いつの間にかデイゴン(女体化済み)に惚れられ実はそれが原因で様々な騒動に巻き込まれている。
が、本人は気づいておらず、しかも今回モラグ・バルの眷属たる吸血鬼と旅をする事になり彼女の機嫌は超斜め、むしろ垂直、さあ!彼の明日は如何に!
通常の馬車なら一週間近くかかる道程だろうが我が最強の馬車は馬を換装することで音よりも速くなり、俺が刀を振って空間を切れば光と同程度の速度で動ける。
「と言うわけで…いでよ!『アルヴァク』!風のように!」
「「「!?」」」
「か、カッコいい!」
「召喚魔法?ですわね?馬なんていたかしら?」
アルヴァクとは紫炎を纏い灰と金属を混ぜたような独特の色と鈍い輝きを持つ骨格持つ肉体を捨てた最速のUMAである。その速度を身を以て体験したミルムルニルやリーシャは顔を引きつらせ、厨二病気味な田中は驚きつつもそのおもいのほか格好良い姿に感嘆し、セラーナはケールム使った魔法について考察している。
「ミルムルニル!」
『うわぁ!?』
さらにケールムはミルムルニルを魔本状態にし様々な強化を重ね、最後にマグナスの目介してアルヴァクにマジカを供給それをスタミナに変換させ、馬車につなぐ。
「じゃあ、行こうか?」ニコッ
「じゃあ隣いいですか?」
田中がそれを言う前にセラーナさんを連れて女子勢は荷台に入ってしまったので田中は何か不穏なものを感じながらも隣に座ったのであった。そしてケールムがニヤリとしUMAが嗎をあげて駆け出した瞬間に死を覚悟するのであった。
ダイジョーブデース!安全運転デスカラ!
「あ、アアアアハハハハハハ!地面ってステキだな〜アハハハ!」
「た、タナカ、どうしたと言うのタナカ!」
停止した時転がるようにして地面に抱きつきうわ言のように地面を褒め称え始めた田中は悪くない、むしろ超高速の馬車で山を垂直に登ったり軽く空を飛んだりする方がオカシイ、シートベルトや安全装置などない為馬車から体は浮くし、風は直で当たってくるしの全く安全性を考慮されていないジェットコースターを楽しんだ田中は暫く正気を取り戻せなかったと言う。
「よーしお手!です。」
「わふ!」
「ワシもワシもー」
「がうw」
「イッタイテガー!」
田中が正気の戻りドーンガード砦内にセラーナさんを伴って入って行ったので馬車をそのままにミルムルニルに番をしてもらう、いつの間にかリーシャが少し大きめの狼を手懐けていたが連れていくつもりなのだろうか?俺はそこら辺の錬金素材や木材、木の実や肉などを採集した。
「おっと、逃さんぞ?」
今は川で普通に魚を掴み取りして居る。小さいのは錬金素材、大きいのは食用、更に川の近くや河口付近の地面には偶に水晶やらなんやらの希少物資やあまり大声では言えないが人骨、指輪などの装飾品が落ちて居るのでそれも残さず、こう行った地道な作業や採集が最終的な装備や武器の性能に関わるのだ!
「・・・ん、きたな。マグナスの目起動、出力30、多機能ビット1から4番を展開、来いメファーラ。」
【仰せのままにしようじゃないか、我が契約者様?】
「・・・キャラじゃないな、今回も宜しくね。」
【・・・最後まで格好良く決めましょうよ!せっっかくノッてあげたのに!】
素早く武装を展開、竜革のコートにもマジカを通し高速でのマジカ運用も完璧だ。ワンテンポ遅れて周囲の影が揺らぎ月明かりが反射して光る目が10個現れる。五人かな?
「『ライトニングテンペスト』ォ!『薙ぎ払え』!」
「「「「「!?」」」」」
取りあえず周囲を含めてビットを高速回転させながらの極大魔法を放っての破壊である。大丈夫だ。木は生える。
「1、2…ふむ、二人絶命、二人負傷、一人が跳ねて回避か。」
しかし跳ねて回避した歴戦を経てきた吸血鬼はやはりと言うか相手を人間だと侮る。大きく飛翔した勢いで上からの奇襲をかける。
「ヴァカめ!死ねえぇぇぇぇぇあ?」
だが残念なことに彼は人間離れを通り越して人間で無くなってしまった者だ。月を背負いながら四分割され更に蒼炎で燃やし尽くされた吸血鬼は何も理解できずに死んだ。
「残念、残りは負傷兵か。」
【グゴゴゴ、全くの自然体から振った動作すらなく斬撃を飛ばすなし!折れるし!マジ折れんぞコラ!】
「はは、スマンスマン。」
『死体探知』と自身の中にある吸血鬼の因子を目と鼻に集めた状態で敵の位置を探る。原子分解されて塵となった死骸が探知を邪魔して居る。仕方がない様なそぶりで眼帯を取りマジカと大気の乱れを視る。
「ふむ、短命を嘆き吸血鬼となったか…しかしてそれで搾取をしないと言うわけでもないわけだ。」
「!?」
一昔前の貴族らしい服装をした吸血鬼はいつの間にか隣にいるケールムに恐怖した。しかし彼の半身は焼け焦げ吹き飛んでいる。幾ら再生力にすぐれようとトロールの様に焼かれればそれは癒え難い傷となる。
「情けはない、ほれ、ハイクを詠めカイシャクしてやる。」
「この…バケモノが!」
「ふむ、では死ね。」
ドシャ!憐れ吸血鬼の首は鋸刀の身を轢く様な形状を十全に受け止めその表情は苦悶に満ちていた。
【デイドラにハマる典型的な人とは権力者です。貴方もいずれ・・・無さそうですねw】
首を飛ばされその身を焼き尽くされ魂に恐怖を刻まれ即死!ほぼ同時にビットが治癒魔法を込めたマジカの矢を瀕死の吸血鬼に打ち込み死亡!襲撃者は為すすべもなくケールムに吹き飛ばされたのであった。
「あーあー、少しネタが過ぎたかな?」
【いいんじゃないですか?真面目に戦えば出オチですし、おすし。】
鋸刀は血を喰らい尽くしその刀身には一点の汚れも見当たらなかった。
『主人殿、敵、吸血鬼集団6人の襲撃を受けましたが半数をハルメアスが食べてしまいました。あ、序でにリーシャさんが狼を手懐けて乗りながら戦っていましたよ?』
「・・・それなんてもの◯け姫?」
【ダメだ!ケールム!ジ◯リはダメだ!】
襲撃は受けているだろうと思っていたがまさかそんな事になっているとは・・・くそうちょっと見たかったぞ!
「わかった、今帰る。」
『分かりました周囲の警戒を高めます。』
手頃な魚を数匹を木の枝で吊るし背負う、こうでもしないと人に『アイテム』とその効果を見られてしまうが故の行動であり、今までもやっていたので周囲への警戒は完璧だった。
「っ!?」
【にゃ?どうしました?】
一瞬視線を感じたケールムは周囲をもう一度確認するが何もない、メファーラに「何でもない」と言って馬車へ向かうのだった。
暫くして木陰が揺れると真っ赤な燃えるような髪を腰まで伸ばした暴虐の化身メイルエーンズデイゴンが息を荒くしながら飛び出てきた。いや、正確にはその分体だが。
「うふ、うふふ…流石旦那様♡次元の真相に潜って見ていてもこちらを見つけそうになるなんて・・・それになんて残忍な残酷な殺し方なの!素敵!」
愛とは恐ろしいもので気紛れに造った末端である分体がまるでデイゴンそのものであるかの様な暴走をする。それはデイゴン本体の望みではなく、あくまで女性を依り代に顕現した副作用であり、デイゴンの本体は『男とか無理だから!ヤメろぉぉぉぉ!』と叫びながら彼の領界を暴れまわる姿を貴腐神なデイドラが目撃していた。数日後彼は権能を回収しないままに『と、取りあえず混沌は産みそうだけど俺が耐えられないのでカット!』と言って投げ出しさながらハル子の様に自立してしまうのは最早必然だった。