XCOM異聞録ガチャで世界は救われる   作:塚本萌

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特殊(すぎる)部隊

2015年 1月7日 12時00分 司令官個室

 

Sideタケ

 

いきなり連れて来られて特殊部隊の司令官をやると決まって各部署の主任と顔合わせを済ませて、漸くのランチタイムのお楽しみをと思ってテレビのチャンネルを時計回りに、反時計回りに回してみたが気づいたことがある。

 

 

「北米って12時から3チャンネルで時代劇アワーやってないの!?」

 

なんてこった ぴにゃこらた

まぁ見ている暇はなくても、やはり故郷を遠く離れて北米に一人。

婚約者が恋しけりゃ日本が恋しい。

 

 

 

文香さん、急に連絡取れなくなって心配しているだろうか。

というか本来であれば今頃披露宴の真っ最中なのになぁ。

 

・・・もしこの一件で愛想尽かされて他の男に寝取られたらどうしよう。

寝取られ真っ最中のお昼のジョージの動画が送られてきたら、僕は闇堕ちしてUFO乗り回すぞ。

 

 

一瞬そんな不安が頭をよぎるが、思い返してみれば「そういう事」は一切の心配がない。

第一、あの人との馴れ初めは―

 

「コマンダー。よろしいですか?」

 

机上の小型ディスプレイが副官のブラッドフォードさんを映し出す。

第一印象としては、あの割と強引な創立者さんとは違って、この人はとても実直で熱い人だ。

ここに来る以前の事を聞くと軍人として様々な経験を積んできた所謂「プロ」というものらしい。

僕からすればプロが補佐についてくれるのはとても心強いが、なぜ彼が2番手に甘んじているのだろう?

 

僕の「とりえ」と言えば精々シミュレーションゲーム大好きっ子でオンラインシミュレーションゲーム「ホープ」で割とトップに居たくらいだが・・・。自分でいうのもなんだけどね。

しかし、あのゲームはよくできていたな。

リアルタイム進行でかなりシビアなバランスだったが・・・。

そんなことを思いながらテレビの電源を切り、ディスプレイに向き直る。

 

 

「コマンダーが指揮する隊員達について、幾つか話しておくことがあります。作戦室までご足労願えますか?」

 

本当に上から目線とは程遠い人だなぁ。

国が違えば働く環境も当然違うわけだけど、外国の職場って日本みたいに年功序列制じゃないのかな?

こっち(日本)が世界的に変なのか他所が変なのか。

日本が世界から孤立しているのか世界が孤立しているのか。

うん、なんか訳わかんなくなってきた。

 

そんなちょっと世界を知ったかぶりした人間みたいな考えを放り投げて作戦室に向かう僕。

早足で少し靴を擦りつつも作戦室に着いた。

ドアが開いたときにはブラッドフォードさんは、こちらに向いてくれていた。

 

少しも待ったような素振りではなく、むしろ今まさに僕がやってくるだろうというタイミングが分かっていたかのようだった。

 

「ごめん、待った?」

 

「いえ、今来られると思っていた所です。」

 

なんだか初デートの恋人みたいな感じだな。

さすがにそういう趣味はないけどさ、自然とこういうやり取りにもなるか。

 

 

「それで、僕が指揮するメンバーというのは?」

 

その問いに対し、少し苦笑しつつ

「個性的ですが、腕は確かですよ。こちらへどうぞ。」

 

案内された先は作戦室から出て直ぐの武器庫だった。

そこでは3人の兵士が技術部責任者のシェンおじさんと研究部門責任者のDrバーレンさんにいろいろ注文を付けていた。

 

 

「刀はないのか?」

 

「叩き切る前にエイリアンのプラズマ兵器で液状化するぞ。」

なんておバカな注文を付けている奴がいた。

これにはシェンおじさんも呆れて冷静なツッコミであしらっていた。

 

 

「スモークにエイリアンをも発情させる催淫剤混ぜとけばあいつ等勝手に果てて楽なんじゃないの?」

そんな誰も想像したくない光景をあっさりと素面で言ってのける褐色淫乱ピンク女。

 

「エイリアンの繁殖行為には興味がありますが。そもそもの話 オスとメスが居て性行為による繁殖をするのか、遺伝子操作によるクローニングの可能性もありますね。発情するのかどうかは分かりませんよ」

 

おーい、そこ!バーレンさん!急に食いつくように話題に入ってきて興味を示さないでください!

 

 

「シェンじいさん。古来より相手の射程外から有効打を与えるっていうのはよく分かるが。俺たちが使うのはせいぜい鉛玉だ。お客さんはプラズマ兵器を使っている分、長射程距離からの狙撃合戦にもなると弾が重力で落ちる分、こっちが不利だぜ」

 

「プラズマ兵器とはいえ、威力の減退する距離があるとは思うが・・・。それを身をもって体験して来いとも言えんしな。お前さんたちが倒したエイリアンの武器を鹵獲できれば話も変わってくるが」

 

良かった、このロンゲの兄さんは真面目だ。

他二人がアレだけどこの人が唯一の救いだ・・・。

 

「・・・この人たちを指揮するの?」

 

「あの金髪碧眼のブシドーはジャック。あのナイスバディは楓。唯一の良識人のジョーカー。ジャックは切り込み役のアサルト兵として、楓は戦闘治療や後方支援を担当するサポート兵。ジョーカーはスナイパーをやらせます。」

 

アメリカンなブシドーかぶれのジャック。

ワガママボディなニンフォマニアの楓。

ロンゲの良識人・・・と思いたいジョーカー。

 

「ブラッドフォードさん・・・。」

「はい?なんでしょうか?」

 

 

「この部隊特殊・・・・・すぎない?僕、お腹痛くなってきたよ・・・。」

脂汗を額に浮かべながら訴えてみるもブラッドフォードさんは何も答えてはくれなかった。

ただ、小さく。本当に小さく頷いただけだった。

 

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