「わぁ~!見て見てライ君!このパーツ、すごくかわいいよ!」
「あ、うん。そうだね」
リーンボックスの事件から一ヶ月が経ったある日。
ライとネプギアは外に出ていた。
急にネプギアが連れて行きたい所があるといい、ライを連れ出し、外に出た。
そして、ライとネプギアが訪れたのはプラネテューヌで唯一あるジャンクパーツショップだった。
ネプギアはこの店の常連客で、しょっちゅう訪れに来ている。
ジャンクパーツ以外にもいろんな機械も売ってたりするので、機械好きのネプギアには遊園地やゲームセンターよりも喜ぶ場所だ。
ちょうど、この店の前を通った瞬間、ネプギアは「新しいパーツの匂いがする!」と言い出し、駆け出した。
当の本人であるネプギアはというと、目を輝かせながらジャンクパーツを漁っていた。
(てか、パーツが可愛いってなにさ………)
そんなことを思いながら、喜んでるネプギアを見ていると、自然とライも笑っていた。
「ごめんね、ライ君。待たせちゃって」
「いや、いいよ。ネプギアが楽しそうでなによりだ」
ジャンクパーツ屋を後にし、二人はまた街を歩く。
しばらく歩いていると、ライはあることに気づいた。
(俺…………今、ネプギアと普通に会話できてる?)
まだ、ぎこちなさはあるものの前ほど、ネプギアの前で言葉数が少なくなったり、黙ったりすることはなくなった。
(慣れたのか?)
「ライく~ん!こっちこっち!」
「あ、すぐ行く!」
いつの間にか前を歩いていたネプギアの後を追い、ライは走る。
「着いたよ!」
「ここは……?」
そこはプラネテューヌを一望できる丘だった。
「いい眺めだよね、ここ」
「ああ。こんな所、よく知ってたな」
ライは感心したように言う。
「ここね、お姉ちゃんとリオさんに教えてもらったんだ」
「兄さんとネプテューヌさんから?」
「ここって、お姉ちゃんとリオさんが仲良くなったきっかけになった場所なんだって」
「え?」
「二人って、最初の頃は凄く仲が悪くて、いつも喧嘩してたんだって」
そのことにライは素直に驚いた。
普段から仲が良く、二人して騒ぎ、笑い、ゲームをし、夜は一緒のベッドで寝て、剰え風呂まで一緒に入るような二人だ。
その二人が仲が悪かったなど想像できなかった。
「…………それで、どうして俺をここに連れてきたんだ?」
「うん、あのね……………ここならライ君と仲良くなれるかなって思って………」
「え?」
「ライ君ってさ、ユニちゃんやロムちゃん、ラムちゃんには普通に接してるし、お姉ちゃんやノワールさん、ブランさん、ベールさんとか他の人にも普通なのに私だけ、なんか避けられてる感じがあって…………嫌われてるんじゃないのかなって」
ライは少しうろたえる。
本当はネプギアを嫌っているのではなく、ネプギアの近くだと緊張して普通に接することができないからだ。
「でも、ここなら、仲良く慣れるんじゃないかなって思って…………駄目だよね。こんな、何かに縋らないと仲良くなろうすらいえない私じゃ………嫌われてもしょうがないよね」
ネプギアは悲しそうに笑う。
それを見た瞬間、ライはネプギアの肩を掴んだ。
「違う!俺はネプギアのことを嫌ってなんかない!」
ネプギアはライの声に驚き、固まる。
「あれは………ネプギアの近くだと何か緊張して………何を言えばいいのか分からなくて………」
「え?………じゃあ、嫌ってたんじゃ………」
「嫌ってない!絶対だ!」
「………そっか………嫌ってなかったんだ……よかった……」
するとネプギアが急に泣き出し、ライは慌て出す。
「ネプギア!?」
「ご、ごめんね!その嫌ってなかったんだって思ったら、急に安心しちゃって………」
そんなネプギアにライは笑いかけながらハンカチを渡す。
ネプギアはお礼を言ってハンカチを受け取り、涙を拭く。
「ねぇ、ライ君」
「なんだ?」
「嫌ってないなら、どうして私のこと避けてたの?」
「そ、それは………………」
ライは顔を赤くし、頬を掻きながら、何かを決意する。
「俺は………ネプギアがs――――――」
「あっ!ネプギアとライだ!」
「おっ!お前たちもここにいたのか!」
突如、その場にリオとネプテューヌが現れる。
「に、兄さん!」
「お姉ちゃん!」
現れた二人にライとネプギアが驚く。
「ちょっとリオ!ねぷ子!あんた達も手伝いなさいよ!」
「あっ!ライくんとギアちゃんもいるですぅ!」
すると後からアイエフとコンパがやってくる。
「アイエフさんとコンパさんまで!ど、どうしてここに?」
「ねぷ子とリオが急にピクニックしようっていい出してね」
「ここは眺めがいいからな!」
「ピクニックと言えばやっぱここだよね!」
はしゃぎながらビニールシートを広げるリオとネプテューヌを見ながら、ライは本当にこの二人は仲が悪かったのだろうかと疑問に思った。
「ほら、ライとネプギアも座りなさい」
「お弁当、沢山作って来たですよ」
「ほら座れ座れ!」
「お弁当!」
子供のようにはしゃぐ姉と兄に、ライとネプギアは苦笑いをしシートに座る。
「あ、ライ君。さっき言いかけたのって何?」
ネプギアが横から顔を覗くように聞いてくる。
ライは少し考えると―――――ー
「なんでもない」
笑って誤魔化した。
「むー!いいもん、いつか聞き出すから」
ネプギアは頬を膨らませ、脛ながらお弁当のサンドイッチを手に取る。
「そうだな、いつか話すよ」
ネプギアや他の皆に聞こえないぐらい小声でそう言い、ライもお弁当に手をつける。
「あ~ん!ん~!美味しい!」
「外で食う飯はまた格別だな!」
「まったく………ねぷ子もリオも変わらないわね」
美味しそうに弁当を頬張るリオとネプテューヌを見てアイエフが言う。
「「何が?」」
「あんな目に遭って少しは気合が入るかと思ったら、いきなりピクニックって……」
「逆だよ!逆!あんな目に遭ったからこそ毎日がエブリデイなんんだよ!」
「そうだ!だからこそ、一緒にトゥギャザーしようぜ!」
「意味が分からないわよ」
「あ――――――――――っ!!!」
その時、リオたちの背後で声が響く。
振り返ると、そこには女の子と、その女の子に手を掴まれ引っ張られてる男の子がいた。
「あ――――――――――っ!!!」
二度目の叫び。
「何、この子?」
「さ、さぁ?」
「迷子か?」
「たぶん……」
ネプテューヌとネプギア、リオとライが首を傾げてると女の子はコンパとアイエフを指差す。
「こんぱ!あいえふ!」
「……ええ?」
「だれ、ですぅ?」
女の子はにこっと笑い、二人を指差す。
その隣で男の子は無言で黙ったまま、コンパとアイエフを見つめていた。