「遠慮なく連絡を下さい」
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オトナ「艦これ」「提督暗殺」(みほ9ん)
:第46話<戦いの後:陸軍病院>(改)
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その頃、青葉と寛代は陽気な憲兵さんの運転する車で米子市郊外にある陸軍病院へと向かっていた。
気さくな憲兵さんも艦娘は知っていた……というより提督着任の際、司令と寛代を駅から鎮守府前まで送ったのが、ほかならぬ彼だった。
ただそのときは彼も寛代が艦娘だという認識は無かった。もし知っていてもにわかには信じられなかっただろう。
だが今ではブルネイの戦闘をきっかけに艦娘も広く認知された。その上でこの陸戦である。しかも今回は2回目……司令着任時の空爆や第一回目の上陸に当たる岸壁での戦い以後、陸軍も必死で対応策を練っていた。その苦労が今回ようやく報われて対処出来たことになる。
「もう訓練続きで大変だったんですよ」
相変わらず軽い憲兵さんだった。
「最初の空爆は仕方ないとしても2回目の攻撃……戦車が上陸したあれもゴテゴテでしたからね。何しろ高尾山の電探は空軍管理で、あそこもなかなか非協力的でして」
この憲兵さんの饒舌振りには、さすがの青葉もちょっとタジタジであった。
「へえ、空軍って陸軍さんにも厳しいんですね」
かろうじて返す青葉。しかし陸軍にもこの憲兵みたいに、いろんな人がいるんだなと思った。
「そうですよ。でもあのブルネイの戦いがあってからですね……空軍が情報を提供し始めたのは……ああ、これは海軍も同じらしいですね」
やっぱり圧倒される青葉だった。彼女は苦笑するばかりだった。
やがて車は夜の陸軍病院前に付いた。病院は3階建てで三柳にある陸軍の駐屯地の敷地の横にあった。夜なので分かりづらいが、そこは皆生の海岸線のそばだった。
「本当はもう面会時間は過ぎていますけど司令の勅令が出てますから皆さんは今日は特別にOKです……帰りはまた受付からでも遠慮なく私に連絡を下さい」
「ありがとう」
青葉と寛代は降車して敬礼をした。本当に陸軍は変わったな。それもブルネイの効果……防人は戦って勝ってこそだと痛感した。
病院の入口から入ると広いロビーになっている。ブルネイの病院よりは落ち着いた感じだ。面会時間は過ぎているので閑散としている。
受付に行くとカーキ色の制服を着た女性職員が軽く敬礼をした。
「艦娘の皆様ですね。どうぞ……2階の208号室です」
「ありがとう」
「……」
青葉は自分と寛代の記名をしてから階段へ向かう。2階の廊下を歩いていると何やら笑い声がする……あれ? もしかして……と思ったら案の定、208号室からだった。
個室らしいけど……病院で騒ぐのはちょっとね……と思いつつ青葉はノックせずに扉を開けた。中で振り返ったのは……やっぱり金剛だった。
「Oh、来たね」
戦闘直後なのに金剛さんは元気だな……青葉は呆れるやら感心するやら。
「金剛さん、もっとクールダウンしましょ……陸軍の病院ですし」
思わず釘を刺してしまった青葉だった。
「yes、ソーリーね。ついつい……」
さすがに金剛も反省した……でも、どうやって来たの? 青葉が思うと直ぐに金剛は悟ったように話し始めた。
「ウフフ……軍用車を搬送してきたレッカー車ね。あれに便乗させて貰ったヨ。ここは陸軍の基地の隣だからね。同じ方向でしょ?」
少し得意げに説明する金剛。こういう機転はすごく速いんだ。青葉は感心した。
改めて病室を見ると、ここは個室で病人は電に神通。そして見舞いは金剛と青葉と寛代だ。ふと青葉は疑問に思った。
「あれ? 霞ちゃんは」
金剛が答える。
「霞ちゃんの怪我は大したコト無かったんだけどネ。モノすごく取り乱しちゃって……精神的に大変じゃないかってことで、別室でカウセリングして……」
続けて神通が受ける。
「かなりストレスが溜まっていたらしいわね。安定剤を飲んで別の個室で休んでいるわ」
青葉は腕を組んだ。
「うーん、何となく分かる」
電が不安そうに言う。
「それは知らなかったのです……大丈夫なのですか?」
神通は微笑んだ。
「大丈夫よ……むしろ入院して良かったかもしれないわ」
「……なのですか?」
霞を心配する電を見て青葉と金剛は顔を見合わせた。電らしいな……。
金剛は直ぐに青葉に顔を寄せる。何事かと思う青葉に少し声のトーンを押さえて話し始めた。
「青葉は知ってる? テートクがシナに暗殺されたって」
「あ……」
なるほどねと青葉は思った。電を心配したのか……実は青葉もその無線を受けていた。つい先ほどステルスモードで海軍省から突然、一斉に配信されたのだ。金剛は窓の外を見詰めて言った。
「ワタシ信じないからネ! これはね、陰謀に違いないヨ」
暗い窓ガラスに自分の顔を写しながら彼女は言った。
「陰謀?」
怪我の程度が軽い神通がベッドから応える。電は何のことかサッパリ分かっていない。
「司令が暗殺されたという偽情報を誰かが流したと言うことですか?」
金剛は腕を組んだ。電はちょっとビックリしている。ゴメンネ電チャン……青葉は内心詫びた。
「英国ではね、諜報機関が発達しているから戦う前に情報戦だヨ。そうでなくてもワタシ分かるヨ。絶対にテートイクは死んでない」
すると頭に包帯を巻いた電も決意したように少し唇をかんで神通の隣のベッドから言った。
「私も同じなのです。司令は生きている感じがするのです。いえ……」
ここで電は間を置いて何かを思い出すような顔をした。
「実は一瞬、司令の存在が消えた感覚はあったのですが……今は、またどこかで生きておられる感じがするのです」
それには何となく青葉も同意できた。恐らく美保の艦娘は全員が同じ感覚だろう。なぜか司令はどこかに居るはずだと……金剛もしきりに腕を組んでうなづいている。
電が言ったように、表舞台から意図的に姿を隠しているような感覚を覚えるのは確かだった。あまり疑いたくは無いが美保の秘書艦・祥高がきっと何かを知っている。あとは……
「カヨ!」
「……」
突然金剛が無表情の寛代を振り返る。
「アナタいろんな無線受かるでしょ? 何か知らない?」
「……」
そもそも寛代に質問すること自体、意味が無いような気がすると青葉は思った。この子の口は天然的に堅いから……青葉は言った。
「寛代チャンは知ってても言わないと思うよ。でもさ、未来のブルネイに行った時、確か未来の司令と入れ替わったんだよね」
その言葉にハッとした一同だった。特に実際に行った金剛の反応は強かった。彼女は手を叩きながら言った。
「それ、ソレだよ!」
続けて神通も呟いた。
「もし……未来が変わらなければ」
一同はその言葉に、ちょっとしんみりした。
(あれ? まだ続くの?)
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ9ん」とは
「美保鎮守府:第九部」の略称です。