体の修復を終え、雪旗は起き上がる。そして、今の時間を確認する。どうやら、もう既に時間が過ぎているようだ。辺りを見回してみても、わかる通り、既に夜になっていた。このまま寮に戻るか、小萌先生の所に行くか。どちらにしろ、今日はもう既に、問題と呼べるモノに出くわせない。
今から、行く方法も存在しない。もう手詰まりだと思った。その後だった。自分の手をポケットに入れて、気付く。携帯電話の存在に。
「…………」
今までの問題をすべて解消させれる。アイテム。携帯電話。これに掛ければ、一発で場所が特定できるのだ。
しかし、ここで問題が浮上する。果たして上条は雪旗の質問にまともに取り合ってくれるだろうか。上条は問題事を抱えることはするが、相手に対して、手伝ってなどとは言わない男だ。というか自分ですべて解決しようと、努力する。
ようはここで掛けたところで、下手にはぐらかされるだけだった。だったら別の場所から責めよう。
(ステイル………と名前は聞いてないや。適当に、世間話の内に入れて、それで、いや、そもそも、知らないか……? いや、知ってる方に俺は賭けるぜ!!!)
意を決して、電話を掛ける。そこには、自分が今まで悩んでいたことをバカにするかのような、素っ頓狂な声が聞こえてきた。
『どうした? 雪旗?』
『いやさ、お前、最近なんか、トラブルに巻き込まれてない?』
『へっ? いや、なんで?』
急に焦りだす上条。
『お前の部屋から、白い修道服の少女が出て行くのが見えてよ。そしたら、なんか、それに関係あるような、黒い修道服に赤髪の男が俺を殺そうとしてよ。お前、何か知ってるなら、教えてくれないか?』
『わかった。とりあえず、今、小萌先生の所にいるから、来てくれないか? 話はそこでする』
『わかった』
電話を切り、とりあえず小萌先生の所へ行く用事ができた。しかし、また別の問題が浮上した。
「……小萌先生の家。どこだ……」
上条当麻の説明不足の所為で結局、また電話を掛けるはめになった。ちなみにすぐに教えてもらい、行くことができた。その前に一度寮へ戻り、Yシャツを換え、小萌先生のアパートへ向かった。
「よ、上条」
「お、雪旗か」
「そんな所で何してるんだ?」
と知っているが、あえて言う雪旗。というか言わなきゃいけない気がした。上条は答える。
「今、小萌先生の家で、回復魔術で治療してるんだ。お前も、もう知ってるんだろ。魔術を」
「まあ、見ただけなんだけど、とりあえず、わかってるよ」
一回殺されてるし、と心の中で呟く雪旗。
「それで、インデックスっつーのが、白い修道服の少女なんだ。んで、お前が言ってたヤツは多分、ステイルで、さっき寮の所で闘ってたんだ。アイツ、あんな小さな子を追い掛け回して……!!」
上条は怒りを露にしていた。事情を知らなければ、ステイル=マグヌスは悪者にしか見えない。実際はそんなことないのだが、しかし自分にとっては悪者かもしれない。自分が悪くないのに一度殺されてるし などと考える雪旗。それからしばらく経ち。回復魔術が終了したようだ。
「インデックス!!」
上条がインデックスの傍まで行き。様子を確かめる。
「大丈夫なのですよ。ただ寝てるだけです」
「お邪魔しまーす」
と一応、礼儀として言う雪旗。
「えぇ!!? 雪旗ちゃんがどうしてこんな所にいるのですかーっ!?」
「それは、まぁ、偶々居合わせただけで……ハハハハ」
誤魔化すように笑う。それから、結局、小萌先生の部屋は狭いということで。
(そもそも、アパートだし)
雪旗は自分の寮へ、上条は心配だから、この部屋で泊まることになった。
(さすが、上条当麻だ)
と、思いつつ、そのまま雪旗は寮へと戻るのだった。
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