すぐにステイルと神裂がこちらに来る。
「……どういうことですか? 私達が騙されてる?」
「あり得ないことばかり言ってるんじゃないよ」
二人は未だに信じ切れてないという感じだ。それに対して雪旗が懇切丁寧に説明した。そこまで説明され、やっと理解に及ぶ二人、それでも信じたくないという気持ちは捨てきれないようだ。自分達が今までしてみたことを考えれば、それは当たり前なのかもしれない。自分達は今まで、ずっと意味なく、彼女を傷つけていたのだから。
「……さてと、はじめようぜ。上条。お前が英雄になる。その時だぜ!!」
上条がインデックスの体に触れる。さすがに一発とまではいかず、モタモタしている。それに雪旗が若干苛立ちを覚えたが、我慢することにした。そして口に手を突っ込む。始まる。雪旗は少し身構えた。
『警告。第三章第二節。第一から第三までの全結界の貫通を確認。再生準備失敗。自動再生は不可能。現状、十万三千冊の書庫の保護のため、侵入者の迎撃を優先します』
それはあまりに無感情な声だった。そのまま迎撃準備と言わんばかりに、彼女の体に結界が張られる。それを見て、雪旗はその『経験値』をゲットした。その結界を作ることができるようになったのだ。
そして、彼女は何か呟いた。と思ったら、次の瞬間、光線が発射される。雪旗はそれも見る。経験値として入手する。
(やべぇ、どんどん知識として、中に入ってくるぜ)
上条はそれを右手で受け止める。
二人は呆然としつつ、どうすることもできていなかった。そして、雪旗は上条を退かす。直後、雪旗はインデックスが行ってる魔術とまったく同じ攻撃を繰り出す。
「!!!!?」
これには全員が目を剥く。魔術を使えるはずがない、雪旗がなぜ使っているのか。それにインデックスと同じ魔術を、禁書に記されている超高度な魔術をなぜ発動させることができるのか。三人が一斉に呆然としつつ、雪旗は言う。
「早くしねぇか!! 上条ー!! さっさとしねぇと、お前が救うんだろ!!? インデックスを!! だったら、早く、お前のその『右手』を使って、アイツに触れてやれ!! それで、すべてまるっと解決だ!!」
そのまま、白く迸る閃光の激突が行われる。徐々に強くなっていくが、それに伴い雪旗も威力をあげていく。見れば見るほど、しかし彼にとっても、これは諸刃の剣だった。体から、血が流れ出る。そのまま吐血する。意識も失いつつある。
「……早く……しろ」
そのまま上条がインデックスの頭に触れた。直後。すべてが終わった。インデックスが何か呟いていたが、意識が朦朧としていた雪旗にとっては聞き取ることすらできなかった。そしてインデックスを救ったという達成感が雪旗を油断させてしまった。雪旗は直後、気付く。自分の周りにある、上条達の周りにある。羽根を。
「しまっ……!!」
明らかに自分は間違いを起こしてしまった。この魔術を使用すべきではなかった。血が足りず、上条の近くに行くことすらできない。インデックスを救うことに夢中になりすぎて気付いていなかった。本来の目的。上条当麻の記憶を失わせない。
それは……結局。為すことができなかった。
『上条当麻は死を迎えた』
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