XCOM異聞録ガチャで世界は救われる   作:塚本萌

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XCOM出動

Sideタケ

 

腹は括った。

どう泣こうが喚こうがアイナブリッジしようが、あの人たちに指示を出すのに変わりはない。

実際戦闘になると僕がやるのは強襲揚陸艇のビッグスカイからリアルタイムで中継される戦場の様子を見て作戦指示を出すだけ。

引鉄を引くのは「あの3人」

司令官の立場からして現状戦力の3人は必要不可欠なプロの兵士であるし、彼らからしても頭脳である僕が必要。

所謂運命共同体っていうやつだ、どっちかが欠けてもXCOMは成り立たなくなる。

各々が使う装備の特性についても調べておいた。

軍隊の頭脳たる司令官が兵士の武器を把握していないのは流石にまずい。

敵を知り己を知れば百戦危うからずという格言もある。

 

とはいっても「己」の部分はいいとして「敵」の部分は全くと言っていいほど分からない。

唯一確かなのは、我々人類側が鉛玉で戦うのに対してエイリアンはよくわからないビームだのプラズマだのをぶん回しているって事。

それから人間を拉致していることぐらいだ。

しかし分からないのは、何故エイリアンが人間を拉致するかだ。

「捕食」「人体実験」「遺伝子組み換えによるエイリアン化(すなわち戦力化)」「見世物」テクノロジー的に人類を遥かに上回る連中が考えそうなことは「人体実験」あるいは「遺伝子組み換えによる自軍戦力化」といったところか?

後者であれば随分と「いいご趣味」をしているが人体実験となれば・・・。

・・・よーわからん。

何にしても許される行為ではない。

人様の家にいきなりやってきて堂々と盗みを働いているようなもんだ。

今のところ連中はUFOから空挺部隊を出撃させて都市を攻撃する手段を取っているらしい。

こちらも強力な航空戦力が欲しいところだが・・・。

 

思考を巡らせているところ基地内に警報が鳴り響く。

―おでましだ

 

 

 

作戦室に戻ると既に出撃部隊が待機していた。

ブラッドフォードさんが冷静に状況を知らせてくれる。

「場所はニューヨーク市内マンハッタン。敵の規模は少数ですが、街は混乱状態です。」

いきなり市街戦か。

「米軍はどうしていますか?」

 

「市民の避難誘導をしています。奇襲による混乱でまともに応戦できていない状態です」

この状況で応戦していたら責任者を殴っておくところだった。

ここから現場まではビッグスカイの速度であれば10分でもお釣りがくるほどだ。

「出撃部隊は直ちに現場に赴き、敵勢力を一掃してください。各員の健闘を祈ります。」

 

 

2015年 1月8日 11時20分

ニューヨーク市内 マンハッタン

 

Side ジョーカー

 

ビッグスカイの着陸 ハッチ開放と同時に俺たち3人は地面を踏んだ。

まず真っ先にジャックの奴が安全確保のために飛び出し「安全確認、来い」と手で合図をし、楓が胸元のファスナーが閉まらないとか抜かしていたが、そのデカいケツを俺が蹴とばし前に行かせる。

俺は二人から少し離れたハンバーガーショップの宣伝看板を遮蔽物にする。

 

街の状況は確かに混乱しているが、米軍が避難誘導にその動力を全振りしてくれているおかげでスムーズに避難が進んでいる。

これで人混みの中で銃撃戦をする最悪のケースは免れた。

 

米軍からの情報ではメインストリートに敵がうろついているようだ。数は5

それくらいの数であれば安全を確保した地点で構えて戦力を割けば余裕で勝てるはずだが。

これは俺たちを試しているのか?

多国籍連合のXCOMが果たして存在に値する価値があるかどうかの。

 

「ジャックを先頭に周囲を警戒しつつ前進。楓はジャックの傍に。ジョーカーはなるだけ高所に移動し狙撃位置を探してください。」

 

分かっているさカワイコちゃん司令官。

この3人で数に勝る敵に勝つとなれば「いかに先に敵を見つけ奇襲をかける」に限る。

俺はひとまず近場にある銀行の梯子を上り屋上に出る。

ここからならメインストリートは捉えられる。

ジャックたちに「止まれ」の合図を出しメインストリートの偵察をしてみる。

 

どれどれ?

前方道路に小型エイリアン・・・小型プラズマ銃持ち二人。

歩道に一人哨戒

残る二人は・・・3人から離れて奥のラブホの近くか。

なーに見とれているんだか、お前らなら楓と仲良くなれるぜ。

エイリアンの位置を無線で下の二人に伝える。

 

司令官からもモニターできているようだ。

各隊員のヘルメットやアーマーにカメラとバイタルチェック諸々の便利機能が付いた装備があるからな。

 

「ジョーカーはサプレッサーを付けずにホテル前のエイリアン二体を狙撃。音に気付いて散開する敵をジャックと楓で強襲。いけますか?」

 

妥当なところだな。

「OK司令官。ジャック、楓いいな?」

 

二人が肯定したところで俺は即座にラブホ前で盛っているエロリアン二人をスコープに捉える。

 

深呼吸。三つ数える息を吸う。三つ数える息を吐く。

―止める

(狙い撃つぜ・・・!)

放たれた弾丸が二体のエイリアンの頭を同時に貫く。

戦場で悠長に一列に並んでいる方が悪いのさ。

「一発必中。コンニチワ赤ちゃんってか?ラブホだけにさ」

 

Side楓

無線越しにジョーカーのくだらないジョークが聞こえる。

彼ってそういうセンスがあんまりないのよね、ガワはいいのにさ。

脳汁をまき散らしながら倒れる二体のエイリアンと轟く銃声に残りの3体は慌てて散開しようとするも遅い遅い。

すぐさまジャックが道路に居た二体のエイリアンをショットガンで撃ち抜き、胴体に風穴を開けた。

慌てて反応した歩道側のエイリアンが発砲するも既に彼は遮蔽物に身を隠し、エイリアンは完全に我々を見失い「見えない攻撃」を受けている状態。

まるで道に迷った幼子のようにキョロキョロしながら恐る恐る歩き、私から見て奴はこちらに背を向けている状態。

「楓、仕事してくれ」

ジャックから催促の通信。

はぁ、しょうがないわね

やろうと思えばジャックやジョーカーがやってくれるじゃないのよ。

まぁいいか、今の怯えているエイリアンの姿は私にとって

 

「最高に可愛くて無様でいいじゃない!」

背後から急速に接近する私に気付いた時にはもう遅い。

 

スパァンッ!という心地いい音と共に私の脚はエイリアンの側頭部を蹴り飛ばす。

卒倒するエイリアン どうやら今の蹴りで脳が損傷したようだ。

「でも残念、私エイリアンよりも美少年の方が好みなの。」

捨て台詞を吐き、汗で蒸れた胸元を開ける。

 

「それにしても・・・ラブホに興味があるって事は、色仕掛けも通じるんじゃない?」

無線越しから一斉に「ねーよ」と総ツッコミが入った。

 

 

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