「それでは一昨日のテストを返します。今回は小百合先生に変わって三宮幸が授業を受け持ちます。後半から叶(かなえ)さんが授業をしますので頑張ってください。」
と言って幸は俺を見てきた。手伝って欲しい時の目だこれは。
「それではまず!・・・・・・・・・」
こうして俺は全員にテストを配った。
馬鹿よ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ドンマイ。
「祐也先生!」
「はい。それと今日は俺は補佐だから幸に聞いてください。」
「はい。幸先生。」
「はい。どうしましたか?」
「このテストはなんの意味があるんですか?」
「鬼呪術に対する理解度を調べるためです。」
「そもそも鬼呪術ってなんですか?」
「それは開発者の祐也様に聞いてください。」
「わかった。
鬼呪術とは基本は鬼呪装備を持っていないと使えない。
あくまでも基本だぞ。才能のある幸や与一、俺は別だが。
中で鬼を飼っている訳では無い。あくまで才能だ。鬼呪術は主に五つの特性に別れるこれは以前説明しただろ。あれはその人の本質によって変わる。
簡単に言うと回復の特性があるやつは暖かな抱擁力のあるヤツだ。
この五つの特性で蘇生はほぼいない。回復も数がかなり少ない。これは、重要だぞ。幸はメインが回復で鍛錬の成果で攻撃の鬼呪術が使えるようになった。そんな感じで特性と鍛錬しだいでは無限の夢を見せてくれる力だ。だけど注意することがひとつある。鬼呪装備を持って初めて使えるようになった奴は使い過ぎると鬼になるから気をつけろよ。以上だ!」
と言ってから幸の授業を開始した。少しして
「失礼します。祐也様。」
「夢か。遅かったな。」
「すいません。任務で遅れました。」
そう言って夢が教室に入ってきた。
「お姉ちゃん!」と与一が反応する。
「えーと・・・早乙女与一君ですね?」
「そうだよ。お姉ちゃん。」
「初対面だと思うのですが?」
「夢。」
「なんでしょうか?祐也様?」
「何でもグレン曰くお前の弟らしいぞ。」
「そうなのですか?でもあまり関係ありません。私は祐也様の物です。今さら姉弟と言われましても私には祐也様の家族に入れて頂いたため三宮と言う苗字があり祐也様に助けていただいた恩があり、一緒にいたいという欲があります。」
「そうか。ありがとな夢。でも与一の話は放課後に少しだけ聞いてやってくれ。」
「わかりました。」
「与一もそれでいいな。」
「はい。」
「よし。それとシーちゃん。やってよし!」
「了解です!」
そう言ってシノアはバカのテストの解答用紙を取った。
見事な0点だ。
シーちゃんは本領を発揮してその取った解答用紙を他の男子のグループの机の上に置く。
「マジだ!」
「解答なんですべて平仮名だぜ!」
「月鬼ノ組ってエリートしか入れないんじゃないのかよ?」
こうしてバカのバカさかげんがこの教室の全員に伝わったのである。
そして時は放課後になり俺の執務室に与一、夢、俺、シノア、幸となぜかバカと君月がいた。
「祐也君。なんでお姉ちゃんが生きてるの?」
「まず第一の質問が俺に来るのかよ。」
「なら俺も!なんで茜が生きているんだよ。」
「おまえもかよ。それと茜じゃなくて幸だ。間違えるな。茜はここにはいないし与一!お前の姉もいない。二人の目の前にいるのは同じ体を持つ別人だ。お前達の記憶は愚か、見た事もねえよ。」
「ならよ!祐也はこの身体をどこで手に入れた。」
「夢は街の調査中の家の中、幸は富士の樹海の中でシノアと俺の妹と見つけたよ。」
「なんでだよ。茜はあの時死んだはずだろ。」
「お姉ちゃんだって吸血鬼に殺されたはずだよ。」
「幸の方は死んでいたよ。ただ夢の方は仮死状態だよ。」
「幸に使ったのは俺しか使えない蘇生の鬼呪術と俺の血で夢に使ったのは回復の鬼呪術と俺の血と吸血鬼の血を一滴だ。蘇生の鬼呪術の代償として幸の記憶と人格を夢は吸血鬼の血の副作用を無くすために同じく記憶と人格を無くした。そして一年近い時間をかけて人格を染み込ませた。それがこの2人だ。お前達の知っている2人では無いよ。」
「なんで2人を生き返らせたの祐也君?」
「そうだ!祐也!なんでだよ。」
「ならなんでグレンはバカを保護した?なんでグレンは与一を月鬼ノ組の候補の教室に入れた?同じ理由だよ。夢として幸には鬼呪術の才能があった。だから俺が復活させた。俺の実家の名字を与えた。名前を与えた。何かダメなことでもあるか?」
「文句はねえよ。でもよ!俺としてはこんな形で再開したくなかったよ。茜にはよ!」
「僕もお姉ちゃんには会えないと思ってたから嬉しかったんだけどそれでも会いたくなかったかな。」
「そりゃそうだな。夢には俺と同じように二つ名で「姫騎士」って言うのがあり幸には「氷の姫」っていう二つ名があるからな。お前達とはレベルが違う。シーちゃんも本来なら二つ名がついてもおかしくないがな( 笑 )」
「ありますよ。私とみっちゃんの二人合わせて「死神姉妹」ですよ。」
「確かに似合ってるかもな夢。」
「はい。祐也様。シノア様も三葉様も鬼呪装備が鎌ですからお似合いです。」
「私もそう思います。なんか戦い方もそれっぽいからね。」
「今日は幸は機嫌がいいな。口調が砕けてるよ。夢もこの位軽い感じで話してくれてもいいのに。」
「そんなことを言わないでください。」
「あのー。」
「何かな?シーちゃん」
「私をおいて盛り上がらないでください。(。-ˇ.ˇ-。)」
「ごめんごめん。シーちゃんってば不機嫌にならないで。(`・ω・)ノ( ´д`*)なでなで」
「今回は許します。(*´ω`*)」
「ありがとう。それとバカと与一と君月は用が無いなら帰ったら?」
「俺がまだ何も言ってない。」
「君月は何のようなんだよ。」
「俺の妹の未来を治せるか?」
「さあな。ダメでも幸達と同じようにして欲しいってか?」
「そうだ。」
「なら、ハッキリ言うぞ。ムリだ。あの病の間は死なない!嫌・・・死ねない。」
「なんでだよ。」
「あれは病ではないからな。簡単に言うとバカの身体に住んでいるのと同種の物だな。」
「なんだよ。それは!」
「いいからもう帰れ!」
そう言って俺は3人を追い出した。