今回も駄文ですが、どうか暖かい目で見てくださると幸いです。
「今日か……」
そう呟くのは、雪旗だ。今日は左方のテッラとの戦いがある。雪旗が行く事になるのか、よくわからなくはある。しかし一つ大事な事を思い出した。
(俺、小麦粉男とは戦いたくねぇな。こっちでたくさん死人出るし、あんまり人死にに関わりたくもねぇが、どうすっか……向こうもそろそろピリピリしてる頃だしなぁ……はぁ、どうする? 十中八九、フレンダはもう死なないよな? 死なない……よな?)
そんな風にちょっとばっかし、おっかなびっくりな状況な訳で、ここでいきなりフレンダ退場とかになったら、おそらく雪旗はいろいろとぶち壊れる。それぐらいあの四人に大しては絶大な信頼を寄せているのだ。上条以外でのある意味での心の支えみたいなモノだ。
ふむ、他に頼れるというか、新たに、仲良くなった(?) と言ったら、誠に不服ではあるのだが、一方的に垣根に気に入られたりとかあったが、特に気にしない。
そんなこんなで、雪旗は四人で弁当を食べていた。傍から見れば、なんだ、このハーレム野郎はッ!!? と思われているような、思われていないような――いや、おそらく思われていないだろう。
「おい、雪旗。何か買ってきて。できれば、サバ缶」
「私はシャケ弁当」
「私は……何か飲み物……」
(コイツら…………)
無論、無茶振りに対応する雪旗ではない、最近はそこそこ慣れ、軽く受け流す事もできる。
「というか、麦野は弁当食ってんだろうが……」
「あぁ? シャケ弁は別腹って知らないのかぁ?」
「あ、ちなみにサケ缶も別腹って訳よっ!」
「……」
「あのなぁ、女の子には一体いくつの腹持ってるんだよ……」
半ば呆れながら、雪旗は静かに思った。おそらく女の子には男にはわからないお腹をいくつか所有しているのだろう……と。
しばらく経ち、雪旗は常に身を構えていた。いきなり土御門がおばあちゃんを銃撃するんだから、割と命に関わるクラスの。いや、しっかりと急所は外していたのだろうが、素人目から見て、それはわからない訳で、いや本当にこればかりはわからない。
銃撃戦なんて一度もやっていない雪旗にとったら、だ。どちらかと言うと、魔術とか超能力とか不可思議系とばっか戦ってきた、銃とかよくよく考えたら、こっちの方が自然なんだよな。やっぱ、世界観不思議すぎんな。なんて事を考えていた雪旗。
時間も過ぎ去り、いつの間にか学校が終わって、適当にブラブラしていた時の事だ。ちなみに全員集合である。今日は珍しくも雪旗がそう集合を掛けたのだ。もちろん、不服の声は聞こえて来たが、彼女達なりに珍しい事態でもあったので、そこまで強い不服は来なかったのが、良かった。
(そう考えると、つくづく俺って振り回されやすいヤツなのかぁ……?)
そんなどうでも良い事を考えてしまう辺りがおそらく振り回されやすい原因でもあるだろう。なんやかんやで本当に振り回されやすい男である。
そうこうして、歩いて着いたのは、オープンカフェ。そしてそこに入るのは初春飾利と打ち止め。珍しい組み合わせである、と同時にとても危険な組み合わせでもある。
軽く雪旗はため息を漏らす。そこに近づく事も考えたのだが、今の状況で話しかけるのはただの怪しい人ではないのか? と軽く自分の行動を考える。どっちも――いや打ち止めの方は軽く知り合い程度ではある。
初対面の発言は忘れて無いけど。そのまま考えていると、打ち止めがどこかへと行ってしまう。マズい。雪旗はそう思い、一気に駆けると、その前に垣根が来てしまった。
そして垣根と軽く会話をする初春。だが初春の方は素っ気無い。そして再び、オープンカフェで食べていたパフェに口を付けようとすると、垣根が初春を殴る――はずだった。
「……何のつもりだ? 雪旗」
「俺の台詞……なんだがな? こんな子どもに何しようとしてんだ?」
今回は四人。雪旗以外にも、『アイテム』の四人がすべて揃っている為、状況的に圧倒的に垣根が不利だ。そもそも雪旗一人でも対処が難しいのだから、だが基本的に傍観する『アイテム』。余計な介入は滅多にしない。
信用されているのか、死んでも良いと思われているのか、判断に困っている雪旗ではあるが。
「……はぁ。言っておくが……俺は邪魔するヤツには容赦はしねぇ」
と翼を四つはためかせる。またバトルか? と思いきや、雪旗は思わぬアクシデントに見舞われてしまう。
「そ、そこのホストっぽい人! とまって下さい。風紀委員です! 能力発動を今すぐに止めてください。拘束します!」
と腕章を見せて、垣根の前に立ちはだかる。雪旗がとっさに叫んだ。
「やめ――ッ!」
「うるせぇ」
凄まじい速度で放たれた翼の打撃。雪旗はとっさに体が動き、初春の前に立って、モロに翼の攻撃を受けてしまう。
「が――ッッ!!?」
凄まじい威力と共に、しかもモロに横腹が喰らったことにより、錐揉みしながら勢い良く飛んでいく。イスやらテーブルを破壊しながら雪旗は意識を失ってしまう。
薄れゆく意識の中、とりあえず『アイテム』のみんなへ、雪旗が叫ぶ。
「せ、めて……その女の子だけは――!!」
なんというか、女の子を守る主人公か、それとも噛ませか。少しだけ判断に困る退場の仕方だった。
目が覚めると、俺はテーブルにもたれ掛かっていた。軽く拗ねる雪旗。
(なんだよ。誰か、少しは心配してくれても良いだろ……)
そんな事を思いながら、俺は辺りを見回すと、そこは凄惨な状況だった。ビルやら何やらが酷く破壊され、まるで高能力者同士で戦いがあったみたいな状況だった。
(高能力同士の戦い――――!!)
雪旗は思い出す。ここはまさにカッコイイ場面の一つと言っても過言ではない所だったじゃないか。一方通行vs垣根。だがあれは同時に危険も伴う。周囲の――だ。
「……クソッ! 気絶してる場合じゃねえ!!」
雪旗は走り出す。無論、能力を使ってだ。近くを見てみると、どうやら初春や辺りの一般人も怪我はしてないようだった。ひとまず安心する雪旗。そして徐々に酷くなっていく凄惨な状況の中、本当に怪我人0な事に驚く。
器用なバトル方だ。ここまで激しい戦いをしておきながら、被害は街のみなのだから。
さすが『一流の悪党』なんて名乗るだけはあるのだろうか。正直イタイが……。
「ハァ、ハァ……ハァ、ハァ……」
軽く息荒い雪旗。もう横腹を押さえつつ、やはり飛べるヤツの機動力は違うな、と痛感する。ベクトル操作も大概チートだ。基本的なモノは軽く反射してしまうのだから。
そして辿り着いたのはスクランブル交差点。そういう場所だ。そこの真ん中に血塗れで倒れている垣根とそこに拳銃で今、まさに止めを刺そうとしている一方通行。
(マズイッ!!)
雪旗はとっさに拳銃をどうにかしようと思った。あれはマズイ。あれでは死ぬ。死んでしまう。止めを刺そうとしているだ。一方通行が自分自身で――。
ここで雪旗が止めには入ろうが、おそらく口だけでは何の意味も無いだろう。だからこそ、雪旗は一人でに足が動いて、その場に向かおうとした時、声が響く。
「待つじゃんよ、一方通行!」
黄泉川愛穂。警備員であり、教師であり、一方通行の家族である彼女が、今、一方通行を包み込もうとしていた。雪旗はそこから動いていた足を静かに止めた。なぜだろう。この後、起こる事はわかっている――わかっていて尚、動く事ができない。
できるはずが無い。ここは重要な場面だ。きっと一方通行にとって、何かを感じる場所なはずなんだ。このスクランブル交差点を少し見回り、多少だが、なぜだか、傷を負っている『アイテム』を見つける。おそらく俺が気絶した後、対象を変えたのか――というか、あの仕事はまだ有効だったのか、だったら本気で危険な目に遭わせていたかもしれない。と雪旗は少しだけ罪悪感を覚える。
そしてそんな事を考えてる間に黄泉川が一方通行の持っていた拳銃を優しく包み込んだ。
その瞬間。だった、本当に最悪なタイミングだった。
グサァッ! と黄泉川の横腹辺りに白い翼が刃物と化したかのような形で黄泉川を貫いていた。黄泉川の意識はそこで失われたのだ。
そこからは想像通りだろう。一方通行がキレた。激情に駆られ、黒い噴出した翼が生え、そして一方的に蹂躙が始まっていたのだ。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
感想、批判。大歓迎です。