「テイトクと会えなかったかもしれない」
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オトナ「艦これ」「提督暗殺」(みほ9ん)
:第20話<轟沈と絆:午後の珈琲>
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「はあ~」
司令は画面から離れてちょっと伸びをした。
「まあ、艦娘は神秘的だからまた、良いとも言えるな」
司令が呟くと金剛が向こうの給湯室から突っ込みを入れてくる。
「何か言った?」
「いや、独り言」
笑うような声が聞こえる。
「年寄り臭いね」
「ほっとけ」
司令は頭の後ろで腕を組んだ。そういえば今回も選抜メンバーで前線基地に来ているがブルネイの遠征を思い出すな。そう思っていたら金剛も同じようなことを言う。
「ねえテイトク、こういう遠征みたいなのって私好きだよ。楽しいネ」
「ああ……実は私も嫌いじゃない」
「へえ、そうネ」
金剛はカチャカチャと食器を準備している。
「戦闘がなければね……」
司令は付け加えた。
「私もネ、それには同意するヨ」
珈琲を注ぎながら彼女も答えた。
「ワタシが言うのも変だけどサ、戦争が無い世の中に生まれていたらワタシってどうなっていたかなって時々思うヨ……でも、そうなっていたら」
そこで彼女はちょっと詰まった。
「やだな……テイトクと会えなかったかもしれない」
ボソッと呟いた金剛。その横顔は妙に美しく見えた。
「でもっ、今日のワタシの珈琲は貴重品だからネ!」
そう言いながら二人分の珈琲を盆に乗せて持ってきた。確かにいつもは「紅茶が……」って言うし、実際姉妹同士では紅茶が多い。
「はいテイトクの分……ブラックだよネ」
司令は椅子を回転させると珈琲を受け取った。
「うん、ありがとう」
金剛も司令の対面の椅子に再び座った。オイ私の目の前で足を組むな。思わず太ももに目線が行ってしまうじゃないか(^^; だが焦る司令に構わず金剛は綺麗な足を見せつつ珈琲をすする。
「Oh~ここの司令部の豆は、なかなか高級品みたいね」
確かに美保鎮守府で買っている豆よりも美味しい感じがする。いや……これは美味いな。ブルネイの迎賓館には負けるが、美保鎮守府でいつも飲む珈琲よりは美味しい。
司令はちょっと静止。それを見た金剛がこちらを見て言う。
「何か?」
「うん、美味しいのはお前とこうやってリラックスして飲めるからかなぁってね」
金剛は黙った。あれ? また何か言うのかと心配したが大丈夫そうだった。
「……」
でも少し間を置いてから、彼女はそっと呟いた。
「私……あんな事やこんな事しなくたって、今のままでも十分幸せだからネ。だから私、絶対命がけでテイトクを守るから。うん、鎮守府の皆も守りたい」
そう言いながら彼女はちょっとうつむいた。司令は言った。
「赤城のことか……済まなかった」
「ううん、いいの。戦いは命がけだから。むしろ今までが奇跡だったんだよ、テイトク」
そう言ってこちらを見上げた金剛はとても綺麗だと司令は思った。この娘の為にも私も頑張ろう。そう思えるのだった。
「あ……」
「あ」
「Oh~」
振り返ると青葉が立っていた。その後ろには背後霊のような艦娘が居た。やだな~やめてくれよ赤城さん。司令の気持ちを察したのだろう。彼女は静かに微笑んだ。
「ごめんなさい、驚かせて」
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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PS:「みほ9ん」とは
「美保鎮守府:第九部」の略称です。