ホワイトラン、ドラゴンズリーチの一番立派な客室にケールムは運んで来られた。
体には、無数の武器、それも何れもが伝説級の代物が突き刺さっており、防具は殆どが損壊、左半身には大きな歯型が付いており何れも貫通ギリギリでなんとか形を保っている状態だ、武器も鋸じゃない方は最期ケールムが振ったのが限界だったのか根元からバッキリと折れている。鋸の方もメファーラが喋れないくらいには疲弊している様だ。
幸いなのか、悪運が強いのかは知らないがアルドゥインの持っていた再生能力の一部が傷を塞ごうとしており一時的に出血は止まった。
ミルムルニル、リーシャ、アウラはそれぞれケールムの近くで薬品や薬草、何に使うのか判らないがミルムルニルの肉や血をケールムのアイテムと繋がったポーチから出していた。
「唯の薬草や薬は全然効きませんね・・・私が魔法をちゃんと使えれば!」
『落ち着いてください、まだ主の魂は生きてます、体を治すのも良いですが先ずこの武器を取り除かなければ。』
「そうだね、お菓子が食べられなくなるし冷静に、しかし、魂までボロボロとは〜、何やったんだろね〜?」
それぞれ、武器を引き抜き回復を促す薬や薬草を当て様子を見ながらまた武器を引き抜く其れを繰り返し、なんとか見た目が剣山から、ボロ雑巾に成った。
しかし、一向に目が覚めない、業を煮やしたミルムルニルが自分の肉と血をケールムの塞がっていない傷に押し込み始めた。
「一体何を!?」
『竜の血肉は、死んだ後もその生命力を保持し、取り込んだものに、不死身に近い肉体を!与えると、言います!』
しかし、念動力では上手くいかず、傷の上に生肉が乗っているのを上から叩きつける本、という謎の絵図が出来ているだけだった。
『クッ!こんな事なら人型の体でも作って貰えば良かったですね!』
「手伝います!」
「取り敢えず、ちょっと塊を載せるのやめようか〜?」
三人?がケールムの体にドラゴンの肉を詰めている間ケールムの精神はお馴染みの真っ白空間にいた。
「うーむ、今限りなく死んでる気がするな〜。」
「大丈夫じゃ、まだ体は生きてるし、お主の魂も修復と強化を自身でしておるぞい。」
神様とケールムは並んで現世の様子を見ていた。暫くじっと下を見ているだけだったが神様が話を切り出した。
「新たなデイドラ、いや、邪悪擬きが現れた、後二週間ほどで世界は其奴に征服されてしまうじゃろう。」
「またか!また敵か!」
「いや、今回の件が終わればこの世界はまた安定をとりもどすじゃろう。しかし、人間がデイドラを取り込み現人神として現世で猛威を振るうなど、恐ろしい時代にお主を転生させてしまったのう。」
「どんなのなんですか?能力は?力の規模は?」
「まあ、今、ソリチュード?だったかの、其処で戦闘をしている様じゃから覗いてみるかのう。」
ソリチュードは今未曾有の危機を迎えていた。
とある破壊のデイドラが放った、ドラゴンボーンをベースに自らの権能の一部を植え付け自身がそれに憑依した物が中で暴れていた。
そして、外からは、赤い紅い川の様な狼の様な異形を従え、自身の周りに常に嵐を纏った人影が兵士や市民を斧で切り刻み、叩き割り、その血と肉でまた異形を増やしながら悠々と近づいてきていた。
暫くすると、赤い異形たちが一斉に街へ侵攻し始め瞬く間に街は破壊と紅に包まれた。
『アーハン?イイ能力、そして良い残虐さだぜえ?ダレノカナァ?壊してえなあ、闘いてえな?』
「ここにまた一つ、路傍の石が我が覇道の前に立ち塞がるか!ならば!圧し潰す!」
2体は対峙し、互いに全く意思の疎通など無しに戦闘を開始した!
ウルフリックの攻撃は、自身の纏う嵐を武器や、シャウトに混ぜ込み強化をする事、下僕を生み出し盾や剣、投擲武器や体力回復に使い戦う様だ。
対するデイゴン・イン・ドラゴンボーンは、総てを粉砕、破壊しながら、武器を振るい、その軌跡は空気すら残さず消滅し、空間は裂ける。また、ドラゴンボーンというほぼ人外の人体を二百パーセント以上の勢いで稼働させているためか、身体能力はどれを取っても凄まじいの一言に尽きる。人間としては。
当然、現人神と人外手前の人間など格が違いすぎる、デイゴンの人形は善戦したものの戦闘継続力、攻撃力などどれを取っても格上なウルフリックに翻弄され、デイゴンの意識が身体から抜けると同時に塵も残さず吹き飛んだ。
その戦闘の余波で街は廃墟から更地にメガシンカしあの橋の様な地形諸共崩壊した。
ウルフリックは暫く其処で蹲りそのまま動かなくなった。
どうやら新たにデイゴンの力の一部を手に入れ適応させているらしい。
「いや、やべえじゃん、勝てんのかよアレに?」
「まあ、真正面からはちと厳しいかものう。」
「はあ、死にかけるし、ゴーストはいつの間にか死んでるし、今回は即死武器ないし。こりゃいよいよ自分を改造か?」
戦いを見たケールムはどうやって相手を超えるか考え、神様はさらっと地雷を突っ込む。
「後、お主の体と魂が『セーブロード』の連続使用によって重なったり、一つに統合されたりして半人外から人外にランクアップじゃ!」
「・・・・複雑な気持ちだ・・・。」
「まあ、そろそろ時間じゃ!もう来ない事を祈っておる!」
こうして、ケールムは新たな敵を知らされ自身の体に戻されたのだった。
現世では三日経ち、アルドゥインとの戦闘を合わせるとケールムが倒れて一週間にもなろうとしていた。
「グア〜!痛ってえなあ・・・おう?何だか違和感が?」
ケールムが起きたのは朝の三時、勿論起きている者は居ない。彼が毛布を捲ると、彼の体にがっしりと抱きついて寝ているリーシャがいた。
(あ〜、またいつぞやの様に怒られるのかな?其れは甘んじて受けるとして、もっと、体に変な感じが?)
丁寧にしてあった包帯を取ると、傷はふさがり回復していた、が!
(!?左手から鱗と爪が?鏡、鏡っと・・・・Oh………)
近くにあったポーチから鏡を出して自分の顔をよく見ると、明らかに左眼のマグナスの目が変異しているし、右眼も瞳孔が心なしか縦長になり蛇の様に成っている、髪も異様な程伸びていた。
(ミルムルニル達が俺に突っ込んでたのって、まさか!)
アイテムを確認すると血と肉が半分ほど無くなっていた。
(ドラゴンボーンにして、半分ほどドラゴンになったのか、俺。)
朝日が昇り毛布の中にいたリーシャがもぞもぞと動き始めこちらと目があった。
「お、おはようございます?」
「ふぇ・・・!?」
ケールムが起きて、自分に挨拶しているのだと認識するのに数秒、その後顔色が順々に七色に変わったり、拳を握りしめプルプルする事更に数秒、完璧に起動したリーシャの初めの行動は!
「一体!何してたんですかー!」
「右、ストレート!なぜか防護貫通!?」
豪快なパンチでケールム吹き飛ばしながら怒り泣きしたのだった。
騒ぎは直ぐに広がり1時間リーシャにSEKKYOU☆をされ、ミルムルニルとアウラが起きて更にOHANASHI☆に参加し三時間程正座させられ、部屋を出るとホワイトランの重鎮や首長バルグルーフから盛大なパーティーに誘われ、参加したらもう日が暮れている。
皆が寝静まるとケールム達一行はメファーラのほぼ時の止まった引きこもり部屋に行き今回の敵についての話し合い、そして、装備の更なる強化、製作をする事になった。
とあるウネウネ、
「クッ!儂の!儂の4世紀にわたる努力の結果が!儂の文体の記録媒体まで全部破壊しよって!もう、死のうかな?望みは断たれ・・・・・・。」
其処でハルメアスは唐突に思い出した、ケールムの持って行った自分の触手を、アレに詰め込んだ希望(ショタ画像)を!
「く、くくくく、クハハハハハハ!勝った!第3部完!あの記録さえ有れば!後3世紀はハアハアできる!」
こうして、ケールムの元にもう一体デイドラが居つくことになる。
後、二話位かな?