「ここに入っていったよね」
「まさか、お姉ちゃんたちも盗撮犯を?」
ライたちはリオたちの後を追い、廃工場へとついた。
「いや、さすがに盗撮犯相手に四女神と四守護者はやり過ぎだ。きっと別件だろ」
ライはそう言い、この場を去るべきだと考えた。
普通なら変身ができるライたちも加わったほうが言いと思うのだが、四女神と四守護者が揃って出るような事件。
ただ事ではないとライは感じ、まだ戦闘経験の薄い自分たちは行かないほうがいいと考えたため、退くべきだと判断した。
すると―――――
「あー!クラたんが!」
ピーシェが抱いていたクラたんがピーシェの腕から逃出し、工場内へと入ってしまった。
するとピーシェもルークの手をつかんで工場のゲートの隙間から中へと入ってしまった。
「ああ、くそ!皆、ピーシェとルークを追いかけるぞ!」
ライはせめて何事もなく終わってくれるように願いながら工場内へと入っていく。
「リオ!この人オカマさんだ!この見た目でオカマさんだよ!」
「なんか見た目が見た目だけに残念すぎる!」
アノネデスの中身がオカマと知り、リオとネプテューヌは騒ぎ立てる。
「あ~ら、失礼ね?心は誰よりも、乙女よ♪それに見た目は関係ないわ、乙女の良し悪しを決めるのは中身よ」
「……本当、わかりやすいくらいにオカマね」
「しかも、ちょっと毒舌だったりするんですわよね、きっと」
「あったり~! 胸だけ大きいバカ女神と思ったら違うのね?」
「なっ・・・・・・!」
アノネデスは典型的なオカマなトークで独自の世界観を作り始め、さっきのシリアスな空気を一気にぶち壊す。
「あなたの性別とかはこの際どうでもいの! 犯行を認めるの? 認めないの?」
「言っておくが認めようが認めなかろうがお前は牢獄行き確定だからな」
ノワールとスワルトは怒りを見せながらアノネデスに言う。
「………ふふふ」
「な、何よ…」
ノワールとスワルトの問いかけに対し、アノネデスは怪しげな笑い始めた
「生で見るノワールちゃん……やっぱりかわいいわ、想像以上に」
怪しげな笑いの後の突然の発言にノワールは僅かに動揺してしまう
「なっ!? そ、そんなこと言って、気を逸らそうったって・・・・・・!」
「やだ、本気よ? ほ・ん・き」
強がるノワールに対し、自分が本気と言うことを示すためか、アノネデスが指を鳴らす。
すると部屋中に何かが投影される。
「こんな写真撮っちゃって、ごめんなさ~い♪」
「え? ……あ……ぁぁぁあああああああ!?」
急にノワールが声を上げる。
投影されたのはノワールの写真もとい盗撮写真だった。
仕事中の写真から食事中、着替え中までの写真があった。
「うわっ!? あっちもノワール! こっちもノワール! ぜーんぶノワールだ!?」
「オカマな上に盗撮魔かよ・・・・・・・・・」
「アタシ、ノワールちゃんの大ファンなの! あなたの事、何でも知りたくてつい出来心で…!」
「写真なんてどうでもいいのよ! 私が言っているのはハッキングの事で…」
「あら、どうでもいいの? じゃあ、これも?」
アノネデスがもう一度指を鳴らすと、また新たな写真が現れる。
すると――――-
「は………はぁぁぁ!?」
ノワールは悲鳴を上げた。
「ノワールが…“お裁縫”してる?」
その画像は、なんとノワールが楽しそうに“お裁縫”をしている画像だった
「ノワール、君って裁縫なんか出来たのかい?」
「そ、そうなの!私、案外家庭的なタイプで!」
「あの服、何処かで見たことがあるような……?」
「気のせい!! 100%気のせいだから!!」
その姿に疑問を抱き、シオンとベールの二人がノワールに質問を掛けると彼女は半ば強引な返答で返す。
「ちょっと、それじゃないって言っているでしょう!?」
「ふーん……それじゃないなら、これのこと?」
アノネデスが三度目の指を鳴らす。
映し出されたその画像を見た瞬間、ノワールの頬が今まで以上に高揚していく。
「……きゃぁぁぁぁぁぁああああああああ!?」
甲高い叫びをあげて持っていた武器も地面に落とすほどには取り乱した。
映し出されたその画像を見た瞬間、ノワールの頬が今まで以上に高揚していく
「おぉ、これは!」
「明らかにコスプレ写真ね………」
「あの服、四女神オンラインのコスプレだったんですのね」
「ツインテールでツンデレ、確かに色んなキャラのコスプレが似合いそうだな
「しかし、ノワールにしては意外な趣味だな」
「でも、人は見かけによらないっていうしね」
「見ないでぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええ!!」
今まで隠してきた趣味がばれ、ノワールは悶え倒れこむ。
「やだ♪ 取り乱したノワールちゃんもかわいい!」
その様子を見ていたアノネデスが、ポラロイドカメラ取り出し、そのノワールを撮る。
「こ、この……! いいわ! こうなったら盗撮の罪で牢屋に放り込んでやる!」
「あら~、私がここから離れると写真がぜ~んぶラステイションに公開される手筈になってるけど、それでもいいの?」
「なっ!?」
「ノワールちゃんを一人占めするつもりだったけど、世界中をノワールちゃんで埋め尽くすのもわるくないんじゃない」
写真が公開されると知ったノワールはとうとう泣き崩れその場にしゃがみ込む。
流石に全員がノワールが可哀想と思い、何も言えずにいた。
そんな中、スワルトは泣き崩れてるノワールに近づき、頭をなでた。
「コスプレはよ、ノワールの楽しみの一つなんだよ」
いつもは冷静な言葉には、怒気が帯びていた。
そのことに気づき、リオもアイクもシオンも恐怖した。
「ノワールはな、ラステイションをいい国にしたい。だから、毎日毎日朝から晩まで仕事詰めだ。仕事の片手間に食事をし、時には寝る間も惜しんで仕事をする。ベールの様に仕事が速く趣味に時間が使える奴でもない。ブランみたいに寝る時間を削ってまで趣味に時間を割くような奴でもない。ネプテューヌの様に仕事をサボって趣味に生きれる奴でもない。だからこそ、ノワールにとって、コスプレができる時間はノワールの唯一の楽しみなんだ」
「お前はその楽しみを土足で踏み荒らした。なら、覚悟はできてるよな?」
その言葉に、アノネデスは思わず椅子から落ちそうになる。
「・・・・・・・・・あなた、何者かしら?」
「俺はスワルト。守護者バイオレットナイトだ」
スワルトは守護者化すると剣を抜き、アノネデスも剣先を向ける。
「これから、お前を斬る奴だよ」