マイ「艦これ」(第9部)「提督暗殺」   作:しろっこ

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地上勤務の多い電チャンは、珍しくイロイロ考え込んでいた。


第9話<電の葛藤:直感>

「でも、そういうことにしておくのです」

 

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オトナ「艦これ」「提督暗殺」(みほ9ん)

:第9話<電の葛藤:直感>

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 午後から雨が激しくなった。鎮守府の窓からも激しく雨が降っているのが見える。

 

「最近は地上勤務が多いのです」……と電は内心呟いた。軍用車の運転もかなり馴れて最近では司令が信頼してくれるようになったのは嬉しい。

 

「でも……やっぱり私は駆逐艦なのです」

そう思わずには居られなかった。

 

 最初は軍用車の運転がうまく行かなくて少し意地になって練習したこともあった。結果的に運転は上達したけど、それが果たして良かったのか悪かったのか? 電は、ちょっと考えてしまうのだった。

 

「他の第六駆逐隊のメンバーは良く海に出ているのに私は出ないのです」

 

そう思いつつも、さすがに今日みたいな嵐の日は嫌だ……でも、やっぱり時には皆と一緒に海に出たいなと思うのだった。

 

「戦うのはあまり好きじゃないけど、やっぱり私は艦娘だから」

 

改めてそう呟いた。

 

 窓から見える日本海……埠頭内だけど強風のために白波が立っている。今日は荒天だから哨戒も最小限。さすがの敵も、こんな日には大規模な奇襲上陸作戦でもしない限りは攻めて来ないだろう。

 

 だが荒れる日本海から仮に奇襲しても、ここ山陰には重要な拠点もない。だからそもそも地上への攻撃もあり得ないと思うのだった。

 

 ところが……だ。こんな日に海軍省からの『奇襲』である。防衛次官と、あの女王。彼女には参謀長官という立場もあるようだが、美保の艦娘たちの間では既に『女王』で通っていた。

なぜこの時期、こんな日に来るのか?……いや、天候は、たまたまだろうけど。

 

 次官はともかく彼女だって本省の役人で軍人だ。しかも初代の美保鎮守府司令である。決して悪い人ではないと思う。でもなぜか電には、あの女王を心の底から信頼する気にならなかったのだ。

 

「なぜなのでしょうか?」

 

電は自問するが分からない。ただ……人間的に言うなら『直感』としか言いようがない。

 

 電も美保開設当初から居るメンバーであるが、あの初代司令(女王)とは、ほとんど接点がなかった。当時は海へ出ることが多かったからだなと思った。その頃の美保にはまだ今のように戦艦も空母もほとんど居らず駆逐艦を中心とした小さな拠点だった。

 

 今日は、お昼ごろに司令と秘書艦を交えて彼らの昼食場所へ送迎をした。軍用車2台で送迎したのだが、そのうち女王と次官を電が担当し、司令と秘書官は霞が運転したのだった。

 そういえばVIPの送迎は、今ではほとんど電の担当になっている。

 

「私が大人しいからでしょうか?」

 

と、司令に聞いたことがあるが、彼は笑うだけでハッキリとは答えて貰っていない。

 

「でも、そういうことにしておくのです」

 

 電は窓から見える荒れた日本海を見ながら思わず呟いた。

 

「何かあったの?」

 

いきなり背後から声がした。

 

「はわわっ」

 

油断していた電は慌てた。声の主は神通だった。さすが気配を消して近づく能力は川内に次ぐよな、と電は思った。

 

「驚かせたらゴメンナサイね、電チャン」

 

神通は優しく微笑んでいた。電は神通が好きだった……しかし彼女は直ぐに軍人の顔に戻る。

 

「事情があって無線は使えないから私から直接、司令部の指令を伝えるわ」

「はい」

 

電は姿勢を正した。無線が使えない……そうか、私は通常無線しか持って居ないからだ。何気なくそう思った電だった。

 

「あの本省から来たお二人を空軍の美保基地まで送るから準備して頂戴。今日の夕方、入間までの定期便が出るから、それに間に合うように16:30で準備をお願いします」

「了解なのです」

 

敬礼する電。神通は特殊な任務に付くことが多いので確か、特別な周波数の無線を持っていたはずだ。軽くうなづいた神通は、付け加えた。

 

「私も同行するから」

 

その言葉に、ちょっと驚いた電。でも逆に神通が一緒なら何かあっても(……ないとは思うけど)安心かな? ふと、そう思った。

 

「これも鎮守府の大事なお仕事だから頑張るのです」電はそう心の中で言い聞かせると、いそいそと車庫へと向かった。そのとき荒れた空の向こうからゴロゴロという遠雷が聞こえてきた。その空からの響きは電にとって、何となく胸騒ぎがして不安な気持ちになった。

 

「大丈夫なのです、神通さんも居るし何も無いのです」

 

そう自分に言い聞かせながらも、なぜか動悸が早くなる電だった。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ9ん」とは
「美保鎮守府:第九部」の略称です。
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