「地上戦はデンジャラスって」
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オトナ「艦これ」「提督暗殺」(みほ9ん)
:第47話<戦いの後:危険な艦娘>(改)
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金剛が質問する。
「そういえばさ、霞は仕方ないとして何で神通や電は病院なの? 入渠じゃだめなの?」
二人が応え難そうだったので青葉が代わりに応えた。
「海上での怪我は入渠すれば治るけどさ、陸上の怪我はちょっと違うみたい。想像だけど……」
言いながら青葉は思わず頭をかいた。
「アタシもこの分野は良く分からないんだ……何ていうのかな?」
すると神通が答える。
「私の感じでは今回はシナの通常兵器でしょ? あれは致命傷は与えないけど、やっぱり海で受ける場合とは衝撃が違う感じがするの」
直ぐに電も続けて言う。
「そうなのです。地上だと地面とか軍用車の車内とか、いろいろぶつけるとすごく痛いのです」
地上戦の経験が無い金剛は絶句する。
「それって……艦娘にとって地上戦はデンジャラスってこと?」
包帯を巻いた電を見ながら金剛は震えるように言った。確かに艦娘が血塗れになるなんてことは海上ではめったに無い。ましてや包帯を巻いた姿も珍しい。
「いや……」
青葉は困惑する。
「地上で攻撃されてもさ、いちおう私たちには人間よりは耐久力はあるらしいけど……」
さすがの青葉も地上戦の経験はあまりないので困っている。見かねた神通が応える。
「私の感覚だと海上での闘いは海面がクッションになる感じがあって全身で敵の攻撃を受けられるわ。でも地上だと攻撃を受けて転んだら地面に直撃でしょ? 何か……感覚が違うわね」
その言葉に青葉や金剛は身震いをした。金剛は言う。
「最初の境港の地上戦で日向とか夕立がバトルしてたネ。あの子たちやっぱりクレイジーマックスね」
青葉は苦笑した。海上ではあなたも十分クレイジーでしょ?
金剛は腕を組んで言った。
「でも人間の病院だって時間かかるよね。鎮守府で入渠してもトータルでは治る時間は同じか、高速で治せばむしろ入渠の方が早くない?」
神通は応える。
「そうかもしれないけど……」
彼女はちょっと言い難そうだった。電が恥ずかしそうに応える。
「でも陸軍さんたちの気持ちが嬉しかったのです。人間の暖かい気持ち……それって司令の感覚にとても近い気がしたのです」
神通と電は顔を見合わせて微笑んだ。それを聞いた金剛は、ようやく納得したようだった。
「フーン……何となくネ、分かったヨ」
ここで金剛は無線を受けたようで「あ……」と言って窓の方を振り返った。
「ソーリ祥高さん……うん、アーミーさんが送ってくれるみたい。ウン、もう直ぐ戻るから大丈夫」
無線を終えた金剛に、やや心配そうな顔をして電が聞く。
「祥高さん……なのですか?」
金剛は微笑みながらうなづいた。
「ウン……でも大丈夫だよ。別に怒ってなかったから」
そこで何かを考えていた金剛は、青葉に言った。
「ねえ青葉……鎮守府に戻るのは夜の海から行ってみない?」
ちょっと驚いた青葉。だけど窓の外を見てなるほど、とうなづいた。
「そっか。雨も上がったし、今夜は星空か」
金剛は寛代を見た。
「カヨはどうするネ? 一緒に行く?」
寛代はうなづいた。それを見て金剛は病室の二人に言った。
「ソウだ……秘書艦からの伝言だけどサ。病院の二人は人間の治療に合わせて、ここでゆっくりしても良いってヨ」
それを聞いた二人は顔を見合わせた。電はいう。
「それはでも……申し訳ないのです」
神通もうなづいた。
「お気持ちは嬉しいのですが……やっぱり私たちは艦娘ですから」
金剛はウインクをしてうなづいた。
「フフ……どうするかは任せるネ……じゃ、そろそろ帰るヨ」
金剛は青葉と寛代を見た。寛代は無言でうなづき、青葉も言う。
「時には休養も必要だよ。これも任務と思って……じゃあね」
すると電が手を伸ばす。金剛は近寄ってその手を握った。電は真剣な顔で言う。
「ありがとうなのです……金剛さん大好きなのです」
突然言われた金剛は柄にも無く真っ赤になっている。照れ隠しで神通を見てひと言。
「神通も……早く治してね」
神通は微笑んだ。
「そうね、有り難う……しっかり休養して、直ぐに復帰するわ」
彼女もまた金剛の手を握った。
金剛たちは退室して階段を下りる。ロビーの受付の前を通ると係員が立ち上がって言う。
「あの、お送りの車は……宜しいですか?」
金剛は振り返りながら笑って言った。
「ワタシたち艦娘だから……海から帰るヨ」
一瞬、目を丸くしていた受付の担当者は直ぐに納得したようで外を指差して言う。
「この玄関を出て左へ行くと川沿いの細い道があります。そこを川に沿って川下へ行けば直ぐに海へ出ます……では」
そう言って担当は敬礼をする。艦娘たちも敬礼をした。
歩きながら青葉は呟くように言った。
「霞ちゃんも顔を見たかったけど……精神系だとちょっと微妙だな」
「それはネ、仕方ないよ」
意外とものわかりの良い金剛だった。
三人が病院を出ると満天の星空が広がっていた。病院がある三柳の海岸は陸軍の演習場と松林くらいしかないので晴れた日の夜になると星空がきれいなのだ。
『わぁー』
思わず声を上げる艦娘たちだった。
「金剛さん……」
声のトーンが大きくなりがちな金剛に思わず釘を刺す青葉。ここは夜の病院の前だ。大声を出すのはさすがに気が引ける。金剛も慌てたように口を押さえた。そのしぐさは可愛らしいなと青葉は思った。
すると無言だった寛代がいきなり病院を指差す。二人はその方向を見ると……三階の病室の窓から見覚えのあるシルエットが見えた。
「あれ霞ちゃんだよね」
「ほら……小さく手を振ってる」
「……」
何となく霞のその素振りで元気そうな印象を受けた彼女たち。青葉と金剛は声は出さすに病院の前で大きく手を振った。何となくホッとするのだった。
「霞ちゃん、泣いてない?」
「ウン、隠れちゃったね……でもダイジョウブだよ」
「……」
そして三人は川縁の道を歩き始めた。
(で、まだ続く)
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ9ん」とは
「美保鎮守府:第九部」の略称です。