ワールドトリガー 1人の隊員の物語(仮)   作:麒麟07

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第4話です。



第4話 桜奈 健吾③

本部に着き、忍田本部長から人型近界民の出現の報告を受けた。

 

レーダーに映らない敵。

 

これは、厄介だ。

 

相手の目的がわからない以上、待ち伏せもできない。

 

「前途多難ってこのことだよな…。」

 

桜奈健吾はそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

考えていてもしょうがない。

そう思い、街の中を散策することにする。

 

街には特に変わった様子もなく、平和なことを安心すると同時に手掛かりがないことに落胆する。

 

公園の時計を見ると針は8時半を指していた。

少し休憩しよう。

そう思い、入ったのはMから始まる某ファストフード店。

 

チーズバーガーとアイスコーヒーを注文し、商品を受け取ると席を探す。

 

帰宅途中のサラリーマンやOLが多くなかなか空席がない。

 

テイクアウトにして、外で食べればよかった。

 

そんなことを思っていると、

 

「席がないなら、一緒にどうだね?」

 

背後から声を掛けられる。

その声はやけに幼い。

 

振り返ると、そこにいたのはよく知る5歳児だった。

 

 

「誰と来てんだ?」

 

席に着きながら、目の前のお子様に問う。

 

「陽介と来た。今はトイレだがな。」

 

少し気取って答える目の前のお子様は林藤陽太郎。

玉狛支部のお子様隊員だ。

 

陽太郎が言う陽介というのは三輪隊の攻撃手、米屋陽介のことだろう。

米屋は玉狛の宇佐美と親戚であり、よく陽太郎の面倒を見ている。

 

「おっ、健吾じゃん。ランク戦しようぜー。」

 

軽い調子で話しかけながら、米屋がトイレから帰ってくる。

 

「よぉ、米屋。久しぶりだな。」

 

「ランク戦やるだろ、いつ?明日?何本?10本?100本だな。」

 

「うるさい、槍バカ。」

 

戦闘狂はほっといて、食事に専念する。

その間に米屋と陽太郎は会話を楽しんでいる。

 

 

5歳児と話が合う高校2年生。

 

……。

 

 

米屋凄いな。

 

 

俺もたまに会話に入りながら食事をし、食べ終えたときには9時をもう過ぎていた。

 

 

 

 

それから、陽太郎を玉狛支部まで送り米屋と一緒に帰宅する。

米屋とは家が近いので時間が合うときは一緒に帰っている。

 

下らない会話をしながら警戒区域の中を歩いて帰っていると、1つの人影が見えた。

 

なぜか、俺はそこから目を離せなかった。

理由はわからない。

 

あえて言うなら、これまでの経験から来る勘だ。

 

そして、次の光景に目を疑う。

 

 

 

人が跳んだ。

 

その高さが普通じゃない。地面から二階建ての民家の屋根まで跳んだのだ。

 

 

「おい、健吾。あれ。」

 

米屋が話しかけてくる。

 

「普通の人間じゃないな。トリオン体に換装してる。」

 

「ボーダーの隊員か?」

 

「違うな。俺たちに話しかけてこなかった。」

 

ボーダーの隊員であれば警戒区域にいる人間をスルーすることはないない。

 

注意を促して他の道を行かせるだろう。

 

「人型近界民か?俺始めてだよ。」

 

見るからにテンションが上がる米屋。

それを横目に本部に連絡を取る。

 

「忍田本部長、予定通り人型近界民らしき人間を発見。今は見失いましたが、まだ近くにいるものと思われ三輪隊の米屋と共に探索します。」

 

「こちら本部。了解した。防衛任務中の混成部隊を合流させる。」

 

混成部隊というのは、防衛任務のシフトを増やしたい隊員だよたちで組んだ部隊だ。

 

「桜奈、了解。合流までに、混成部隊に説明をお願いします。」

 

通信を切る。

 

 

「予定通りってどういうこと?」

 

米屋が話しかけてくる。

 

迅とのやり取りを手短に説明する。

今はそれで充分なはずだ。

 

「トリガー起動。」

 

トリオン体に換装して、敵の探索を始める。

 

レーダーに反応がないということは、やはり敵はバッグワームのようなものを使用しているのだろう。

 

 

 

 

 

探索を始めてすぐ混成部隊と合流した。

 

混成部隊のメンバーはガールズチーム那須隊の射手、那須玲。

同じく射手でA級1位太刀川隊の1人、出水公平。

A級3位風間隊の攻撃手、菊地原士郎。

そして、嵐山隊のオペレーター綾辻遥。

 

 

この4人に俺と米屋を合わせたメンバーで人型の相手をする。

 

「綾辻、ここら辺の狙撃ポイントを洗い出してくれ。」

 

「了解だよ。」

 

「那須と出水の射撃を合図に攻め込むぞ。」

 

 

合流後すぐに作戦をたてに入る。

 

この特殊な状況にも、みんな適応できている。

 

力もあるメンバーが集まっている。

 

このまま、冷静にいけば人型もやれる。

 

 

 

 

そう思っていたときだった。

 

 

「えっ……。」

 

 

戦闘体活動限界 緊急脱出

 

いきなり、菊地原の首が飛んだ。

 

 

 

 




別に菊地原が嫌いなわけじゃないんですよ。

なぜか首チョンパしないといけないと思った。

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