基本的にこの一誠は転生者が関わった物や者にはかなりドライです。
※注意・死亡キャラアリ
今の所リアスちゃんが何処でどうしてるかを奴等に悟られてないと思う。
追っ手とやらが現れる事も無く、リアスちゃん自身が住み家から一歩も外に出ないというのか主な理由だと俺は考えてる。
とはいえ、やはりリアスちゃんの立場は奪われても純血悪魔だ。
悪魔事情なんてものは、それまで全く関心が無かったから知らなかったけど、どうにも悪魔って種族――それも純血種と言われる形態は戦争ってのをやらかしたせいでその数を大幅に減らしているらしく、どんな背景があるにせよ純血種というだけで地位が高いとの事。
だから奴等は純血種のグレモリー家であるリアスちゃんはまさにその数を少しでも増やす道具としては最適としつこく追ってくる訳で、最初出会った時に無理矢理引っ張り回そうとしてたあの悪魔連中も恐らくリアスちゃんを諦める事無く今もまだ行方を探してるだろう。
それを考えるとやっぱり楽観視は出来ない。
ぶっちゃけ数が減ってるとはいえリアスちゃんを拉致ろうとするのを邪魔するたった一人の人間程度なんぞ奴等からすればまさに蚊を殺すが如く簡単に消しに来るだろう。
まあ、それを分かってても俺は、やっと見付けた仲間であり友達でもあるリアスちゃんを言い分すら聞かず種の存続の為の道具としては使おうとしてるなんて聞いてる時点で降伏するつもりなんて無いし、もしも奴等が俺を殺しに掛かるのであれば、少しでも多くの純血悪魔を道連れにしてやるつもりだ。
悪いけど、あの転生者の不利益になる事なら善悪関係無しにやるつもりだしね。
―――――――と、まあ……こんな風に長々と回想してみた訳ですが……。
「ほんっっっと! 俺って運が無いよなと思うぜ」
『押さえ込もうとしても押さえきれない
――よりにもよってグレモリーの小娘と共に居る場面でコイツ等と出くわしたからな』
俺の気持ちに同意するように鬱陶しそうな声で言うドライグに俺の気分は更に怠くなる。
始まりは数ヵ月間ずっと暗い底穴から一歩も出ないリアスちゃんを見て、不健康だろうと思った俺が連れ出して軽い散歩に出てしまったせいだ。
一緒だから大丈夫だと若干嫌がってたリアスちゃんにちょっとでも陽の光を浴びさせようと、目立つ紅い髪をお団子に縛ってから帽子を深く被らせて外に連れ出したってのに。
周りに気配を配ってたつもりだってのに。
「見付けたぜリアス……それとこの人間風情が……!」
最後の最後で、前に見たリアスちゃんの追っ手その1が殺意全開で女だらけの下僕ってのを引き連れて参上しやがったんだもん……凄い殺気立ちながらさ。
「こそこそとリアスを連れ回しやがって……」
「チッ……」
「ラ、ライザー……!」
「よぉリアスぅ? パッタリと足跡が消えて焦ったが、まさかそこの人間と一緒とはなぁ? 随分と手間をかけさせてくれたもんだぜ、え?」
「っ……!」
カタカタと震えが止められないリアスちゃん曰く、ライザーって悪魔は笑ってるくせにかなり殺気だっている。
どうやら言葉の節々から感じるに、俺に不意打ち食らったのが相当な屈辱らしい……リアスちゃんが受けた屈辱に比べたら屁みたいなもんなのにね。
「さあ帰るぞリアス。
これ以上俺を……なによりサーゼクス様やグレモリー卿を困らせるな。
今なら俺が口添えしてやればまだ罪は軽い……」
「い、イヤ……! 私は帰らない……!」
どう聞いても脅し文句しか取れない言葉を癪に触る笑みを浮かべて言うライザーって奴に、リアスちゃんは俺の服の袖をキュッと強く掴みつつ、青白い顔色で嫌だと拒絶する。
この時点で俺はドライグと相談しながらライザーって奴と、周りに障壁を張ってる下僕って連中共を数ヵ月前とは違って完全に殺そうとその隙を窺う。
「……。何がそんなに嫌なんだリアス? 俺と結婚すれば少なくともキミが犯した失敗における信頼もある程度回復できるし、俺は必ず君を幸せに――」
「う、嘘よ! どうせ純血悪魔の存続の為に私を産む道具にしかしないのでしょう!?」
「おいおい、純血悪魔の数が減ってるんだからそりゃあ子供は作るさ……当たり前だろ?」
ニヤリとするライザーとやらにリアスちゃんはますます震えて俺の背にすがりつくのを受け止めつつ、俺は俺でドライグに連中の実力の査定をさせていた。
「………。(ドライグ何人だ?)」
『10匹以上……しかるに実力はカス。
俺様の力もお前のスキルも使わず素で殺れるな』
その結果、純血悪魔という生まれながらにして強大な力を持つせいでロクな鍛練もしてない有象無象という結論でドライグの査定は完了した。
流石『龍帝』と言うべきか、ドライグもドライグでかつては神ですら手を焼く力を持ってたドラゴンなせいで純血悪魔をカス呼ばわりする辺りに苦笑いを禁じ得ない。
「やはり実力行使しかないか。
なぁリアス……これ以上罪を重ねるといくらサーゼクス様でもお許しにならないだろう。
だからそこでボーッとしてる仲良しこよしをやってる人間を殺してでも君を連れて帰るぞ!」
「ぅ……嫌……! 皆して私を無能呼ばわりするような所に帰りたくなんてない!」
「……。チッ、言っても聞かないか。綾瀬和正に下僕の信頼を取られた事が余程ショックらしいが、たからといってそんな人間にすがって何になる? そんな奴がお前を守れるとは――」
「一誠の傍に居る自由すら奪われるくらいなら死んだ方がマシよ!」
「……………。そうか、こんな人間ごときがリアスに何を吹き込んだかは知らないが、やはり死んで貰うしかないか」
そうこうしてる内に口論は終焉を迎え、埒が開かないと判断でもしたのか、ライザーって奴は周囲に火を出現させながら一気に殺気を剥き出しにし始めた。
どうやら俺を殺してリアスちゃんの心を折るつもりらしいが……。
「殺すね……ふーん……じゃあ全力抵抗だな」
「あ?」
「い、いっせぇ……!」
ボソッと声を出す俺にライザーとやらがヤンキーみたいな顔で反応し、手を握ったまま結局離してくれないリアスちゃんは今にも泣きそうな表情だ。
「大丈夫、奴に来られる前に直ぐ様終わらせるから……俺を信じてくれよリアスちゃん」
「いっせー……」
「はぁ? 俺と殺り合うつもりか人間?
どうやら神器を持っててこの前の不意打ちが成功したせいで自惚れてる様だなおい?」
そんなリアスちゃんを安心させようと出切る限りの笑顔を見せながらその頭を撫でる。
向こうでライザーってのが何かゴチャゴチャ言ってるが、そんなもんはどうでも良い。
「死なない……? 私を独りに――」
「絶対しない……。
へへ、俺は1度死後から生還したんだぜ? 君を守ると息巻いたんだ……しぶとさだけならゴキブリ越えしてるぜ!」
俺は死なない……。こんな奴程度に手こずるつもりも含めて無いもんは無い。
だから大丈夫……と握っていたリアスちゃんの手をそっと離し、さっきからごうごうと暑苦しい炎出してるライザーって奴に視線を戻した俺は――
「悪いとは思わなし罪悪感も無い。
こうして俺達を見られた以上、最速でぶちのめさせて貰う……やるぞドライグ!」
『任せろ一誠……カス共には過ぎた力だがな!』
前回は見せる暇無くぶちのめしたその力を分かりやすく見せ付け、そして驚愕する暇もなくぶちのめす為にドライグと作り上げた『歴代赤龍帝』史上例外中の例外である新システム……!
「その紋章……貴様『赤龍帝』かっ!?」
左腕に相棒を纏った途端、何故かびっくりしてるライザーって奴の声が聞こえ、『あぁ、そういえばこの前は不意打ちしたから俺が何の神器を持ってたのかすら知らなかったんだっけ』と思いつつ、顔付きが変化した敵連中に、サヨウナラという意味を込めて俺とドライグの力を見せつける様に宣言する。
「壊神・赤龍帝モード!」
『Start up! Infinite Boost!!』
俺のスキルとドライグの力のハイブリット。
これが俺だけの赤龍帝としての生き方であり使い方。
無限に進化し続ける異常性と更なる倍加の力を合わせたというだけの、ただ単に身体のリミッターを外して力任せにぶちのめすモードを使って息つく暇無く叩き潰す、オリジナルな破壊目的喧嘩スタイル。
「この
それが俺、兵藤一誠の現・赤龍帝としての戦闘スタイル。
禁手化やその先よりも徹底的に基礎を固め、迅速かつ確実に相手を消す事を目的とした力は、爆音もしないし派手な砂煙も極力抑え、目を見開いて固まって反応が遅れてるライザーって奴の懐に潜り込んだ俺は抜き手を放つ。
「ウォラッ!!」
「ゴハァッ!?」
体内のリミッターを外した状態で繰り出される渾身の力を更に倍加させた拳がライザーって奴のどてっ腹を貫通する。
「な、見え……見えな……!?」
……。これでもう完全に後戻りは出来ないが、後悔なんて最初からない。
そんなバカなと、分かりやすい程分かりやすい顔で自分の腹部を貫いた俺の肘辺りを両手で押さえながら血の塊を吐き出し、俺の顔は真っ赤に染まる。
「意外と悪魔も脆いもんだ」
「ライザー様!?」
「ぐぐ……嘗めるな人間が……!」
どう見ても致命傷。
どう考えても致死量な出血。
けれどライザーって奴は苦痛に顔を歪めながらもどういう訳か笑っており、浴びたくもない奴の血で顔を染めていた俺は片眉を寄せながら腕を引き抜く。
「この程度で殺せると思うなよ……! 俺はフェニックス……不死の血が流れているんだよ!!」
「………」
なるほど、ゴホゴホと血を吐きながらしてやったり顔でわざわざ語ってくれたお陰で、何でそんな顔をしてるのかが分かった。
フェニックス……不死……つまりこいつはどんな致命傷を受けても再生する種族らしく、その証拠に貫通した腹部に炎が集まって傷口を癒そうとしているのが見える。
そっか……不死鳥か……そっか――
そうなんだなぁ……ふ~~~~~~~ん?
「がっっ!?!?」
『!?』
ライザーって奴を覆っていた炎が、突如として傷口を癒す事無く霧散する。
「ごほっ!? ば、ばかな……さ、再生が……できない……!?」
「……え?」
その光景は、ライザーって奴を知る下僕やリアスちゃんの表情を驚愕に染め上げるのに十二分であった様で、止めどなく溢れる血で腹から下が真っ赤になってる本人ですら『ありえない』と倒れ込んだ。
「不死とは恐ろしいよ。人間である俺からすれば怖いよ。
けど……人間ってのも突き詰めればキミ達の足を刈り取るくらいは出来るんだよ?」
「ぐ……ぁ……!?」
「い、いっせー……?」
最初に宣言した筈だ、殺すと決めた以上殺すと。
悪魔だろうが魔王だろうが神だろうが、補正バリバリの転生者だろうが殺すって。
人間風情と舐めきったその穴を突いた……だから今此処に立っているのは俺なのだ。
「リアスちゃんは自由になりたい。だけどその自由すら貴様等が奪うのであれば……」
「ぐげぇ!?」
だから容赦なんてせず……俺は殺す。
血塗れで倒れるフェニックスの身を蹴り飛ばした俺は、自分でも引く程冷静に……そして冷めた気分でゴム毬の様に地面を転がる男の苦痛に歪んだ顔を覗きながら、わざわざ正体を教えてくれた礼のつもりで教えやる。
「ごめんね悪魔のお兄さん?
正直、再生がどんな意味か知らないけど……このモードのコンセプトは『事象や物理を含めた全ての破壊』でね……この状態の俺に傷つけられた無機物含めた全ては『二度とその箇所は破壊されたまま直らない』んだ。
つまり、対不死身生物との
大事な友達を守る為なんて綺麗事も言わない……。
ただ俺の全てを取り戻すために、何やら再生がどうのこうのと血をぶちまけながらひっくり返ってる純血悪魔と、主の姿を見て大きく動揺する下僕悪魔の前で、彼の傷口を踏みつける。
「な、何をバカな……ぐあぁぁぁっ!?!?」
「あ、ごめん。不死身に頼りすぎて高々どてっ腹貫かれた程度でそこまで喚くのを見るに、今まで散々不死身的再生力に頼った生き方をしたんだね……?」
「ギャァァァァァッ!!?!?!?」
補正に対抗する為に編み出した技術の一部をね……。
まあ、喰らった本人は激痛過ぎて聞いちゃいないみたいだけど……。
「き、貴様! ライザー様に!!」
激痛に叫ぶ主を見た下僕達が怒りの形相で俺に攻撃を仕掛けようとする。
まあ、主のピンチだし分からんでもないけど……フッ、リアスちゃんの元下僕は主が辛い目に遇ってたってのに誰も助けなかったんだよな……。
そう思うと……。
「ライザー・フェニックスだっけ? アンタは幸福者だね……。
リアスちゃんはあの男のせいで仲間まで奪われたのに、キミはそうやって慕って貰えてさ。でも大丈夫だよ?」
あの世でも一緒になれるように皆殺してあげる……。
全員が全員この男を慕ってますと分かる殺意を浴びた俺は、一斉に向かってきた下僕女の子達をも……殺す事にした。
兵藤一誠は無限に進化するスキルを持つ他に、混沌とした生を送る上で身に付いてしまった技術があった。
それは見たり聞いたりした『技術』をラーニング……つまり真似っこする事である。
独りで生きる為には様々な知識と技術が必要と知ったからこそ長年掛けて開花させた才能であり、
故にこの特技を会得した一誠は様々な戦闘技術を吸収しており、今回赤龍帝の力と混ぜて使った壊神モードはその一つだった。
「ラ、ライザー……様……」
「ぅ……が……」
「この状態の俺が破壊した全ては二度と戻らない。例え不老不死だろうと何だろうと全てが壊れる。
とある女から聞いた話を自分なりにイメージして作り上げた技術だけど……効果があって良かったよ」
屍の山……。
居るだけで吐きそうになる血の匂いが充満する寂れた公園のど真ん中を飄々とした表情で立つ少年……兵藤一誠は事切れかけるリアスの追っ手を『そこら辺に落ちてる消ゴムの欠片を見る様な目』で見下ろしており、一方的な極殺としか言えない状況を間近で見せられたリアスも、流石にこれで恐怖を覚えてしまった――
「一誠ぇ!」
「おっと!」
……。という訳でも無く、誰のかすら分からない返り血を浴びてる一誠の身に真っ先に飛び込み、汚れるのもお構い無しに胸元に抱き付く。
「引かないの? 一応リアスちゃんの同族をこんなんにしちゃってるんだけど……」
「いい! 一誠が無事ならもう他なんてどうでも良い!」
ライザー・フェニックスとその下僕達の屍に囲まれているというのに、リアスは一誠の言葉に首を横に振ってより強く抱き締める。
同族からも見捨てられ、仲間からも裏切られたリアスにとって残っているのは一誠だけであり、その一誠が自分の為に殺しに手を染めてしまったというのに何故怖がる必要がある。
我が儘に喚く自分をどんな時でも受け止めてくれる一誠を何故拒絶しなければならない。
最早依存という言葉すら生温い強烈な気持ちを一誠に示しているリアスは、自分を無理矢理連れ戻そうとする同族が死んでようが知ったことでは無いのだ。
「帰りましょう一誠……。もう此処に居たくない……」
「……そうだね、奴等に気づかれる前に退散だ」
肉親なんてくだらない。仲間なんて嘘っぱち。
かつての自分としての全てまで己で否定してしまっているリアスは、一誠に横抱きに抱えられながら不愉快だと思うこの空間から共に去る。
決して裏切らない、大好きな少年に抱き抱えられる事に絶大な安心感を感じながら……これからもずっと。
「さぁてと、純血悪魔を殺っちまったし、これで完全に後戻りは不可能だな」
「……。ごめんなさい……私が悪魔なばっかりに」
「んにゃ、遅かれ早かれ悪魔と組んでる転生者を殺すつもりだったからね、敵対時期が早まっただけさ」
住み家に戻った一誠は、浴びた返り血をドラム缶で洗い流し、最早慣れた様子でくっつくリアスと毛布にくるまいながらこれからの事を話していた。
悪魔という勢力への完全な喧嘩売り。
自分が殺った形跡は一応可能な限り消したが、それでも敵対行動をしたのは変わり無いし、リアスの事もあるので自然とこうなるとは分かっていた。
だからこそ悪魔達――牽いては魔王達をどう処理するかを考えなければならない。
ライザーは割りと楽に始末出来たが、流石に魔王相手に余裕だと言える程自信過剰では無い。
「これでDEAD OR ALIVE……だな。確実に殺しにくるぜ」
『小娘の為とはいえ、随分と思いきった事をしたな……』
「言うなよドライグ。別に後悔なんかしてねーさ」
リアスの兄であるサーゼクス・ルシファーは現悪魔の中で最強と言われてる男らしいし、更には積年の恨みの元である転生者までもが控えているのだ。
リアスを守ることもあるので、頭ごなしに単騎特攻は得策ではない等々、自分の胸元辺りに頬をスリスリしながら心地良さそうにしているリアスの綺麗に戻った髪を撫でながら一誠は悩む。
「いっそデカイ敵と戦争して共倒れになっちまえば良いんだけど……そんな都合良くは行かないよな。
あの転生者の補正加護が働いてそうだし……」
何処に行っても付きまとう転生者の影に、一層の復讐心が八つ当たり気味に沸いてくる。
いっそ今すぐにでも殺せば良いのだが、転生者である綾瀬和正は補正だけでは無く、持っている力も理不尽に極悪なもののせいでそう簡単にはいかない。
強いて言うなら、綺麗事をほざいて複数じゃ片付けられない女共とレスリングの試合をしてる事に没頭しててくれてるお陰で自分の生存と偵察がバレてない事くらいだった―――と思いたいという希望的観測くらいだ。
「……。何にせよ暫くはほとぼりが覚めるまでジッとしとくかな……あの転生者ってば、最近は教会のシスターやら下級堕天使の女すら口説いてヤるくらい忙しいみたいだしね」
『女は偽善的な事をほざいて生かし、男の下級堕天使はうもはも無く殺したあの話か……』
「そうそう、あの男の堕天使が気の毒すぎるオチで吐きそうになったアレよ。
まぁだから、痕跡すら残さなければ多分バレない――と思いたいわ」
ロクに鍛練もして無い癖に、鍛練も戦い方は力任せのド素人なのに、持ってる力が強大すぎてその穴を塞いでる転生者こと綾瀬和正が起こした最近の行動を思い返しながら苦々しく思う一誠。
「あ、やべ……思い出したら気持ち悪くなってきた。
何だってどいつもこいつもあんなパーツ間違えた様な顔をした奴が良いのかわかりゃしない」
『それもまた補正とやらのせいだろう』
「何でもかんでもそれに結びつけたくないな」
露骨なまでに女……それも美少女を贔屓して男は容赦なく邪魔だとばかりに殺す姿もそうだが、それを見てても平然と奴を称賛して色目を使う女達にも嫌悪感しかないし、更にいえば次々と女を増やしてるにも関わらず結局はなあなあで済ませてるのも、一誠にとっては意味が分からないし、女達が綾瀬和正を常に持ち上げてる様子が何処か宗教じみてて不気味だった。
「大丈夫一誠……? 怖い顔だけど……」
「ん? あ、大丈夫だよリアスちゃん」
羨ましいという感情は全く沸かない。
年頃となって確かに異性には敏感になってるけど、アレはそんな概念じゃない……只の犬畜生の集まりだと一誠は綾瀬和正とそのシンパ達を見ており、本来はハーレム王になる! という野望を持つ筈だった彼の考えを真逆にしてしまってる要因でもあった。
まぁ、本人に性格をねじ曲げられた自覚は無いしリアスとこうなってる辺りどうなんだ? という話しもあるわけだが、一誠もリアスは平然と多数の女と性行為をする綾瀬和正と、それをなぁなぁと受け入れてるリアスのかつての仲間達含めた大多数の女達より絶対にマシだと思っている。
「ところでさリアスちゃん……?
俺の指なんて吸ってもなんも無いと思うけど……」
「ん……はむ……」
身をこれでもかと寄せ合い、ちょっと困惑しつつも、せがまれるままに自身の人差し指をくわえてるリアスのこの行為を受け入れてるとしても、綾瀬和正達より全然マシだと思いきってる。
「は……ぁ……ちゅ……一誠の味がする……ここもここも……みーんな一誠の……♪」
「っ……!?」
日に日にスキンシップが過激になり、俗称・指ちゅぱから始まり、もぞもぞと一誠の胸元に顔を埋めていたリアスがそのまま首筋に口を付けて舌を這わせて頬を染めたりとかしてたとしても、連中より百億倍マシだと思っているし、頬を染めて何かを欲しがってる様な潤んだ瞳と熱くなった身をピッタリと付けたリアスに、色々とヤバくなってても、他の女相手なら100%平然と『やめろ、離れろ』と言い切れる自信のある一誠は目を泳がせまくる。
「さ、最近その……色々と過激というか、俺を信じてるからやってるんだけど、そろそろ本気で辛いんだけどな?」
小学生にも満たない歳からホームレスをやってたとはいえ、一誠は既に17歳の少年だ。
くっつきながら寝るだけでも刺激が強いというのに、最近は更にその先の誘ってますな行為をしてくるリアスに、そろそろ限界があった。
「す、ストップしてリアスちゃん! 何か分かんないけどマズイから!」
「ん、いやっ!」
いっそパッと離れてしまおうかと思うほど、密着したリアスの肉体の熱を感じてバクバクと喧しく鳴る心臓を落ち着かせようとするも、一誠が思っている以上に、リアスは全てを一誠に委ねてしまっており……。
「!?」
「んっ……!」
明後日の方を見てる一誠の額と額をくっつけ、鼻先までもくっついたその刹那、二人だけの隠れ家に響くくぐもった声……。
それはつまり接吻であり、直接的なリアスからの一誠に対する絶大な依存心と好意であり、合図であった。
「好き……いっせー……!」
「っ……!」
そうなれば極限の精神修行と言い聞かせて我慢していた一誠の理性は楽に壊れ、互いの唇が僅かに離れたその一瞬にリアスが口にした言葉により、一誠はプチンと理性の紐を千切れ……。
「あ、あの……その……い、色々死にそうだから……えと……!」
「うん、私もだから一誠……来て? 初めてだから優しく……してね?」
より強い……離れない関係をこの日結んだという。
終わり
補足
リアスさんが一誠くんと潜伏生活をしてる合間に原作の所でいう旧校舎のディアボロスは終わってます。
ドーナシークやイカレ神父……つまり男性は真っ先に消され、敵含めた主要女性陣は転生者さんの綺麗事によってメロメロとなり生存しました。
え? そこからは当然深夜のレスリング部開催ですよ?
ぷちパーソナルデータ
綾瀬和正
容姿・銀髪オッドアイ……まあ、そんな感じのアレで初見は女に見紛うとかなんとか。
能力・絶対なる加護補正。
本来の主人公の筈だった一誠……とついでにというふざけたノリでその家族が乗ってる車にわざと飛び出し、『事故』に見せ掛けて殺した際、元々特典で得た補正に一誠の持ってた補正を殺すことで奪った絶対なる加護。
具体的には『カッコつければ女の子がメロメロになる』
『ピンチになると都合よく覚醒して敵を倒す』
『塗り固めた人柄にすら補正がかかり、誰からも愛される』
『都合よく美女ないし美少女とお近づきになれる』
等々、単なる力では太刀打ち不可能な補正。
神器・
神転その2
固定された実態はなく、使用者の想像により剣にも銃にも何にでもなる。
その効果はあらゆる種族の弱点となり、あらゆる力を使用者に与える。
間違いなく神滅具カテゴリーなのだが、神転により世界の一部が書き変わり、『伝説の中でも伝説で使用者を見たものは居ない』というレベルのレアの中のレアなので、只の神器扱いとされている。
その2
壊神モード
特技としてラーニング技術を会得した一誠がかつてドライグと一緒に夢の中に出てきた謎の少女から聞いたお伽離しみたいな話から作り上げたオリジナルモード。
簡単な話、この状態の一誠に傷つけられた全てはどう足掻いても『直らない』という……英雄殿のそれである。
別名、対主人公補正モード。
しかしそれでも届かない。
その3
続きは確実にR-18ですねこれは……まあ、誰も期待してないしやりまへん。