「若い子を惑わすようなことを言うなよ!」
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オトナ「艦これ」「提督暗殺」(みほ9ん)
:第27話<当日昼過ぎ:期待と関門>
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「はい、お待たせのコーヒー」
マスターは4つのカップをテーブルに置くと、コーヒーサーバーごと持ってきて手際よく淹れていく。
「メニューは原則、お任せだからね」
そう言いながらカウンターに戻ったマスターは調理を始める。
その姿を見ながら司令は言った。
「境港にこんなお店があったとは知りませんでした」
長官は少し微笑んだ。
「そうね、あなたは地元だったわね」
「はい」
しかし彼女は意味ありげに言う。
「でもね、地元出身だからこそ教えなかったということもあるのよ」
その言葉の意味は、司令には正直分かりかねた。それは次官も同様だった。
「そんなものですか?」
思わず次官は、そんなことを言った。
「おいおい、若い子を惑わすようなことを言うなよ!」
マスターがカウンターから叫ぶ。微笑む長官。これはOBならではの独特の世界だなと司令は思った。長官は改めて次官や司令に向き直ると微笑みながら言う。
「ごめんなさいね……でもあなた達には国家も期待をしている。それは間違いない」
次に彼女は秘書艦を見た。
「特に祥高さん、あなたは恐らく艦娘としても、また海軍の一員としても今後とても重要な位置に就く事になるわ」
また意味ありげなことを言う長官だった。意外にも秘書艦は動じることなく応えた。
「はい。心得ています」
これはどういう意味なのだろうかと、ますます困惑した顔の次官だった。
しかし司令には思い当たる節があった。
ただ、このことを知っているのは恐らく長官だけ。この雰囲気では、このマスターも知っているのだろう。だがそのことについては長官からは何も切り出さないし、祥高さんも黙っているから、彼もあえてその話題には触れないことにした。
むしろ司令は長官が言う『国家』という言葉に一瞬たじろいだ。だがその話題も含めて今後自分たちが大きな流れに組み込まれていくことを想像して思わず身震いをするのだった。するとカウンターから声がする。
「まあ、そんな深刻な顔をするなよ、若者!」
マスターは料理をしながら言う。
「お前たちが武者震いしたくなる気持ちも分かるぞ」
やはりこのマスターも何か知っているなと司令は思った。それは祥高も同様らしかった。次官はまだ少々困惑顔だ。
「オレからひと言、言わせて貰うとだな」
彼はそう言いながら、ガチャガチャとお皿を準備している。
「何か大きなコトを成そうと思ったらな、どうしても関門みたいな狭い道を通らないといけない……まあ、出産の産道と同じだな。産みの苦しみって奴だ」
まるで人生論だなと司令は思った。次官は早速メモをしている。
「ただ、そういう狭い場所に追い込まれても運命ならば逃げようが無い。そうなったらジタバタせずに流れに身を任せて自然体で居れば良い。いざとなって慌てるのは馬鹿者だ。日頃の鍛錬が大切だ」
分かったような、分からないような……と司令は思った。
「オレの個人的な見立てだと、お前は多分、大丈夫だよ。安心しな」
そう言われて、彼はちょっと安心した。
「出来たぞ。ちょっと手抜きだが今日は境港らしくシーフードバスタだ」
マスターは大声で言った。いや、声が大きいだけか? 司令がそう思っていると目の前に大皿に盛ったシーフードパスタが出てきた。艶々しくて、とても美味しそうだった。
「おお!」
メモ帳を閉じた次官も感嘆の声を上げた。マスターは取り皿とフォークを持ってくる。
「昨日、食材を仕入れて置いて良かったよ。今日は海が荒れているからな」
その時、壁の無線機が何かの信号を傍受していた。司令はちょっと気になった。それには長官も反応した。
「まあ……来ているようね」
マスターもちょっと聞き耳を立てて言った。
「フフ、天候は無関係だからな」
これは一体、何のことだろうか? 司令は考えていた。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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PS:「みほ9ん」とは
「美保鎮守府:第九部」の略称です。