現在、セラーナと田中を仲間に加えたケールムたちは一路ウィンターホールド大学を目指していた。理由は簡単、星霜の書の情報を求めてである。現在はドーンガード砦に保護されている聖蚕の僧侶デキソンはこのスカイリムの地にある星霜の書の回収にきた一団の一人であり曰くセラーナの持つものとは別の星霜の書を求めやってきたらしい、となれば星霜の書を奪う為暗躍する吸血鬼の集団に渡すわけにもいかないわけだ。ドーンガードは未だ復活して間も無い組織のため全力を注いで捜索に向かうこともできず、末端である田中の原作知識からの情報を頼りに違和感がない様に弁舌を図った結果田中とセラーナそして外部協力者であるケールムたちはその捜索隊に組み込まれることとなった。
「・・・・ハル子?お前一応ハルメアスの分体だよな?」
今回訪れる場所には彼女のアーティファクトの一つ『オグマ・インフィニウム』が封印されておりそこにいる研究者は彼女に精神汚染されており今回確実に接触してくるだろうと睨んでいる。そういう意味でハル子に話しかけるケールム
「あー、そういえばあったのう、なんじゃっけな確か儂の知識を記した書であったかの?」
しかしハル子は自身と接触するかもしれないということよりそこに収められているブツに関しての警戒をしていた。
【イヤイヤ、貴方分体なんだから本体に吸収されたりしちゃうんじゃないんですかー?】
「それは無い・・・と言いたいんじゃが確実性を増すなら儂も核を触手からお主の様なアーティファクトにするべきかの?まあ、肉体は確実に残るぞ?あまりにも現世に馴染んでしまって次元間の転移がしにくくなっておるからな。ただ権能は返却を余儀なくされるかもじゃが…ま、大丈夫じゃろ!」
「えー本当にゴザルか〜?」
無駄に自信満々な姿を見てケールムは似非ざむらい的なセリフを言うが知識と運命の邪神の権能をカケラでも保有している彼女がそう言うならまあ大丈夫だろう・・・と言いたい所だが一応セーブして置くことにする。
キュピーン!(ニュータイプ的な唐突かつ天才的な閃きの音)
「・・・!ハル子、運転よろしく、今素晴らしいモノを思い付いたぞ!」
「ヴェ!?」
ケールムはセーブを発動した直後唐突に天啓が降りてきたので工作をする事にした。手綱を幼女姿のハル子に渡し幌の中の異空間に入る、まあ製作者がケールムなのでこっそりと個人用の秘密スペースが設けられており、今回はこっそりと揺らぎを検知されない様にそこに入り早速アイテム内の素材を出していく、この空間には鍛治道具や設備、錬金術設備、付呪設備など様々な生産素材、うごめく触手やニルンルート培養装置試作機、その他怪しげな物資が所狭しと置かれている。所謂趣味の部屋という奴である。
「うーむ、今回は必要なものの殆どがないな、何しろドワーフの遺跡行ったことないし、ドワーフ金属製のフレームやらセンチュリオンとかの素体もない、だが俺にはドラゴンの骨と鱗、気まぐれに抉った心臓そして何よりそれらを加工する技術がある訳だ。ふ、はははははは!はははは!」
一方幌の中の空間では暇を持て余した田中がケールムの作ってあったトランプを発見したことを発端とするババ抜き大会が行われていた。
「・・・田中、早く引くのです。」
「ふむ、揃った。次だ。」
セラーナは負けず嫌いの気があるらしく少々興奮気味だが三回やったゲーム内で3回ともドベという記録的な運の悪さと表情のわかりやすさを誇り、今回からチーム戦という謎ルールが追加されたために相方となった田中がカードを揃えるのを呪い殺しそうな目で見ている。
「フフーン!私だね!ちぇ〜ハズレかー、」
実は周囲の空気から全てが丸見えであるアウラは本気を出さず適当にやっているが何故か常に一位である。別にやろうと思えば見れるだけなのでやっていないのだが妖精の勘が冴え渡っているのか何故か良く勝つ、今回はそろわなかったようだが恐らく勝つだろう。
「ン?リーシャどうしたの〜?」
アウラが苦労してカードをリーシャの方へ突き出すがさっぱり引かないリーシャを不審に思い声をかける。
「ハッ!いえ、ケールムさんがまた良からぬことを企んでいる様な気がしました…が、今は御者をしている筈ですので多分大丈夫かなぁ、と。」
何故かケールムの事に対して異様な勘を発揮する彼女が不穏なことを言うが大概戦力強化になるのでなんとも言えないアウラはそのまま黙殺することとした。
「・・・まぁいいや早く引いて〜」
「そうですね!」
リーシャはまだ知らない、ケールムはブレーキ役がいないととことんやってしまう趣味の人なのだと、ある種の馬鹿なのであると!
「いやー楽じゃのう〜・・・マジでどうしようかのう。」
「うふふふあの人が触っていた手綱・・・ウヘェ♡」
ケールムに手綱を渡されて数分後ハル子は手綱を見覚えがあるというかもはやトラウマそのものとかしている知り合い『メイルエーンズ・デイゴン』に渡していた。というか渡さざるおえなかった…流石にもう一度壊されると色々とキツイので。
しかし自身の保身を考えるよりも先に彼女が思った事は
(ウワァ、頭の中までスイートロールが詰まってやがりゼェ?コイツハァ。)
「うふふふふ、ウヒ♡」
ケールムが座っていた場所に座っているだけでかの暴虐の王がだらしのない表情でだらしのない笑い声を上げているのだ。無理もない。しかもさらに恐ろしいのが決してケールムに直接顔を合わせようとせず延々とストーキングしてきたその隠密性と執念と変態的な愛だった。
(確かケールムはオブリビオン次元やそれこそデイドラなんて物が近くにいれば視えない筈がないのじゃ、というか今こいつ次元の揺らぎをほとんど検知出来なかったんじゃが!?)
「ペロペロ、hshs、にへぇ」
(ていうかコイツ誰だよ!見たこたねぇよ!)
残念な事にこのカオスなそして精神負担の高い空間はウィンターホールドの近くでケールムが少し焦げた状態で出てくるまで続き、デイゴンもケールムが出てくる前に正に霞の様に消え去ったのであった。
「うふふふふ…絶対に言うんじゃねえぞ?また言ったらお前を殺して俺も死ぬから。」
「アッハイ。」