旗も狙われていたという事になる。上条がそう考えていたら、アニェーゼが続きを話す。

「ま、それは建前でここは一種の労働施設なんですよ。私みてぇな罪人を集め、受けた損失分を支払わせる為のね、だから船に居るのは私の部隊、いえ元部隊のシスター達がほとんどです」

 上条は少し考え込む。どうやらあの時の事件がこういう風になっていたと上条は知らなかった為、少し考えるところがあったのだ。

 

「それで、こっからが本題ですが、あなた達を見逃す代わりとして、シスタールチアとシスターアンジェレネを助けて欲しいんです。あの二人、索敵の裏をかいて脱獄して、準備を整えてから、私達を助けるつもりだったらしいんですが、途中で捕まってしまって、脱獄術式の加工をされるらしく……」

「それはつまり、思考力そのものを奪うという事でございますか? 脳の構造を壊すと……?」

「そうなる前に助け出して欲しいんです……そうなりゃ、脱獄術式を使えるでしょう」

 しかし、ここで懸念がある。

 

「ですけど、その術式はすでにローマ正教にもバレているのでは?」

「女王艦隊ではこれから大仕事があるのですから、一人二人の脱獄を気にしてる余裕が無いのですよ。私は陽動の為に機関に戻らないといけないんですよ。その間に助け出して欲しいんです」

「お前は俺達を助けてくれるのか?」

 と上条は言うとアニェーゼは否定。利用していると。

「管理している側が怖れてるのは、労働者の反乱なんですよ。言っちまえば、私はそれを防ぐ、精神的な安全装置という事です。艦隊の中を自由に動く権利だってありますし、労働も免除、シスタールチアとアンジェレネ両名は空回りなんですよ」

 

 小さな声で、さっさと二人だけで逃げればいいのにという言葉が聞こえた。

「運良く、ここから出られたら、もう二度とローマ正教と関わらない事ですね」

「……わかったよ。多勢に無勢だと、こっちだって助ける余裕無いしな……」

 

 上条が頭を掻きながら言うと、アニェーゼはあの時の事件の事を掘り返す。あの時にたった一人で立ち向おうとしてたのは、どこのどいつだと。そして、アニェーゼは手を差し伸べる。

「ああ、ありがとう……」

 と手を取ると、その瞬間。幻想殺しが発動する。そしてアニェーゼの服が一気に散る。どうやら魔術的な何かが施されていたようで、そのまま上条の右手に反応して破壊されたようだ。叫びそうになったアニェーゼの口を上条、オルソラは急いで塞ぐ。

 二人はそのまま、中に居るシスタールチアとアンジェレネを助けようとしたら、向こうから足音が聞こえる。ここはかなり人が居ないという話だったが、どうやら運悪く人が居たようだ。上条がオルソラを下がらせ、身構える。

 すると、そこに居たのは。

「あれ? 上条……?」

「雪旗……とルチアとアンジェレネ???」

 どうやら助けようとしていたら、雪旗が先に助けていたという事だったのだ。

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。


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