ワールドトリガー 1人の隊員の物語(仮)   作:麒麟07

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春、始まり。
第1話 桜奈 健吾


崩壊した街

 

ー逃げてー

 

母親の声がする。

 

 

ー助けてー

 

妹の声がする。

 

 

 

 

景色が変わる。

 

 

 

 

図書館で本を読む自分が見える。

 

 

ーボーダーに入らないか?ー

 

 

実力派エリートが話しかけてくる。

 

 

 

 

 

 

見慣れた、ボーダーのラウンジ

 

ーB級に上がったら、一緒にチーム組もうぜー

 

友達だったやつの声が聞こえる。

 

 

 

 

見慣れた空き地。

1つのゲートが開く。

 

 

 

 

ーじゃあなー

 

 

 

 

1人の少年がゲートをくぐって行く。

 

 

 

 

 

 

嫌だ。

 

また、置いて行かれる?

 

お母さんも

 

妹も

 

あいつも…。

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前が暗くなる。

 

 

影に飲み込まれる。

 

 

手を伸ばす。

 

誰も掴んでくれない。

 

 

1人は嫌だ。

 

影の中でもがく。

 

 

もう、1人にはなりたくない。

 

 

 

いくら願っても救いの手は差し伸べられない。

 

 

 

 

諦めよう。

 

 

 

 

ーそんな時、誰かが名前を呼んだ気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜奈さん…桜奈さん…。

 

 

 

名前を呼ばれ、意識を取り戻す。

 

 

 

また、同じ夢を見た。

最近、同じ夢ばかり見ている。

 

 

 

「大丈夫ですか?苦しそうでしたけど。」

 

問い掛けてきたのは、照屋文香。

B級中位に位置する柿崎隊のメンバーの1人で、隊長の柿崎をよく支えている。

 

 

今朝は柿崎隊と早朝の防衛任務だった。

B級個人の俺は、他の隊と合同で防衛任務を行うことが多い。

 

「あぁ、大丈夫だ。今、何時だ?」

 

「だいたい3時間寝ていらしたので、今は9時半です。」

 

……。

えっ?

 

 

「……。今日から新学期だから7時半には起こしてくれって言ったよな?」

 

 

6時半に防衛任務が終わり、登校まで時間があったので悪いとは思ったが柿崎隊の隊室で仮眠を取らせて貰っていた。

照屋の通うお嬢様学校は明日からで今日は1日OFFだった様なので、起こしてもらうように頼んでいたのだが…。

新学期早々、遅刻確定…。

 

「疲れていらした様子でしたし、今日は始業式だけで授業もないようでしたので無理には起こしませんでした。高校には柿崎隊長が連絡してくれてます。急にボーダーでの仕事ができたと。」

 

「休めたのはありがたいが、そんな嘘ついていいのか?」

 

俺はボーダーと提携している進学校に通っているので、理由があれば公欠が取れる。

しかし、嘘をつくのはマズい。

 

「大丈夫ですよ。桜奈さんは起き次第、嵐山隊の隊室で広報の仕事を手伝うことになってますから。」

 

「サギさんに感謝だな。」

 

 

実際に1人暮らしの俺は生活費や学費を稼ぐために春休みの間、防衛任務のシフトを詰め詰めで入れており、疲れが溜まっていた。

俺に急な仕事を組み込んでくれたサギさんに感謝だ。

たぶん、俺が寝ている間にいろいろな所に根回ししてくれたのだろう。

ということはいつまでも休んではいられない。

 

 

「じゃあ、俺はもう行くわ。ありがとな照屋。」

 

感謝の言葉を残して、柿崎隊の隊室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます」

 

挨拶と共に嵐山隊の隊室を訪れると

 

 

「おっ、来たな。健吾。」

「桜奈先輩、ちーす!」

 

嵐山隊の隊員から挨拶の言葉がかけられる。

 

「今日は2人だけですか?」

隊室にいたのは隊長の嵐山と狙撃手の佐鳥だけだった。

 

「木虎と綾辻、時枝は別の仕事だよ。」

 

広報の仕事をこなす嵐山隊の仕事は多い。

別々に仕事をすることもあるのだろう。

 

そんなことを考えていると

「これ、桜奈先輩の担当ね」

と佐鳥が書類の束を渡してくる。

 

会話はここで途切れ、その後は各々の仕事に無言で取り組んだ。

 

 

 

 

 

 

嵐山隊での仕事を終えたのは午後1時。

 

その後、遅めの昼食を取り終えると、学生の隊員たちがチラホラと集まりだす。

今日はどこの学校も始業式だけだったのだろう。

 

 

仮眠を取ったとはいえ、早朝からの防衛任務と慣れない事務処理で疲労感が多い。

予定もないし、今日は少し早いが家に帰って多めに休みを取ることにしよう。

 

 

そんなことを思いながら、今はもう誰も待つことがない自宅に向かって歩みを進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第1話です。
今回は前書き無しでいきなり始めましたが今後は書いてみようかと思っています。
今回は、照屋ちゃんとの会話が多かったですが、別に彼女がヒロインと決まったわけではありません。
ヒロイン誰にしよう…。

ここからは、主人公の紹介です。

桜奈 健吾(さくらな けんご)

高校2年生。B級のソロ隊員。

○誕生日
8月3日

○ポジション
狙撃手

○隊服
黒を基調とした、ジャージタイプ。
○パラメーター

トリオン 9
攻撃 9
防御・援護 8
機動 4
技術 9
射程 10
指揮 7
特殊戦術 3
トータル 59

○トリガーセット
・メイントリガー
イーグレット
スコーピオン
シールド
Free trigger
・サブトリガー
Free trigger
Free trigger
シールド
バックワーム

○好きなもの
エクレア
ヨーグルト
読書

○FAMILY
妹と、母親。
第一次侵攻で妹と母親を失くし現在はアパートで一人暮らし。

○サイドエフェクト
なし。
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