「だから……絶対にお守りしたいのです」
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オトナ「艦これ」「提督暗殺」(みほ9ん)
:第30話<当日夕刻:追跡>
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軍用車を運転しながら神通は聞いた。
「司令、青葉さんが言っていたのでご存知でしょうけど、今私たちを狙っている集団は美保鎮守府の人気を妬んだ勢力か、あるいは私たち艦娘が伸びることをよく思わない軍事産業なのか、陸軍省か、よく分からないようです」
さすが青葉だけど、それを記憶している神通も大したものだと司令は思った。運転しながら彼女は続ける。
「あとブルネイ以降は熱烈な艦娘のファンクラブが出来て、艦娘各自にも手紙とか追いかけとか……青葉さんが仮の事務局になっていますが今度、那珂ちゃんが総括の事務局長になるということです」
え? 那珂ちゃんの事は聞いてないぞと司令は思った。
「最近は制服で町に出ると大変なので、私服で出る子も増えていますけど……以前は制服で出ても見向きもされませんでしたのに」
神通は少し微笑んだ。この状況で笑顔が出るとは、なかなかだなと司令は思った。
彼女は続ける。
「でもマスコミも前に騒ぎましたが赤城さんを沈めたことを不平に思うファンや政党、政治団体が動いているそうです」
司令は腕を組む。赤城さん轟沈はいろんな影響を与えたのだなと彼は思った。
「実際に実力行使をしてくる組織となると限られてくるだろうけどね」
そのとき神通は後ろから数台の車が追跡してきていることに気付いた。
「司令……後ろから」
「ああ、用心しろ……」
二人は小火器の安全装置を外した。司令は実力行使をする組織について考えていた。
シナの差し金という話もあるが、パパラッチに紛れたどこかの集団か?
ブルネイの流れで深海棲艦がシナと組んでいる可能性もある。
過激なオタクファンクラブも怪しいが彼らは実力行使まではしないだろう。陸軍省内部で海軍省を快く思っていない派閥もある。
ただ一番厄介なのは海軍省内部でも艦娘に反対的な一派が動いていると言う噂をチラホラ聞くことだ。長官はそれに嫌気が差して司令を降りたという話もある。
「ちょっと鎮守府には戻らずに反対方向の路地に入ります」
「ああ」
ハンドルを切る神通。何度か路地に入ると後続の車は見えなくなった。二人は少しホッとした。だがこの状態ではしばらく鎮守府には戻れそうに無いな。司令がそう考えていると神通が言った。
「あと司令……こんな状況で言う話題ではないかもしれませんが、おめでとうございます」
「え?」
訝(いぶか)しがる司令に彼女は応える。
「あの……秘書艦と……」
ああ、その件かと彼は思った。
「誰かから聞いたのか?」
神通はちょっと顔を赤らめる。
「やはり間違いではないのですね。何となく……そう感じましたので」
その洞察力はさすがだなと司令は思った。
「ありがとう」
「だから……絶対にお守りしたいのです」
ハンドルを握りながら彼女は決意したように言った。その気持ちはありがたいなと司令は思うのだった。美保鎮守府の艦娘が全員そういう姿勢であれば嬉しいが……ふと、そんなことを考えた。
軍用車が境港市の市役所に近い大通りに出たとき運悪く謎の車と鉢合わせした。お互いが一瞬、驚いたが間髪を居れず神通はアクセルをベタ踏みして相手の間をすり抜けた。慌てた相手は大通りで、まごついている。
司令はふと日向を思い出した。神通も意外とやるな。だが果たして何処まで逃げ延びることができるだろうか?
つくづく海軍は地上では弱いなと思うのだった。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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PS:「みほ9ん」とは
「美保鎮守府:第九部」の略称です。