「司令は……もしや?」
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オトナ「艦これ」「提督暗殺」(みほ9ん)
:第45話<戦いの後:陸と海の軍隊>
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夜になると雨は上がり星空も出てきた。境水道と美保湾の戦闘は終結し金剛や扶桑を中心とした戦闘部隊はいったん鎮守府へ引き上げた。今回は比叡が中破のみで後は何とか持ちこたえることが出来た。
まだ油断は出来ないため夜間の哨戒部隊として鎮守府から川内や那珂を旗艦とした部隊が新たに出撃する。それと前後して最上を中心とした索敵部隊もいったん引き上げた。
境港での市街戦では陸軍が大活躍をした。特に美保鎮守府の破損車両を牽引してきた彼らは艦娘たちにも、とても感じが良かった。彼女たちは、これもブルネイ効果だろうと思った。
今回の地上戦の結果についてはその日のうちに陸軍の司令でもある少将が直接出向いてきた。これも今までには無かったことだった。直ぐに秘書艦は応対し美保鎮守府の応接室にて両軍の持つ情報の突合せを行った。
今まで海と陸で連携をしてこなかっただけに今回の打ち合わせはとても有益だった。また司令が行方不明という緊急事態にも拘らずテキパキと指示を出す秘書艦の姿に美保駐屯地の陸軍少将は感心していた。
彼は予め憲兵に調べさせていたが艦娘は不思議な存在だと思った。特に祥高と呼ばれる目の前の艦娘は中央でも活躍していたらしいが、なぜこんな優秀な艦娘が僻地に居るのかも不思議であった。
しかも目の前の秘書艦は美人で聡明。そういえばここの司令が大山で遭難しかけたとき、電話でやり取りをしたのも彼女だったのだろう。
艦娘は工業製品だと陰口を叩く者も少なくないが実際に目の前にした彼には信じられない思いだった。もちろん秘書艦は特に優秀なのだろうが、その他の艦娘たちもその存在感は人間よりも強く思えた。
美保鎮守府の司令が縁で陸と海の軍隊が協力し始める。それは山陰の防衛にも有益だろう。思わず笑みがこぼれる陸軍少将。目の前の秘書艦はちょっと不思議そうな顔をした。
「どうかなさいましたか?」
「あ……いえ、こうやって海軍と打ち合わせが出来る時代がこんなに早く来るとは思っていませんでしたので」
秘書艦もちょっと手を休めた。
「そうですね……あ、すみません緊急通信が入りましたので」
目の前の秘書艦は少し横を向いて耳を傾けている。その間に書類の整理やお茶の交換を補佐の大淀がしてくれる。女性型ということもあるが艦娘と言う存在と軍隊……不思議なマッチング感だ。
最初は難しい表情だった秘書艦は直ぐに明るい表情になった。その変化に少将はドキッとした。艦娘たちの見せる表情は一般の人間のそれとは明らかに違う。やはり兵士であり志が高いこともあるのだろう。
「良い報告ですか?」
つい少将は私的な感情で聞いてしまった。しまったと思ったが彼女は別に気に留めない様子だった。
「はい」
すると今度は少将の緊急無線機が反応する。
「あ、失礼!」
秘書艦がうなづく中、彼も無線を取る。しばらく応対した後、彼は無線を気って向き直る。
「今受けた情報……美保の司令のことですが、貴女が先ほど受けた情報も恐らく同じでしょう」
秘書艦は微笑んだ。
「多分そうですね……シナの上陸部隊および刺客により司令が逃走中に境水道へ転落。日本政府はシナへ激しく抗議するもシナ政府は否定……これがたった今、政府から公式に発表された内容です」
今度は大淀が目を丸くしていた。だが秘書艦はそんな深刻な内容にも拘らず意外に落ち着き微笑んでいた。
恐らく彼女は別の情報をつかんでいると陸軍少将は察した。ただそれは最高機密なのだろう。それでも何となく探りを入れてみた。
「司令は……もしや?」
少将は問いかけた。秘書艦は、やはり明るい表情で返した。
「はい」
彼女は少しはにかんだような表情を浮かべた。やはり普通の人間よりも美しい……なるほど美保の司令はこのギャップ感で苦労したのだろうなと彼は思った。そして何となく司令と秘書艦の関係も薄々感づき始めていた。
海軍には艦娘とのケッコンと言うシステムがあると聞いたことがある。もし可能であれば将来、陸軍の若い兵士と交流して……と、想像する彼だった。
二人の無言の会話を見てポカンとする大淀。やがて大淀2号が新しいお茶とつまみを持ってきて言った。
「ご報告は長引きそうですのでおつまみです……あと、もし陸軍司令がよろしければ夕食もご一緒にいかがでしょうか? と食堂から伝言です」
少将は驚いた顔をしたが直ぐに頭をかいた。
「それは……有難いことです。ちょっとお電話をお借りできますか? 自宅の妻に夕食は要らないと伝えますので」
その場にいる全員が笑った。山陰の海軍と陸軍が一つになる日……今日は記念すべき一日になるだろうと大淀には感じられた。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ9ん」とは
「美保鎮守府:第九部」の略称です。