「お姉ちゃん!お姉ちゃん起きて!」
「兄さんも起きて!」
プルルートとピーシェが寝た後、ルークも寝てしまい、リオとネプテューヌも釣られて眠ってしまった。
しばらく寝てると、ネプギアとリオが慌てた様子でやってくる。
「もう食べられないよ~」
「ライ……お手……」
「ベタな夢見てないでよ」
「兄さん!?どんな夢見てんの!?」
ネプギアとライはリオとネプテューヌを揺すり起こす。
「もぉ~、何ネプギア~?」
「今日は日曜日だぞ?おっちょこちょいんだから……」
「今日は日曜じゃない!てか、そうじゃないから!」
「これ見て!」
そう言って、ネプギアはNギアを二人に見せる。
そこには、柱に縛り付けられてるアイエフの写真があった。
「何これ!?」
「アイエフ!どうしたんだこれは!?」
ネプテューヌとリオはすぐに目が覚め、慌てだす。
「酷い~……」
「一体誰かこんなことを……」
目が覚めたプルルートと台所から戻ってきたロウロも横からNギアを見て、そう言う。
「知らないアドレスから送られてきて地図も添付されてたの」
「助けに行かなきゃ!」
「急ぐぞ!ライ、ネプギア!二人も行くぞ!」
「う、うん……」
「分かった……(それにしても……一体誰が………)」
アイエフはとある場所で柱に縛り付けられていた。
そんなアイエフの間に二人の男女が立ちはだかる。
アイエフはそれに気づき、目を開ける。
そこにはマジェコンヌとアルドゥバがいた。
「復讐の時は来た」
「あんた!マジェコンヌとアルドゥバ!……こんなことしても無駄よ!ねぷ子やリオ、ネプギアにライがあんた達を倒すわ!」
「前回のようには行かんぞ」
「今回は秘策がある」
やたら自信満々に言う、マジェコンヌとアルドゥバにアイエフはどんな恐ろしいことを考えているのだろうと身構える。
「それは………このナスと!」
「この麻婆だ」
マジェコンヌはナス畑をアイエフに見せ、アルドゥバは麻婆豆腐が大量に入った鍋を見せる。
「…………は?」
アイエフは思わずそう言った。
どんな恐ろしいことかと思えば、二人の嫌いなものを用意しただけと言う作戦。
呆れて何も言えなかった。
「ナスと麻婆が女神と守護者の弱点だと言う事は分かってる!」
「このナス畑と私特製麻婆豆腐。これで、この世の地獄を見せる」
アイエフはこの二人はアホなのではと思った。
そして、こんな奴らに苦戦したということに恥ずかしいとも思った。
「何やったって勝ち目なんかないわよ、あんたみたいなおばさんとおじさんに!大体、その麻婆豆腐は何よ!ただ赤いだけで美味しそうにぜんぜん見えないじゃない!」
おばさんという言葉と美味しくなさそうの言葉に、マジェコンヌとアルドゥバは反応する。
マジェコンヌはナスを手に不敵に笑う。
その笑みにアイエフは思わず、恐怖を感じた。
マジェコンヌはアイエフの頬を掴み、そして、アイエフの口の中にナスを押し込んだ。
「ん~~~~~~~!!?」
アイエフは無理矢理押し込まれ、苦しそうに手を握り締め、服を掴む。
「うまいだろ?全部食え。人生の三分の一を損してるぞ?」
「次はこれだ」
今度はアルドゥバがレンゲに赤々しい麻婆豆腐を掬い、アイエフの口に流し込む。
「な、何よ、コレ!!?見た目通りの辛さ!!し、舌が麻痺しそう………!」
「当然だ。私特製の“辛そうで辛くないむしろ辛かったことを脳が認識しようとしてくれないラー油”を湯水のごとく使っているのだぞ」
「こんな辛いだけの麻婆豆腐があってたまるもんですか!それに、ナスを生食べさせるとか何考えてるのよ、この年増!激辛厨の似非神父!」
「うるさい!」
「ほれ、もっと食え」
マジェコンヌにナスの二本目を押し込まれ、アルドゥバに二杯目の麻婆豆腐を流し込まれる。
「ん~~~~~~~~!!?辛っ……!!」
「ナスの皮にはポリフェノールがたっぷりだぞ!」
「喜べ、少女。君はこれで一日分のカロリーを摂取出来るのだぞ」
「やめなさい!」
そこで女神化したネプテューヌとネプギア、そして二人に掴まってるプルルート。
守護者化したリオとライ、二人に掴まってるロウロ。
六人が現れた。
「よく来たな女神! 今日こそ貴様たちを葬ってくれる!!」
「お望みなら、いくらでも相手をしてあげるわ! とにかくアイちゃんを放し……ウプッ!」
マジェコンヌの口上に律儀に答えるネプテューヌだったが、突然鼻と口を押さえる。
「お姉ちゃん! 大丈夫?」
「ネプテューヌさん!?」
「ネプテューヌどうし……うっ!?」
すると、リオも鼻と口を押さえだす。
「兄さんまで!?一体どうしたんだ!?」
「だ、大丈夫よ…… ナスの匂いがちょっと……」
「俺もだ……麻婆の匂いがな……」
「フッ、今頃気付いたか」
気分が悪そうなネプテューヌとリオを見て、マジェコンヌはほくそ笑む。
「おまえの弱点を突くために、この農園を買い占めたのだ!」
「そして、リオ。お前のために作った特製麻婆豆腐」
「ここがお前たちの墓場となる!!」
「馬鹿言わないで!いくらナスが嫌いでも、それでやられるわけないでしょ!!」
「麻婆で守護者が倒せるとか思ってるのか!」
いくらなんでもあんまりな作戦に、ネプテューヌとリオは思わずツッコミを入れる。
「それはどうかな? いでよ! 我が紫の僕たちよ!!そして、赤き僕たちよ!」
マジェコンヌはナスと麻婆豆腐をばら撒く。
すると、ナスは手足が生えて落書きのような顔に、胡瓜みたいな槍を持ち、馬のような鳥に跨ったモンスターになり、麻婆豆腐は赤々しい激辛の刺激臭の放つスライムのようなモンスターになる。
それに驚いたネプテューヌとリオは思わず変身が解け、ネプギア一人でネプテューヌとプルルートを、ライは一人でリオとロウロを持ち上げる羽目になった。
だが、一人で二人分の体重を持ち上げることはできず、ライとネプギアは四人を落としてしまう。
「きゃああああああ!!」
「うおおおおおおお!!」
「わあああああああ!!」
「おおおおおおおお!!」
四人は悲鳴を上げ、地面に落下する。
「お姉ちゃん!プルルートさん!」
「兄さん!ロウロさん!」
ライとネプギアは助けに行こうとするが、ナスモンスターに阻まれ、助けに行くことはできなかった。
「ぎゃあああああ!!ナス怖い!」
「麻婆スライムがこっちに!?こっち来んな!」
リオとネプテューヌはナスモンスターと麻婆スライムから逃げ回り、プルルートとロウロはナスモンスターと麻婆スライムに突っつかれていた。
「ねぷ子!リオ!それは、おばさんの魔力でできたモンスターよ!蹴散らしちゃいなさい!」
「またしゃべるか」
「そんなに私の麻婆が食いたいか」
アルドゥバとマジェコンヌは三度目のナスと麻婆豆腐をアイエフに食べさせる。
「ん~~~~~~~!!?」
アイエフは苦しさと辛さに涙を流し始める。
「折角だ!ナスをもっと食わせてやろう!」
「どうだ?私の麻婆豆腐の味は?うまかろう?」
「アイエフさん!」
「くそっ!」
ネプギアとライはナスモンスターを蹴散らし、アイエフを助けようとする。
だが、ナス畑の為、ナスの数は多く、マジェコンヌは次から次へとナスモンスターを召還する。
「ネプギア!」
「ライ!」
弟と妹がピンチと知り、ネプテューヌとリオは覚悟を決め、刀とナイフを抜き、ナスモンスターと麻婆スライムを切り裂く。
「うっ!ナス臭がスプラッシュ……!」
「うおっ!こっちは麻婆臭が……!」
切り裂くとそこからナスと麻婆の匂いが漂い、二人は再び戦闘不能になり逃げ回る。
そんな中、プルルートとロウロは静かにモンスターの攻撃を食らっていた。
すると、プルルートが持っていたネプテューヌのぬいぐるみを持ち上げ、ロウロは足を叩く上げる。
そして、同時に地面に叩き付けた。
とてもぬいぐるみが出すとは思えない轟音が鳴り地面が陥没し、踵落としをしたロウロを中心に、もう一つの陥没ができる。
思わず全員が固まった。
「……なんか~、むかつく~」
「全員……苦しめばいいのにな~」