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不出来な作品ですが、お付き合いいただけると嬉しいですm(_ _)m
「なんでお前いるんだよ……」
「今日は小町ちゃんと一緒に春休みの課題してたんですよー」
一色いろは。俺が卒業した総武高校の生徒会長だ。一色は高二の時に今度は自ら生徒会長に立候補し、当選した。前は何かあるたびにすぐに俺を頼ってきて、振り回したこいつだが、俺たちが奉仕部を引退したあたりからそんなことも無くなった。一色も成長したのだろう。そのことは卒業式の在校生代表挨拶で伺えた。立派な挨拶だった。一色のことは、初めて生徒会長になったときからけっこう近くで見てきただけに、彼女の成長はなんだか感慨深いものがある……。
そういえば、小町が生徒会に入ってから仲良くなったらしく、家にもけっこう遊びに来てたな……。ついでにうちの親とも仲良くなってた……。でも急に来なくなったんだよなぁ。それも確か俺たちが奉仕部を引退したあたりからだった気がする。
てか……
「お前ら学校明後日からだろ?まだ課題終わってなかったのかよ……」
「だって入学式の準備とかで生徒会忙しかったんですもん!それに今日で終わったのでいいんですー。ね、小町ちゃん?」
「ですよねー!そ・れ・に!いろは先輩夕飯作ってくれたんだから、そんなこと言わないのー!」
テーブルには食事が並べられていた。確かにいつも小町が作ってるものとは少し違う感じがする。
「これ、お前が作ったの?」
「小町ちゃんと一緒にですけどね〜」
キャピッと一色が言う。相変わらずあざといな……。
「さささっ!食べちゃいましょ!せっかくのご飯が冷めちゃいます!ほらお兄ちゃんもいろは先輩も座って座ってー!」
小町に席を勧められて俺と一色は席に着く。……肉じゃがってチョイスがこれまたあざとい。
「そういえばー先輩ってもう先輩じゃないんですよねー」
「どういう意味だよ……」
食事をしながらずっと小町と楽しそうに会話してた一色が急に俺に話を振ってきた。そのまま小町と話してくれててよかったのに…
「だってー。先輩もう私と同学年じゃないですかー」
「あーそゆことね」
浪人生と高校三年生を同学年というなら一色の言うことは正しい。でもそういうのかな?なんか違う気もする。
「あ、そういうことならお兄ちゃんもう一回浪人すれば小町と同学年だね!」
「縁起でもねぇこと言うなよ……」
もう一回浪人とか絶対嫌だからね……。……ふむ、でも小町と同学年か……。悪くない。一緒に楽しいキャンパスライフとか送ってみたい……。ヤバイ!このままじゃ二浪しちゃう!
「じゃあこれから先輩のことなんて呼びましょうかね?」
「どうでもいい……」
「うーん……、じゃあヒッキーとか!」
「やっぱ今まで通り先輩でお願いします」
なんでそこでそうなるんだよ……。
「ごちそうさん」
「お粗末様です。先輩どうでしたか?」
「あぁ。普通にうまかったよ」
一色が料理できるのは前から知ってるし別に驚くことは何もない。ただ、一色はいまの俺の回答に満足しなかったらしい。
「なんか感想が微妙なんですけど……」
「いやだからうまかったって。普通にうまいってかなりの褒め言葉だぞ?」
実際料理普通に美味しく作れる人って案外多くないしな。
「そうですか……。ならよかったです!」
……その笑顔は反則だろ。不覚にも可愛いと思っちまった。
「いろは先輩あとは任せてもらって大丈夫ですよ!それにそろそろ帰らないとまずくないですか?」
「あ!やばっ!」
気づけば時間は20時半を過ぎていた。たしかにそろそろ帰らないとまずいだろう。
「じゃあお兄ちゃん!いろは先輩のこと送ってあげて!」
「あぁ。わかったよ」
さすがにこんな時間に一人で帰らせるのは心配だしな。……って
「なんでお前らそんな驚いた顔してんだよ」
「いえ、先輩が素直にそんなこと言うなんて珍しいなって……」
「うんうん」
失礼な奴らだな……。
「嫌なら送らないぞ」
「あ!そんなことないですー!お願いします!」
「ん。じゃ、ちょっと行ってくるわ」
「うん!気をつけてね!いろは先輩さようなら!」
「小町ちゃんまたねっ!」
小町に見送られながら俺と一色は家を後にした。
第3話お読みいただきありがとうございます!
初めての会話が多い回だったのでキャラが不自然じゃないかとかかなり心配ですw文におかしいところがないかもかなり心配w
では、第4話でお会いしましょう。