マイ「艦これ」(第9部)「提督暗殺」   作:しろっこ

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陸軍の協力もあって敵の攻撃から何とか逃げ延びた提督は艦娘の一途な想いに胸を打たれる。


第37話<境港市街戦:思い出は心の中に>

「いつまでも一緒だからね……」

 

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オトナ「艦これ」「提督暗殺」(みほ9ん)

:第37話<境港市街戦:思い出は心の中に>

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 直ぐに現場には陸軍病院の搬送車がやってきた。電と神通が担架で運ばれる。司令はその作業を見守っていた。雨は若干小降りになり空も少し明るくなってきた。

 

血塗れの電チャンは痛々しいが、よく頑張ったと司令は思った。すると電が司令を見て弱々しく手招きをする。担架の傍に立っていた陸軍の軍医が司令を見るので彼は直ぐに近寄った。

 

「どうした? 陸軍病院に連れて行ってもらうから大丈夫だぞ?」

 

司令の声掛けに電は首を振った。

 

「ううん違うの……私、司令と出会えて本当に良かったと思っているから」

 

そうして彼女は手を差し出した。司令もその手を握った。それは乾いた血とオイルで汚れてはいたが、とても暖かかった。彼には何となく電の気持ちが伝わってきた。

 

「司令……いつまでも……いつまでも一緒だからね

「ああ……」

 

 電の純粋な気持ちは司令にとって衝撃的ですらあった。これが本当に兵士なのだろうか? 今回は防御のために主体的に戦ったとはいえ多少は恨みがましいことをいってもおかしくない状況だ。こんな軍隊、いやこれほどまでに心を通わせてくる軍隊組織は初めてだ。

 

 それと同じ気持ちを傍に居る軍医や兵士たちも感じていることだろう。艦娘と言う不思議な存在。単に兵器や兵士と呼んでしまうには余りにも感情的で一途で深い。

 

「はあっ」というため息と共に安心したような表情になった電。彼女が軽く目を閉じたので司令は手を離すと軍医に目配せをした。彼もうなづくと兵士に命じて担架を持ち上げ搬送車へと運び入れる。

 

 続いて神通……彼女は横になりながらも軽く敬礼をした。司令も返礼した。

それが合図のように付近に居た手空きの兵士たちが軒並み敬礼をする。あの陸軍将校も敬礼をした。

 

 中途半端な兵士よりもゲリラよりも遥かに誇り高く純粋な兵士。それが艦娘なのだ。もしこの場に青葉が居れば、しっかり記録してくれたことだろうけど……まあ良いさ。大切な思い出は心の中に刻んでおくべきものだ。司令はそう思うのだった。

 

「司令官!」

 

夕張がやって来て軽く敬礼した後、言った。

 

「報告します。電の車両は大破、陸軍の協力で鎮守府まで搬送して頂けます。トラックともう一台の車両は何とか自走可能です。ただ神通と電が負傷したため運転手が2名となりトラックは私、もう一台は霞が運転します」

 

そうか……そうだったなと司令は改めて確認した。

 

「あと秘書艦より、まだ司令を狙う残党が潜んでいる可能性あり直短距離で鎮守府に戻るのは危険なため岸壁沿いに大回りするようにと」

「そうか……」

 

夕張は続ける。

 

「個人的にはトラックの方が安全な気もしますが、秘書艦の指示で司令は霞の運転する軍用車で戻るようにとのことです」

 

夕張の隣に霞がやってきて敬礼をした。

 

「よろしくお願いします」

 

あれ? 霞がまじめに敬礼している姿を初めて見た。司令は思わず微笑んだ。

 

「あと……」

 

夕張が続ける。

 

「陸軍が情報提供してくれて、境港市内……特に市街地に敵の装甲車はすべて制圧されて動けるものは無いようです。ですから敵が来たとしても軍用車程度なら私たちでも何とかなるでしょう」

 

そこで額に指を立てながら考える夕張。

 

「司令……提案ですが、霞の車と一緒にトラックも随走しましょうか? そのほうが何かあってもガードできそうですし」

「そうだな」

 

だが霞が口を挟む。

 

「でも秘書艦は岸壁沿いに大回りするように仰ったからトラックが付くと逆に目立たないかしら? ここは軍用車単独で行った方が……」

 

それを聞いた司令も、なるほどと思った。

 

「どちらも一理あるが……」

 

だが霞はさらに加える。

 

「それにこれ以上、車両の破壊が続くと今後の鎮守府の運営にも影響が出ます」

 

 事務方らしい意見だなと司令は思った。だがそれももっともだ。また監査で嫌味を言われるのは面倒だ。既に装甲車も鎮圧されたらしいから、あとは何とかなるだろう。

 

 そのとき夕張が受電する。何度か応対してうなづいている。やがて通信を終わった彼女が報告する。

 

「司令、秘書艦からで今、美保湾と境水道に艦娘数名を配置したそうです。これから夜なので若干見えにくいですが彼女たちがガードするので海岸沿いを走ってください……とのことです」

「そうか」

 

夜間……夜戦好きの川内なら喜んで出撃しそうだけど他の艦娘たちは嫌がるだろうなと思う司令だった。

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ9ん」とは
「美保鎮守府:第九部」の略称です。
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