謎の男、アルドゥバはリオとネプテューヌの師匠だった。
それからと言う物、リオとネプテューヌは一言も何も言わず、すっと黙っていた。
(流石にあの二人もこの展開だと静かね……)
(そりゃ自分たちの師匠が自分たちの命を狙ってくるって言うんだ。ショックを受けない方がおかしい)
そんな二人を心配するかのようにノワールとスワルトは、二人を見る。
「……あ~!もう!暇!退屈過ぎて死んじゃうよー!ゲームやりたーい!」
ネプテューヌのそのセリフに、ノワールとスワルトはずっこけそうになるが、この状態ではずっこけることもできず、ただ呆れた。
「アンタね!こんな状況で何言ってるのよ!」
「私達、捕まってるのよ」
「でも、四女神オンラインのチャットだけでも……」
「ギルドの皆と約束してたんだけどね………」
「ベールとシオンまで………」
「ネトゲ廃人もこういう時は心強いね!」
ネプテューヌが一人盛り上がってる中、リオはただ黙ってた。
「おい、リオ。大丈夫か?」
流石のスワルトもリオが心配になり、声を掛ける。
「…………………か~」
リオは普通に寝ていた。
「くっ………起きやがれ!この駄目守護者!」
スワルトは精一杯大声を上げる。
すると、リオは欠伸をしながら起きる。
「なんだよ、スワルト。人が良い気分で寝てたのに」
「人が心配してやってるのに、何寝てるんだよ!」
「心配?なんでだよ?」
「あの男!師匠なんだろ!それなのにお前の命を狙ってる!それで何の思わないのかよ!」
「とはいっても…………なぁ?」
「だよね~」
リオはネプテューヌの方を見てそう言うと、ネプテューヌも同じような反応をする。
「どういうことよ?」
その反応が気になり、ノワールは尋ねる。
「いやね、師匠って私とリオが女神と守護者に就任したと同時に、どっか行っちゃってね」
「それ以来、ずっと音信不通で消息不明だったんだ。正直、今更出てこられて命を狙うって言われても、はい、そうですかって感じしかないんだよ」
そう言う二人に全員はぽかんとした。
自分の師匠が敵に回り、揚句命を狙って来てるのに、二人は落ち着いていた。
むしろ普段と変わらなかった。
「それより本当に暇だよ~!リオもそう思うよね!」
「俺は割と暇でも無いぞ。むしろ眼福だ」
「え?なんで?」
「いや、俺の位置からだとネプテューヌのスカートの中が見えて、鮮やかな縞模様がな」
「ちょ、ちょっとリオ!アンタ、何見てるのよ!」
顔を赤くして怒るノワールだが、見られてるネプテューヌはと言うと…………
「別にいいじゃん。見られたからって減るもんじゃないし、」
「そうそう、一緒に風呂入る仲なんだ。パンツ位今更だろ?」
「それに、そこに見えそうな下着があったら見るのが男の子ってもんだよ。だよね、スワルト、アイク、シオン」
「「俺達に振るな!」」
スワルトとアイクがそう言う中、シオンは一人黙ってた。
「シオン、どうした?」
「いや、ちょっとね………リオ、さっきの言葉、聞き間違いじゃなければ、君とネプテューヌは一緒に風呂に入ってるみたいだけど…………」
「「一緒に入ってるけど?」」
「「なっ!?」」
衝撃的な事実にノワールとスワルトは声を上げる。
「ああああ、アンタたち!何してるのよ!破廉恥だわ!」
「それでもお前は守護者か!」
二人がぎゃあぎゃあ騒いでる中、アイクとブランは二人から目を逸らす。
(言えない………実はラムとロムにお願いされて、アイクたちと一緒に入ってるなんて…………)
(これ、多分教えたらノワールとスワルト余計に騒ぐだろうな~)
そして、ベールとシオンも目を逸らした。
(一緒にお風呂は無いですけど………)
(添い寝とかしてるんだよね~)
「アイツ等、囚われてるって自覚はないっちゅか?」
ワレチューは緊張感無く、騒いでるリオ達を見つめ呟く。
「舐めるなよ、ネズ公。リオとネプテューヌは俺が手塩にかけて育てた守護者と女神だ。その実力も、それに見合った物だ」
アルドゥバは煙草を吸いながらそう言う。
「それにしても解せないねぇ」
マジェコンヌはアルドゥバの背後に立ち言う。
「どうして自分の教え子を態々殺すような事するんだい?」
「お前らと手を組んだ時、互いの事は詮索しないのが条件だ。教える理由は無い」
アルドゥバは僅かに殺気を込めた視線をマジェコンヌにぶつけ、マジェコンヌはそれに怯み、一歩下がる。
「安心しろ。目的は違っても、女神と守護者を殺したいのは同じだそのためなら協力は惜しまないさ」
煙草を吸い終り、携帯灰皿に吸殻を入れ、アルドゥバはリオ達を眺める。
その目は、我が子を見守る父親の様に優しく、悲しみで満ち溢れていた。