マイ「艦これ」(第9部)「提督暗殺」   作:しろっこ

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応接室で長官は過去について語り始める。


第10話<当日朝:長官の過去>

「司令、気をつけなさい」

 

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オトナ「艦これ」「提督暗殺」(みほ9ん)

:第10話<当日朝:長官の過去>

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 大淀に案内されて応接室に入るご一行。続けて司令と秘書官が入る。司令は長官の足が不自由なことに気付くが、まだ黙っていた。秘書艦祥高は大淀にお茶を人数分、鳳翔に準備するよう指示。全員が着席した後に大淀は礼をして退室する。開口一番、司令が長官に聞く。

 

「先生、足が」

 

長官は微笑んで答える。

 

「ああ、これね。最初に美保に着任する数年前かしら? 横須賀から出撃したときに艦が沈んだの。九死に一生を得たけど、さすがに身体まで五体満足というわけには行かなかったわね」

 

それを聞いて司令は驚く。

 

「先生も横須賀沖の戦いに?」

「そうだけど……何か?」

 

司令は秘書艦を見ながら言う。

 

「あ、いえ。その時、確か祥高型と横須賀の提督が……」

「あら、あなたもその話を知っていたのね?」

 

長官は少し意外そうな顔をした。司令は説明する。

 

「はい……秘書艦から聞きました」

 

長官は秘書艦に目配せをしながら言う。

 

「説明が遅れたけど祥高型三姉妹のことは私も良く知っているわ。次官が裏で何をしたかもね」

 

次官は苦笑した。長官は続ける。

 

「そう、あの戦いがあるまでの海軍はもっと一枚岩だったわ。それが、あの負け戦がきっかけで勢力が入れ替わって艦隊運用方法、特に艦娘の扱いが変わったわね」

 

司令は意外な顔をした。

 

「そうなんですか?」

 

長官は微笑んでいる。

 

「そうよ。それを期に祥高型が封印されて……いえ彼女だけではないわ。結果的に海軍が二つの派閥に割れてしまった。艦娘そのものを部品として使ういわゆるブラック鎮守府と呼ばれる流れが生まれるキッカケになったわね」

「そうなんですか?」

「ええ。貴方はご存じないでしょうけど。あの当時、横須賀に居た人間と艦娘なら知っていることよ」

「なるほど」

 

そのとき「失礼します」と言って鳳翔と霞が入ってきた。長官はお茶を配る艦娘たちに会釈をしながらも話を続けた。

 

「ただ今では当時のことを知る者も語る者も少ないし艦娘も量産化が進んできたわね」

「はい」

 

そこで長官は口をつぐんだ。珍しく次官も黙っている。

 

 やがて「失礼しました」と言って鳳翔と霞が退出する。それを見計らっていたように長官は、やや声を潜めて続けた。

 

「司令、気をつけなさい」

「はい?」

 

いきなりの語り掛けに彼はちょっと驚いた。長官は続ける。

 

「どの世界でも出る杭は打たれる。それは味方であっても変わらないの。私だってここを降りるきっかけはそれだったから」

「そうなんですか……」

 

長官はお茶に手を伸ばした。

 

「もう陰口に嫌がらせ、何でもあったわね。さすがに命までは狙われなかったけど、それ以外のありとあらゆる中傷に妨害工作。知り合いが中央に居たから、まだ何とかなっていたけど……もうこれ以上迷惑は掛けられないと思って三ヶ月もしないうちに私から降りたわ」

「はあ……」

 

 長官はお茶を手にしたまま窓を見る。雨が激しく打ち付けている。

 

「軍人としては自ら降りることは最大の屈辱よ。でも私は耐えた。美保鎮守府の未来のために。だから今こうして美保が華開いているのは私も嬉しいわ」

 

お茶を口にする長官。やや重い空気が流れる。

 

「ただ私が心配するのは今の貴方。日本に帰還するのも大変だったのでしょう?」

 

問われた司令は、祥高を見ながら思い出すように答える。

 

「はい。シナと関係する部隊や深海棲艦に何度も襲われて……」

 

ようやく次官が口を挟む。

 

「最後は米軍が助けてくれましてね」

 

長官は答える。

 

「それは私も報告書で見たわ……でも米軍については数行しか書かれて居なかったけど」

 

長官の問い掛けに司令は補足した。

 

「はい。実はフィリピン海軍の元帥と駐留米軍が手助けを……彼らとはブルネイで既に面識があったのですが、ブルネイの司令もいろいろ裏で調整してくれたようです。ただこの件は次官のアドバイスもあって敢えて報告書では……」

 

次官もちょっと微笑む。長官はうなづく。

 

「そうね……それが賢明よ。軍部では米軍に対して、あまり快く思わない派閥も少なくないから。そういえばブルネイの司令って兵学校では貴方と同室だったわね」

 

長官は彼のことも覚えていたのだなと司令は思った。

 

「はい」

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ9ん」とは
「美保鎮守府:第九部」の略称です。
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