夕暮れ、ロリクステッド入り口に馬車を停め、焚き火を焚き冷えたエールを煽りながら塩茹でにしたマッドクラブと鹿の串焼きを齧るケールム。衛兵達や村人にも挨拶は済み、リーシャ達女性?陣は馬車の中の異空間で湯浴みやら何やらしている様だ。今は普通の町娘っぽい格好になったデイドラ勢が出てきている。
「グプー!もっと酒をよこすのじゃお!?」
「クフフフフフフフフwww」
「何だかなあ〜、会社の酔い潰れた先輩に似た何かを感じるなぁ。」
二人共というか二柱共に酒に呑まれている様で変なテンションである。ハルメアス・モラの方にいたっては幼女姿なので犯罪臭がするが既に4世紀以上生きているのは確定の邪神様である。
暫く放置して独りで楽しんでいるとメファーラの方の笑い声が止まり、顔が真っ青である。
「グ!」
「え!いや、そこで吐かんといて!」
狙ったかの様に食べ物が載った網の上でモノを吐こうとするので慌てて引き剝がしたり、ハルメアスの方が村のショタを襲いに行こうとするのを止めたりと心休まらないひと時を過ごし夜はさらに更けていった。
現在、ケールム達がやっている旅には道楽以外にもちょっとした目的があり。
「隠れてないでさっさと来いよ?」
「シネエ!」
「凄いパーンチ!」ドーン
「サ・ヨ・ナ・ラ!」爆発四散
今回は軽めの敵だったが、こういう暗殺者が度々くる様になったり、各種ギルドや別の国からの使者なんかも殺到してぶっちゃけ気が休まらないのでもっと人の来ない奥地や秘境に住み着くために場所選びをしているのだ。
『ふあ〜、またですか、凝りませんね〜人間は。』
「本当だぜ、家の方はもう人というか生物が入れない様に設定したから大丈夫だと思うんだが・・・ちょっと心配だな。」
暫くして起きてきたミルムルニル(本)は爆発四散した死体を片付けつつ依頼書を復元する。
『ま〜た帝国のお偉かった人達ですよ。』
「そうか、まあ、いつか消えて貰おう。そんなことよりもう直ぐ出発だ。」
『了解!』
帝国は現在、国土の殆ど(3分の二)と軍隊をけし飛ばされ事実上滅亡してしまっている。だが、少し残った貴族(元の10分の一)が僻地にいた第何だか知らないけれど王女を祭り上げ、何故かケールムを敵視している。裏ではエルフやデイドラ信者まで絡んでドロドロしているらしい。
そういった輩に絡まれない様な秘境目指して今日はびっくりするぐらい強引に吟遊詩人の跳躍を観光してからオールドフロルダンに行くルートである。
「あの〜?ケールムさん、ちょっと見間違いかもしれないですけど、このルートだと山を登って落ちる事になりません?」
出発前、マップでルートの説明をしている時リーシャは震えながら質問した、どう答えられるか大体予想が付いていたから。
「ダイジョーブ!この馬車はサイキョーデスカラ!ちょっと衝撃に耐えられず投げ出されると死ぬだけです。」
「ヴァアア!やっぱり、やっぱりこのルート通りの展開が待ってるんですね!!」
「HAHAHAHAHAHA!」
という事もあったが、今日も元気に出発である。
途中山賊やフォースウォーンという先住民族に襲われつつ、時に車体が直角を超えた坂を登りつつ昼までに吟遊詩人の跳躍についた。
勿論馬は街道までで山を登ったり山賊なんかに突進する時は試作の馬型魔法機械や魔法動力のバイク擬とかを使い、崖から落ちる時は馬車に付けた飛行機能でゆっくりと降りた。
「大丈夫だったろう?」
「馬車はこんな動きしないと思うのじゃが?」
「そうです!もっと常識的な動きをさせてください!普通乗り手が耐えられません!」
色々と突っ込まれつつ吟遊詩人の跳躍付近についた一行、しかし、此処にも山賊やフォースウォーンが住んでおり、大変友好的でない接待を受けた為、観光のための致し方無い説得(物理)によって丁寧に家(ソウルケルン)にお帰り願った。魂は有効活用させていただく・・・クハw
そんなことはさて置き、此処『吟遊詩人の跳躍』は名の通り跳躍する所で、まあ結構死んだらしい。京都の清水寺的なノリなのだろう。
「うお〜、怖〜。」
飛ぶ所は、下のプールの方に突き出た石の柱。勿論紐や安全装置、その他固定など無い!
基本、命を懸けた賭けや度胸試し、古代では奴隷などを飛ばせて金持ちが楽しんでいた様である。
「そう書いて有ったが。ぶっちゃけ此処から跳べるのかって言う話だよ。」
そう言って腰をおり下を覗こうとすると。
「ドーン!」
「マジか!」
ミルムルニルに突き落とされるケールム!
「水は!?クッ、雨水どころか水路がイカれてやがる、水深が浅すぎる!」
魔法を発動させる暇もなく地面と熱いベーゼを交わし、挽肉に変貌した。
しかし、流石人外、吸血鬼人狼ドラゴンなどの伝承通りの再生、復活能力をみせ、挽肉がみるみる内に人型に戻った。
「・・・ぷは!オイィィィ!ミルムルニルさんよぉぉぉぉ!死んだんですが?一落ちしたんですが?何か言い訳は有るか!?」
青筋を立てながら魔法で上昇し、明らかに狼狽えているミルムルニルの頭をアイアンクローで鷲掴みにする。
「アガがが、いや、その悪気は、悪気はなかったで「ああアン?」アダダダダダダッ、すいません出来心で押してしまいました!」
「そうか、ならおめえもだあアアア!「えええええぇぇぇ!?」そリャア!」
狼狽えているミルムルニルをそのまま腕力だけで水のタップリ入れられたプールに投げ捨てる。
「ウアアアアアァァァァ・・・・」ドパアアアン
「ふう、制裁も済んだしクールに、クールに行こう。」
「は、はい!」
(こ、怖かったです。マジヤバです!)
「そ、ソウダネプールタノシミー」
(殺気が!リアル殺気が!!)
「あはははは、まじでこえーんじゃよ、ヒャヒャヒャ!」
(プールとやら楽しみじゃよ〜)
という事でケールムの怒りの恐怖と、飛び込みの期待感も高まりミルムルニル以外は楽しげに紐なしバンジーを楽しんだ。
「ありゃ、アウラは?」
「妖精は、水に入ると溶けるのよ〜。」
「いや、風呂入ってたじゃん。」
「あははははw気分じゃ無いの〜w」
その後、夕方近くまで飛んだり跳ねたりをした後、ケールム以外が力尽きたので馬車に詰め込み街道に戻してから、馬を繋ぎ出発。
結局また吸血鬼や暗殺者、ちょっと統制のとれた山賊に出遭ったが一度にきた為互いに潰し合い残った精鋭がかかって来たものの昼の怒りと理性を感じる高度な技術の合わせ技で残党もあっさりと粉砕、依頼書や珍しい香辛料、野菜や錬金術の素材を漁りオールドフロルダンに到着。
「今晩は、まだ開いてるかな?」
と言いケールムが戸を叩くも返事が無い為内心今日も俺は野宿かなぁと思いつつ馬車に戻ろうとすると。
「キャー!!」
という絹を裂くような女性の叫びと、山賊らしき男たちの怒号、破壊音が聞こえ直ぐさま『ファ○ネル』9機と『棒』を取り出し突入、室内には山賊らしき男たち六人手にしている武器には血が付いている、床には男の客らしき死体二つ、女店主がベッドに乗せられ男が服を破いた所らしい。
ケールムはシャウトで時間を減速させ球による直接攻撃で五人の頭を吹き飛ばし残った四つの内二つで店主に近ずく男を弾き飛ばし、二つで加速し接近、左手の拳で頭蓋骨を粉砕!其処で時は元の速さに。
バシャ!ビキバキ!グシャ!
と、グロい音と共に山賊の死体が六つ出来上がる。
「大丈夫ですかね?」
この惨状を作り出した本人に尋ねられ顔を真っ青にしながら首を縦にふる店主。今日はタダで泊めてくれるそうだ。
話もゆっくり。
どうすりゃいいのか?