マイ「艦これ」(第9部)「提督暗殺」   作:しろっこ

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なおも攻撃してくる敵だったが、艦娘たちも必死に抵抗をする。すると意外な援軍が現れた。それは新しい風だった。


第36話<境港市街戦:バカと通う心>

「そちらの艦娘も手当てしましょう」

 

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オトナ「艦これ」「提督暗殺」(みほ9ん)

:第36話<境港市街戦:バカと通う心>

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逃げる司令と神通の両脇を敵の機銃の弾痕が通り抜ける。

 

「あっ」

 

という叫び声と共に司令の後ろを走っていた神通が倒れた。司令の盾になる形で敵の機銃の一部か破片が体のどこかに当たったらしい。

 

「神通!」

 

振り返る司令に神通は「逃げてぇ!」と叫んだ。

 

 一旦、止まった機銃が再び火を噴くかと思われたその瞬間、ガツンという鈍い音が陸橋下に響き渡る。

 

「あっ?」

 

見ると美保鎮守府のトラックが全速力で装甲車に体当たりをしていた。ああ結局は外に出ていた艦娘が全員来てしまったのか?

 

 秘書艦が代理で抵抗する命令を出していなければ艦娘の行動はすべて明確な命令違反であるが……

 

『お前たち皆、バカだよ』

 

司令は内心呟いた。それがどっちにせよ艦娘たちの想いに胸が熱くなった。

 

 トラックでは助手席で衝撃に備えていた霞が顔を上げた。ハンドルを握っている夕張が何かを叫んでいる。彼女は激しくシフトチェンジをしてトラックを後退させる。もう一回行くのか?

 

 その間に司令は神通のそばに駆け寄り彼女を抱き起こした。

 

「スミマセン」

 

傷が痛むのだろう。神通は痛みを堪えると同時に恥ずかしそうな表情をした。妄想は後回しにして司令はどこか安全な場所は無いかと見回した。ここは取りあえず軍用車に戻るか?

 

そう思った彼が見上げるとトラックは再び体当たりを仕掛けたが……あれれ? 装甲車は慌てたように走り出した。そうだ装甲車には車輪がついている。この場は逃げるが勝ちか。

 

すると直ぐにトラックは停車して助手席のドアが開いて霞が出てきた。彼女は何かを抱えて飛び降りた。

 

あれは? 

 

霞は道路に片膝を着くと肩に乗せた長い筒を構えた。おいおい、それってもしかしてロケットランチャー? そんな物騒なもの一体、何処から持ってきたんだ?

 

 ……あ、夕張か。

 

司令が思う間もなく狙いを定めた霞は装甲車目がけてミサイルを発射。白煙と火花と共に筒を飛び出した砲弾は逃げ出した装甲車の後部排気口辺りに見事に命中。直ぐ大きな火柱と黒煙が上がりエンジンから火花を散らして白煙を上げる装甲車。乗員が慌てて逃げ出す。

 

「はあ……」

 

その光景を見ながら司令はため息をついた。気が付いたら自分を中心として境港で市街戦か……どうしていつもこうなるのかな。

 

 ランチャーを下ろした霞は不敵に笑っている。ああ、あの子も筋金入りの兵士だよ。そう思わざるを得なかった。

 

 神通を軍用車に連れ戻しながら司令は、ただ感謝するしかなかった。

地上戦とはいえ艦娘たちが必死に彼を護ろうとする姿には頭が下がる。しかも命令無視……この軍隊は心でもつながるんだ。

 

それは人間だけでなく艦娘でもあり得る。美保鎮守府は素晴らしい拠点だ。彼は改めてそう思った。

 

 直ぐに陸軍の兵士たちが司令たちの周りにやって来る。その中に陸軍の将校がいた。彼はテキパキと指示を出して破損した敵の装甲車を確保、乗員の武装解除をする。

命令を出した後で彼は司令に近寄ると敬礼をした。司令も神通に肩を貸したままではあったが敬礼を返した。

 

将校は言った。

 

「対応が後手後手に回って申し訳ない」

「いや、助かりました」

 

将校は電の軍用車が突っ込んだ畑を見ながら言う。そこには引っくり返った装甲車と軍用車があった。憲兵たちと担架を持った軍の救護班が向かい軍用車から半身血まみれとなっていた電を救出した。それを見ながら将校は続ける。

 

「僭越ながら司令がよろしければ負傷者も陸軍病院で面倒を見ますが?」

 

司令は一瞬考えた。実は海軍省の方からも陸軍に恩を着せられるようなことはするなと言う通達が毎月のように来るのだ。しかしそれは中央での話だ。

 

 致命的ではないにしろ血塗れの電を見ると一刻も早く手当てしてやりたい。だが美保鎮守府に行くには足が無い。それに鎮守府よりも陸軍病院のほうが施設も充実しているだろう。

 

また美保鎮守府では既に陸軍の『まるゆ』の面倒も見ている。ここはお互い様だろう。司令は将校に答えた。

 

「そうして頂けると助かります」

 

将校は軽くうなづきながら微笑んだ。

 

「恩を売ろうなんて世知辛いことは考えていません……ここは山陰です。中央とは違う世界を見せ付けてやりましょう」

 

へえ、意外と話の分かる将校だなと司令は思った。

 

「そちらの艦娘も手当てしましょう。衛生班!」

 

将校が叫ぶと直ぐに担架を持った隊員が駆け寄ってくる。さすが陸軍だ。

 

「司令……」

 

神通がやや不安そうな表情をする。司令は応える。

 

「大丈夫、ここの陸軍さんたちは信頼できるよ。それに電チャンも収容されたから君が付き添ってもらえると電も安心だろう」

 

それを聞くと彼女はうなづいた。司令は続ける。

 

「中央では知らないけどね。地方では目と鼻の先に相手が居るのに対立したら疲れるだろ?」

 

その言葉で神通は安心したようだった。

 

「分かりました……ではお願いします」

 

救護班に会釈をして担架に乗せられた神通は救護車へと向かった。それを見ながら陸軍将校は腕を組んで言った。

 

「この悪天候に……仮想敵としてシナの上陸も立案はしていましたが、まさか本当に来るとは」

 

それを受けて司令も答える。

 

「いえ、シナ単独ではないです。連中の車両輸送は深海棲艦が担当しています。それに……」

 

シナ以外の敵もあると言い掛けて司令は黙った。想像だけでモノを言うのは止めようと思ったのだ。だが将校は何かを悟ったようにして応えた。

 

「いずれにせよあなたが狙われていることは確かなようです。鎮守府まで護衛しましょうか?」

 

司令もそうした方が良いかと思った。だが、さすがにそこまでしてもらうのは組織的に中央からお咎めが来て、ややこしいことになりそうな気がした。

 

「いえ、お気持ちは有難いですが」

 

将校も苦笑してうなづいた。複雑な事情は分かっているようだった。

 

「分かりますよ。お互い立場がありますからね……でも何かあったら遠慮なく呼び出してください。直ぐに馳せ参じますから」

 

将校は手を差し出した。握手をする二人。パチパチと拍手……その場に居た兵士たちや艦娘……夕張と霞が拍手をしていた。

 

山陰は海軍と陸軍が一つになって……あとは空軍かな? 司令はふと父親を思い出していた。

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ9ん」とは
「美保鎮守府:第九部」の略称です。
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