ライとネプギアはバルコニーから夜空を見上げていた。
二人は何を話す訳でもなく、ただ黙って夜空を見上げる。
最初、ネプギア一人で夜空を見上げていたが、その後、ライが近づき隣に立った。
ライはネプギアを慰める訳でもなく、ただ黙っていた。
ネプギアはライのこう言う所が好きだ。
落ち込んだり嫌なことがあるといつも一人で夜空を見上げるネプギアの隣に立ち、一緒に夜空を見上げてくれる。
まるで自分の悲しみや苦しみを共有すると言わんばかりに。
「ネプギアちゃん」
「……ライ」
すると二人の背後からロムとニヤが声を掛けて来る。
「ほら早く!」
「後に先延ばししても謝り付く成るだけだぞ!」
「わ、分かってるわよ!」
振り向くと、ニアとラムに連れられ、ユニがやってくる。
ユニは涙で赤くなった目を擦り、ネプギアとライに近づく。
「仲直り、しよ?」
ロムはネプギアの手を握り、ニヤはライの袖を掴んでユニの前に連れて行く。
ネプギアとライの手に触れ、ユニはゆっくりと謝る。
「言い過ぎちゃった……ごめんね……!分かってる………分かってたのに………二人の所為じゃないって…………」
「うん……分かってる。気持ち分かるよ………」
仲直りを終えると、朝陽が昇り、六人を照らした。
「お姉ちゃんより強い人なんて、いないと思ってた。お姉ちゃんとスワルトさんが一緒なら、どんな敵にも負けないって思ってた」
「おんなじだよ」
ユニの胸の内に、ネプギアも同意する。
「私だって、お姉ちゃんがいないとなんにもできない。今だって、どうしたらいいのか全然分からなくて……」
「俺も、いつも兄さんに頼りっきりだ。だから、こんな時どうしたら………」
「「そんなの、簡単じゃない(簡単だぜ)!」」
不安げなネプギアとライに、ラムとニアが元気よく言った。
「「私達(俺達)が助ければいいのよ(んだよ)!」」
「私も……お姉ちゃんたち助けたい……!」
「俺も」
ロムとニヤもそれに同意し、二組双子には決意があった。
「でも、私たち変身できないし……」
「なら、変身できるようになればいいのよ!」
「特訓して覚えるんだよ!」
「やり方、覚える……!」
「やらないより、やる方がいい」
「そんなこと……できるのかな?」
女神候補生にとって女神の姿への変身は、いつかは得なければならない力だ。
しかし、その具体的な方法は分からない。
それは守護者も同じ。
だが、やり方を聞いてもネプテューヌとリオに関してはその内出来るとしか言ってないので、ライとネプギアはできるのか不安だった
「……お姉ちゃんが言ってた」
静かな調子でユニが語る。
「アタシが変身できないのは、自分の心にリミッターをかけてるからだって……」
「心の、リミッター……」
「例えば、何かを怖がってるとか、そういうことよ……」
その言葉に、ロムも反応した。
「私、モンスター怖い……」
「……俺も」
「じゃあ、皆で特訓して怖く無くなればいいのよ!」
「そうだぜ!慣れればモンスターなんか怖くねぇぜ!」
「………それもそうかもな」
「なら、アレを使うか」
そう言うヴァイスの目線の先には、あの機械があった。
「ユニ様ー!ヴァイス様―!ロム様、ラム様ー!ニア様―、ニヤ様―!」
アイエフがベールの部屋の扉を開け、中にいるはずの女神候補生たちを呼ぶ。
「お迎えのかたが……」
「きゃあああ!」
「へ!?」
突然聞こえてきた悲鳴と、目の前の光景に面食らう。
そこでは部屋の奥に広がる一面の草原のなかで、ラムとニアがそれぞれの武器で、植物型モンスターを殴り飛ばしていたのだ。
モンスターは草原が途切れて部屋になっている所まで飛んでくると、人の姿に変わり尻餅を突く。
「むきゅ~、結構痛いですぅ……」
それはコンパで、アイエフはすぐさま駆け寄る。
「コンパ!大丈夫?」
「大丈夫です!訓練なのです!」
笑顔のコンパに、アイエフは草原に立つ四人の女神候補生達と四人の守護者候補生達を見た。
「これは、ベール様のゲームですか?」
「戦闘の特訓をしようと思って!」
その言葉をユニが継ぐ。
「このゲーム実戦モードもあるみたいだしな」
「敵の役をわたしが引き受けたです。これでギアちゃんたちが変身できたら、わたしも嬉しいです!」
笑顔でコンパがそう言う。
「変身?」
「アタシたち、みんなでお姉ちゃんたちを助けにいくことに決めたの!」
「だから、強くなりたいんです!」
「ちょっと待ちなさい!ネプ子やリオたちですら、捕まったのよ!」
「それでも……やらないといけないんです。俺たちも、守護者の力を受け付いてるから!」
ライの力強い言葉に、アイエフは溜息を吐く。
「こうなる気はしてたのよ……でも、コンパが敵役だなんて駄目。私がやるわ」
「アイちゃん……!」
「任せて置いて」
アイエフはコンパにウインクをして、ライたちの特訓の相手をしようとする。
だが、その時、部屋の扉が開き、前回ルウィーで現れた、とんでもレポーター、アブネスが現れた。
「見ぃつけた!」
「へ?」
行き成り現れたアブネスに思わず素っ頓狂な声を出すネプギア。
「ふ~ん、見たとこ妹と弟達だけで女神と守護者共はいないっと。やっぱり何かあったのね!」
「ええと…… あなたは確か、アブネスさん……?」
「ちょっと! アタシたちは忙しいの、邪魔しないで!!」
「そうだぜ!特訓の邪魔だ!」
ユニとヴァイスは強い口調でアブネスを追い出そうとする。
「誰です?」
「ほら、ルウィーでリオたちを怒らせたっていう、幼女好き人よ」
「あの、アブネスさん? 私たち、今それどころじゃ……」
「シャラーップ!!」
丁寧に対応しようとしたネプギアの言葉をそれをさえぎり、アブネスは一方的に捲し立てる。
「中途半端に発達した非幼女なんて、不要女よ!ふん、女神と守護者ののいない今こそ、ロムちゃんラムちゃん、ニア君、ニヤ君を普通の幼年幼女に戻してあげるチャンスだわ!我ながらナ~イスアイディア!!まるで草原の輝きね!さぁ!一緒にお手々繫いでお遊戯しましょう!」
そんなアブネスを見て、ラムとニアはあることを思いつき、ロムとニヤに耳打ちをする。
二人は笑って頷き、アブネスを見る。
「あのね、お手々繋ぐんじゃなくて」
「アレで遊びたいな~」
「へ?あれ?」
ニアが指さしたのは例のゲームだった。
「……お願い」
「アレで遊ぶ」
「ま、まぁいいけど」
アブネスは言葉に従い、ゲームへと近づき、その姿を骸骨型のモンスターへと姿を変える。
「えっと、幼年幼女~……これでいいの……もっと幼年幼女らしい遊びを………」
「は?アンタの好きな幼年幼女のご志望のゲームだぞ?文句あんのか?」
ヴァイスは双剣を握りしめ刃を向け、ユニも無言で銃の引き金に指を掛ける。
「ひっ!?」
「皆!」
「思いっきりやっちまえー!」
ラムとニアの掛け声を合図に、一勢に飛び掛かる。
「ぎゃああああああああああああ!!?」
アブネスの悲鳴を聞きながらアイエフとコンパはゲームの説明書を読む。
「アイちゃん、コンピューターキャラとの対戦もできるそうですぅ」
「特訓ならそっちの方がいいかもだけど……………」
アイエフは全員にフルボッコされてるアブネスを見ながら言う。
「まぁ、後で良いでしょ」
「そりゃああああああ!」
「てやあああああああ!」
「ぐっはっ!?」
ニヤの鎌とラムの杖で顔面を殴られ、アブネスは空を飛んだ。