「ライ、ニア、ニヤ。俺たちの結束をこのおっさんに見せ付けてやろうぜ」
「……ああ、そうだな」
「一人じゃ敵わなくても………」
「四人なら……いける!」
武器を構え、アルドゥバをにらみ付ける。
「守護者化した候補生四人の相手か………おもしろい!かかって来い!」
アルドゥバはにやりと笑い、剣と拳を構える。
そして、四人も同時に飛び出し攻撃を仕掛けた。
時を同じくしてロムとラム、ユニも変身を習得し、女神化していた。
その姿に全員が喜び、感動していた。
「ロム……ラム……!」
「いつまでも子供だと思っていたんだがな………」
「ユニ……強くなったのね……」
「ヴァイス……」
「皆、素晴らしいですわ」
「流石は君たちの弟と妹だね」
「ネプギア……」
「こりゃ、半人前とは言えないな」
だが、その喜びは束の間の喜びだった。
突如、下にたまっていた物質から黒い手の様な物が現れ、八人の体に絡みつくように触れる。
「なんなの……!」
「これは……!」
「時間通り。予定通りっちゅね」
ワレチューは時間を確認しながらそう言う。
その様子を背後から見ていたアイエフはコンパに話しかける。
「コンパ、あのネズミに話しかけてあそこから引き離して」
「え?何を言えばいいです?」
「そうね………」
アイエフに言われ、コンパは立ち上がりワレチューに話しかける。
「あ、あの~、ネズミさん」
「チュー!?コンパちゃん!」
「あ、あっちでー、一緒に、いっぱいお話しませんか?」
「え!?おっぱいい話!?」
「はいです」
見事コンパに釣られたワレチューはその場を離れる。
その隙を見逃さず、アイエフは結界に近づく。
結界の中は黒い物体でほとんど満たされており、リオとネプテューヌ、スワルトとノワールより下の位置で捕まってるシオンとベール、アイクとブランはその黒い物体に体が僅かに浸かっていた。
「……冷たい…」
「ああ、それも体に突き刺さるような冷たさだ……」
「私、既に感覚がありませんわ………」
「ベール、しっかりして………」
「アイク!シオン!意識を保て!しっかりしろ!」
「ブランとベールも!頑張って!」
四人を見ながら旋律を覚えながらも、リオとネプテューヌは四人を励まそうと声をかける。
「全身を絡めとられる前になんとかしないとい……」
「ネプ子!リオ!」
外から声を掛けられ、外を見るとそこにはアイエフがいた。
「アイちゃん!」
「アイエフ!」
「イストワール様からメッセージがあるの!」
アイエフは携帯を差し出すと、そこにイストワールが立体映像で現れる。
「皆さん、大変なことがわかりました。アンチクリスタルは、皆さんとシェアクリスタルのリンクを断ち切る意外にも力があるみたいなんです。行き場を失ったシェアエナジーはアンチエナジーという物質に変える働きもあるみたいで、密度の濃いアンチエナジーは、…………女神と守護者の命を奪うとされています」
「それで!?どうすればいいんだ!?」
「まだどうすればいいのかは………せめて三日あれば………」
「ベール!」
そのとき、ネプテューヌが声を上げる。
見ると、ベールとシオンはアンチエナジーに体の殆どを浸かっている状態になり、今にも気を失いそうだった。
「シオン!手を!」
「ベール!」
リオはシオンに手を伸ばし、引き上げようとする。
それを見てシオンも手を伸ばすが、シオンがリオの手を握った瞬間、シオンは意識を失う。
ベールも同様に、ネプテューヌの手を掴んだ所で意識を失った。
「シオン!」
「いやああああ!ベール!」
その光景を見ながらスワルトもアイクに、ノワールもブランに手を伸ばしていた。
「アイク!手を!」
「すまねぇ………くっそ………もう意識が……」
そして、アイクもとうとう意識を失い、そのままアンチエナジーの中に沈む。
「アイク!」
「ノワー……ル……!」
そして、ベールも気を失い、アンチエナジーの中に沈む。
「「お姉ちゃん!」」
「兄ちゃん!」
「兄さん…!」
アイクとブランがアンチエナジーの中に沈むのを見て、ロムとラム、ニアとニヤが声を上げる。
ライとネプギア、ヴァイスとユニも何事かと思い、結界のほうを見る。
「なんなんだよ、あれは!?」
「あれはアンチエナジー。女神と守護者を殺す物質だ」
アルドゥバはその隙を見逃さず、ライとヴァイス、ニアとニヤに拳と蹴りを当て地面に叩き落す。
「皆!くそっ!」
アイエフは悪態を吐きながらも、銃を抜き結界に攻撃をする。
「私もやるです!」
コンパも武器を手に結界に攻撃を仕掛けるも、結界はビクともせず破壊はできなかった。
そして、とうとうアンチエナジーはリオとネプテューヌ、スワルトとノワールをも飲み込み始める。
黒い手に体を絡めとられ、アンチエナジーに首から下は浸かっている。
「いや………ネプ、テュー……ヌ……」
「リ……オ……」
「ノ……ワー……ル………」
「スワル………ト……」
四人は最後の力を振り絞り、リオとスワルト、ネプテューヌとノワールが互いの手を掴む。
そして、四人飲もう片方の手には気を失い力のないシオンとアイク、ベール、ブランの手がしっかりと握られていた。
意識はどんどん遠のいていき、やがて結界は完全に黒く染まり、誰の姿も確認することが出来なくなった……
「そんな……嘘だ………」
その光景を呆然とライは眺める。
手にした大剣が力なく、地面に落ちる。
「兄さん……」
ヴァイスは膝を突き、顔を絶望に染める。
「……兄ちゃん」
「あ、ああっ……!
ニアとニヤも持っていた鎌とトンファーを力なく下ろす。
「………終わったな」
アルドゥバはゆっくりとライに近づく。
「女神と守護者は死んだ。残るはお前らのみ。お前らを殺せば、俺の目的は果たされる。せめてもの慈悲だ。苦しまず、葬ってやる」
そして、アルドゥバの拳がライの頭上に下ろされようとした。