「あの感動的な式典から早一ヶ月…………ネプテューヌさん!全然女神の仕事してないじゃないですか!」
イストワールこといーすんは人を駄目にするソファーの上に寝転がり、テレビゲームに熱中するネプテューヌに怒る。
怒られているネプテューヌはというと、気にせずずっとゲーム画面の方ばっか見つめている。
「ネプテューヌ、いーすんが何が言ってるぞ。いーすんの堪忍袋が切れる前に話だけ聞いとけって」
「リオさん!貴方もですよ!」
リオは座布団を枕代わりに携帯ゲーム機で、モンスターをハントするゲームに夢中だった。
「リオさんは守護者の使命がなんだったか覚えてますか!?」
「えっと………女神と一緒に自堕落に遊ぶだな」
「さっすがリオ!わかってる!」
「全然わかってないです!」
「兄さん、あまりイストワールさんを困らせるなよ」
そんな所に、リオの弟でプラネテューヌの守護者候補生のライディール、通称ライが現れる。
「守護者の使命は女神が過ちを犯そうとしたらそれを止め、正しき道へと連れ戻すだろ?それなのに、兄さんはネプテューヌさんと一緒になって毎日毎日ゲームばっか………」
「ライ、それは間違ってるぞ」
リオはゲームをスリープモードにし、ライの方を見る。
その目はとてつもなく真剣だった。
その眼差しにライは思わず息を呑む。
「間にアニメと漫画も挟んでるからゲームばっかじゃない!」
「どうせ、そんなことだろうと思ったよ!」
「まぁいいじゃんかよ。やる時にはちゃんとやるから。それより、ライもゲームしようぜ。紅玉が出ないんだよ。手伝ってくれ」
「…………はぁ。今回だけだよ」
ライは溜息を吐き、自分のゲーム機を取り出し、ゲームを始める。
あーだこーだ言っても、最終的には一緒にゲームをしてしまうのがライだ。
「お姉ちゃーん!リオさーん!お茶が入ったよ」
今度はネプテューヌの妹でプラネテューヌの女神候補生のネプギアがお盆にお茶の入った湯呑みを持って現れる。
「ありがとう、ネプギア!」
「お、サンキューな!」
「どういたしまして。ライ君もどうぞ」
ネプギアは笑顔でライにも湯呑みを差し出す。
「あ、ああ………ありがとう」
ライは顔を赤くしてネプギアから湯呑みを受け取る。
その様子を見ながらリオとネプテューヌはにやにやとしていた。
「さて、ライ!早速やるぞ!」
「ネプギア!対戦しよ!」
にやにやした後は、兄弟姉妹に別れ、ゲームを始めようとする。
「いい加減に………してください!」
とうとう本格的にキレたイストワールはネプテューヌが遊んでるゲーム機本体の電源コードを引き抜く。
「ねぷぅっ!?それやっちゃ駄目って説明書に書いてあるよ!」
「ちゃんとした手順で電源を落とさないと、データが飛ぶんだぞ!」
イストワールの行動にネプテューヌとリオは声を上げる。
イストワールは電源コードを抜いた時の力の勢いとサイズの所為でくるくると部屋を回転する。
「「よい子は真似しちゃ駄目だぞ」」
「兄さん、ネプテューヌさん。誰に言ってるの?」
いきなり何もないところに向かってそう言う二人にライはツッコミを入れた。
その後、リオとネプテューヌ、ライとネプギアの四人は、シェアクリスタルという、この国、プラネテューヌのシェアの量を輝きで示す石が置かれた部屋にイストワールによって集められた。
「これを見てください」
イストワールにそう言われ、四人はイストワールを見つめる。
「私じゃなくてシェアクリスタルです!」
ああそっちかっと言った様な表情で四人はシェアクリスタルを見上げる。
「クリスタルがどうかしたんですか?」
「クリスタルに集まる、我が国のシェアエナジーが最近下降傾向にあるんです!」
そう言い、イストワールはシェアエナジーの収集率をグラフに表した紙を見せる。
「まだ沢山あるでしょ。心配することなくない?」
「そうだな。本格的にヤバくなってから考えればいいだろ」
お気楽にそう言う二人にイストワールは更に声を上げる。
「よくないです!シェアの源が何かはご存知でしょう!」
「国民の皆さんの、女神と守護者の信じる心、ですよね」
「その通り。この下降傾向はすなわち、国民の皆さんの心がネプテューヌさんとリオさんから少しずつ離れているということなんですよ!」
「え~?嫌われるようなことした覚えないよ~?」
「別に独裁的な政治もしてるわけじゃないしな」
「ん~………でも、好かれる様なことも、最近してないかも」
ネプギアの一言により、リオとネプテューヌは見えない矢で心臓を貫かれる。
「ネプギアの言う通りでしょ。ネプ子、リオ」
そう言って部屋に入って来たのはプラネテューヌの諜報員にしてリオとネプテューヌの友人のアイエフと、同じく二人の友人でアイエフの友人であるコンパだった。
「すみません、イストワール様。話しが聞こえたもので」
「アイエフさんとコンパさんなら別にかまいませんよ」
「なんだよ。アイエフまでいーすんの味方か?」
「え~!そんなのないよ~!」
アイエフに対し二人は文句を言うと、コンパが一枚の紙を出す。
「ネプネプ、リオ君、これ見るです」
「え?……女神……いらない……」
「守護者も……いらない……」
「がっ!?」
国民の声にイストワールは短い悲鳴を上げ、のけぞる。
「こう言う人たちにネプネプとリオ君のこと知ってもらうには、お仕事もっと頑張らないとです」
「ひえっ!?これって四面楚歌!?」
「やばい、俺たち大ピンチだ」
「ピンチなのはこの国です!」
イストワールの長いお説教が始まる中、リオとネプテューヌは反省する所か、どうやったらこのお説教から逃れられるかを考え始まる。
(ネプテューヌ。このままだと、いーすんの長いお説教で一日が潰れるぞ)
(それは嫌だな~。リオ、逃げよう)
(そうだな………よし!あの手を使おう)
(OK)
テレパシーなのか二人もよくわかってないが、取りあえず脳内会議を数秒で終わらせると、リオとネプテューヌは声を揃えて言う。
「私!女神の心得教わってくる!」「俺!守護者の心得教わってくる!」
その言葉に全員が唖然とする。
「教わるって………誰にです?」
「えっと……ノワール!」
「俺もスワルトに!」
「「「「「ええっ!?」」」」」
リオとネプテューヌの言葉にその場に居た全員が声を揃えて驚愕した
「“ラステイション”のノワール!」
「“ラステイション”のスワルト!」
そうして、リオとネプテューヌによる突撃!隣のお国訪問が始まった。