やっと主人公が、戦う。
「「桜奈くん!」」
那須と綾辻から同時に呼びかけられる。
決めるなら今だ。
イーグレットのスコープを覗き込み、狙いをつける。
那須に掴まれて相手は動けない。
標準を合わせ。引き金を引いた。
「命中。敵のトリオン体、解除されます。」
綾辻から通信がはいる。
同時に本部に向かって光の道ができるのを見た。
那須が緊急脱出したのだろう。
「こちら、桜奈。人型近界民のトリオン体解除を確認。捕まえて捕虜にします。」
本部に通信を入れる。
「了解だ。」
忍田本部長から許可が下りる。
狙撃ポイントを離れ、人型近界民に近づく。
相手は生身、こちらはトリオン体。
すぐに追いついた。
トリオン体を解除した人型近界民は普通の洋服を着た姿だった。
フード付きのマントはもう着ていない。
そこて始めて、人型近界民の顔を見た。
その顔は忘れた事がない、大切な人の顔で、
その顔を見た瞬間、たくさんの記憶と感情が流れ込んできて
俺はその場を動けなかった。
それを、チャンスと思ったのか、人型近界民はその場を去っていった。
人型近界民を追いかけることができる者は健吾の他にいなかった。
そしてー
「約3分前、ゲート出現。防犯カメラの映像と照らし合わした結果、人型近界民の帰還を確認しました。」
ボーダー本部の1室。
沢村の声が響く。
部屋にいるのは沢村の他に本部長の忍田、本部司令の城戸。
そして、S級隊員の迅悠一。
この4人だけだった。
「迅、今回の結末、お前の予知の中ではどれ位のできだ?」
城戸が問う。
「最悪ではない、としか言えないですね。」
「最悪とは、人型近界民を発見できず、好きに動かれることかい?」
忍田が口を挟む。
「それは最悪の1歩手前。本当の最悪は好きに動かれることを恐れ、人型近界民を捕虜にすること。もし、あの時、健吾が人型を捕虜にしていれば、敵国は大量の戦力をこちらに送り込んで来ていた。そうなれば、俺たちは勝てない。日本は、いや世界は終わりだった。」
「桜奈くんが人型を追わないことはわかってたのかい?」
忍田が再び問う。
「そうですね。健吾が人型を追い詰め逃す未来が見えたので利用しました。ただそうすればあいつが傷つくこともわかっていた。悪い事をしたと思います。」
「健吾くんはあの人型近界民と何か関係があるのかな。顔を見た瞬間、凄い顔してましたよ。」
沢村が疑問をこぼす。
「さぁ、俺に視えるのは未来だけですから。ただ、昔何かあったんでしょう。」
そう言った迅の顔には悲しみが見て取れた。
始めて見た人型近界民の顔を桜奈は知っていた。
数年前に別れた時と同じ顔。
顔だけじゃない。体格も背丈も同じ。
ありえない。
成長期の真っ只中、数年前から全く成長しないなんて。
桜奈健吾は戸惑う。
そして
一つの答えにたどり着くのだが、それはまだ先の話し。
主人公の戦闘シーン少ない笑
これからも不定期に更新していきます。