いよいよ幕間だー。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
第九十話 一ヶ月経過
ヒエンside
「98………99………100と」
いつもの筋トレメニューの最後、腕立て伏せ百回を終わらせる。
そしてベンチに置いてあるスポーツドリンクを飲む。
「ゴクゴクゴク……………っぷは~」
俺はいつもの高台にて日課となっている朝練を行っていた。
早いもので、あのなのはとフェイトとのお別れから約一ヶ月の時が過ぎた。今は7月1日で夏に入ったところだ。
あれから色々なことがあった。
まずは裁判に関してだ。
あの事件……俺となのはが関わることとなったジュエルシードを巡る事件……今は『PT事件』(プレシア・テスタロッサ事件から名付けられた)と呼ばれているのだが、その裁判が6月から本格的に始まることとなった。ただしフェイトとプレシアの裁判は別々でされることになったが。
そしてこの事件の容疑者兼、最重要参考人であるプレシアはキッチリ裁判で証言している。罪を最初から認めていることもあって、反省の余地ありと見られており、裁判官からの心象もあまり悪くはないそうだ。フェイトは元から素直であり、投げ掛けられる質問にもしっかりと答えているため心象は全く問題ない。
しかし相手側の罪を立証する検察側が嫌らしいのか、クローン技術で生み出された人造魔導師としてフェイトを実刑判決で……そして次元震を起こそうとした罪でプレシアの死刑を求刑しているそうだ……
だがそこは弁護側……フェイトのことは一貫して無罪を主張し、プレシアに至っては罪を少しでも軽くするため、クロノ達が過去の事件の証拠を必死に集めたり、リニスやアリシアなどの証言から今回の犯罪に至った経緯、そしてプレシア自身の証言から過去に携わった実験や、娘アリシアが過去に合ってしまった事故についての言及が行われた。
その影響か過去にアリシアを襲った事故……次元航行エネルギー駆動炉(くどうろ)『ヒュドラ』試用運転の際の事故の裁判も見直されることとなった。
その結果、プレシアが過去に所属していた民間エネルギー企業『アレクトロ社』に時空管理局から捜索・差押え許可状が発行され、管理局員による再捜査が入った。
すると怪しげなデータや書類が次から次へと出るわ出るわ。
そしてそれらの
実を言うとこの『アレクトロ社』、プレシアとの裁判後も、よく似た事案をいくつか起こしておりヒュドラ実験の事故の書類データの他にも……隠蔽されたような書類の改竄(かいざん)データが残っていたのだ。
その結果、現在の『アレクトロ社』の幹部は軒並み逮捕されることとなる。他にも彼らの証言から関わったとされる人物はまだまだいるため、逮捕者はさらに増えることになるだろうとのことだ。
さらにさらに……
今回フェイトやプレシアを有罪にしようとした検察官は過去にヒュドラの事故の裁判でプレシアを有罪にした検察官だったそうで………『アレクトロ社』の幹部から賄賂金をもらっていたようなのだ。つまり検察官もグルになり、お金ほしさでそれらの証拠を隠蔽したのだ。それが露見してしまい、検察官も逮捕されたそうな。
俺はそれらのことを聞いたときこう思った。
アレクトロ社と検察官ザマァ(゜▽゜*)
次はフェイト、アリシアの金髪幼女姉妹に関してだ。
彼女達の母親プレシア・テスタロッサは、事件の最重要参考人であるため拘束中であり、さすがに娘と言えど簡単には会えないらしい。
加えてフェイトも裁判中のため身動きはとれない。だが二人はまだ幼いし、未成年ということもあって保護責任者がつくことになった。
いくら裁判中といえど、保護責任者の下で何も問題を起こさなければ、普通に不自由なく過ごせるのだ。
そしてその保護責任者を名乗り出たのが、俺達がお世話になったアースラ提督兼艦長のリンディさんであった。
俺としてはまあ
俺がいるこの世界は……
実はこのフェイトの保護責任者になる人物はテレビ版と映画版では
映画版ではこの世界と同じ通り、リンディさんがフェイトの保護責任者となっているが、アニメ版では
実はこのギル・グレアムという人物が意外と曲者なのだが……それはまた追々説明するとしよう。
そして話に戻るが、リンディさんのもとでフェイトとアリシア、そしてフェイトの使い魔であるアルフ達三人は、アースラの居住区で元気よく過ごしているそうだ。
ちなみにこれらのことは元プレシアの使い魔、今は俺の使い魔であるリニスからの連絡で知った。ちなみに三人のお世話役であるリニスも元気よく過ごしている。仲が良いことでよきかなよきかな。
次は俺達、地球組のことを話そうか。
我らが主人公なのはは、あのお別れの日から元気よく過ごしている。フェイトと交換した黒いリボンを毎日つけ、日々楽しそうである。
そうそう。
なのはとフェイトはあの事件以来、ビデオメールのやり取りを行っている。
クロノ曰く、『裁判を受けている人物と管理外世界の人間の直接面会や、リアルタイムの通信は禁止されているが手紙や文章での通信は禁じられていない。録画した映像をビデオとして送るのは映像記録の技術が現地の技術基準に基づいていれば違法性はない』とのことだ。
すでにお互いに2通やりあっているそうだ。
1通目は、なのはの家族や友達をフェイトに紹介し、2通目からはお互いの趣味や、特技などの紹介を行ったようで。
そしてそれとは別にフェイト達から個人的になのはとユーノ、そして俺用のビデオメールが送られてきている。何気に俺にも来ているというのがビックリである。
ちなみに友人紹介という名目で俺もビデオメールデビューを果たしている。
そこで俺の一発芸として若本さんでなのは、アリサ、すずかの物真似をしたのだが三人から袋叩きにされてしまった。そして三人からの公開説教という名の罰ゲームが行使されてしまったのだ。なんでビデオメールでも正座せねばならないのか(゜-゜)
なのはは例のごとく目のハイライトを消しながら淡々と説教するし、アリサはアリサでくぎゅ~ボイスでくねくね身体を動かしながら爆発的にキレるし、すずかはすずかで目の笑っていない笑顔で無言の威圧をかましてくるし。
あやつら三人はユーモアというものがまるで分かっていない。昨今の若者がキレやすいというのは中々当たっているかもしれない。
そのお返しというわけではないが、個人的なフェイト達のビデオメールのお返しに、『なのは、アリサ、すずかの恥ずかし思い出特集』なる名目で三人が友達になった経緯、三人のケンカエピソード、三人の家族がそれぞれの我が子についてのことを語る個別インタビュー、そして三人のやらかした黒歴史を物語形式にしてDVDにまとめたものをフェイト達へと送った。
ちなみに立案・脚色は俺、編集は相棒である。三人にバレないようになおかつ情報を集めるのはなかなか骨が折れた。
ちなみに彼女達のご家族達にも観賞会を開き、確認してもらい、既に許可は頂いている。
そのおかげかアリサのご両親、すずかのご両親、ファリン、ノエル、忍さん、鮫島さん他執事メイドの皆さんともかなり仲良くなった。なのはのご家族とは元々仲が良いので問題ない。
フハハハハハハ。
俺を敵に回したことを後悔するんだなあ三人とも!!!!!!!!!!ヾ(@゜▽゜@)ノ
ちなみに他の面々からバレたらひどい目に合うぞ?との同情の声をいただいたがこう返しておいた。
バレなきゃ問題ない!!
あとそれぞれの家族に告げ口されないようにDVDを複製し、記念品として贈呈した。
という訳で話に戻ろうか。
ユーノはなのはの魔法の先生として元気よく過ごしている。なのはもなのはで、日に日に成長している。最近では、レイジングハートを起動せずに魔法を発動させることに重点を置いているようだ。
ちなみに俺というと、あれからいろいろ大変だった。
6月1日に久しぶりに学校にいって懐かしきクラスメート達と楽しく話していたのだが、ある一言で俺は凍ってしまった。
『そういえば中間テスト終わったけど、大空はどうするんだ?』と。
そのとき俺の聴覚が一瞬だが消えた。感覚が一瞬消えてしまった。
そして冷静になって分かった。分かってしまった。中間テストが終わっていた。そう。
そのことを聞いたとき、俺の脳内に留年という言葉がよぎったが、そこは救済措置として学校側が俺に一週間の勉強期間を与えてくれることになったのだ。
そこからは大変だった。
周りの人に多大な迷惑をかけてしまった。
担任の先生が朝早くから放課後まで個別に授業をしてくれたり、他にも友人である美由希さん、亜衣さん、美羽さんが勉強会を開いてくれたのだ。
周りが良い人達だったので普通に涙がでそうになった。
でも一ヶ月の範囲を一週間でやらなければならなくなった俺は毎日てんやわんやであった。それこそ毎日徹夜で勉強した。死ぬ気モードになって勉強した。眠気がでてきても『調和』の能力でなくし、補助魔法の一つである読書魔法をフルに活用し、マルチタスクを駆使してテスト範囲を必死に覚えた。
なんか能力の無駄遣いな気もするが、こう思って気にしないことにした……ここで使わずしていつ使う!!Σヽ(゚∀゚;)
さすがにこの期間中は魔法の練習や、バイトはやる余裕がなかった。
そして一週間後……
周りの協力もあってなんとか全部のテストを7~8割で切り抜けることができた。
俺がんばった。
チョーがんばった。
というわけで翠屋にて、友人の三人に好きなものをなんでも奢るという名目でお礼をした。お世話になった先生には後日お土産を渡した。
だが予想外にもそこになのは、アリサ、すずかの三人と鉢合わせたのだが。
三人と仲の良い美由希さんはともかく、初対面の亜衣さん、美羽さんはキョトンとしていた。同じく小学生組もキョトンとしていた。
とりあえず俺と美由希さんが互いに紹介させるとそこはさすが女子なのか……十分足らずですぐに仲良くなってしまった。
途中で女子会となってしまい、気まずくなった俺はカウンター席へと代え士郎さん、恭也君と話していた。
そして二人と話していると、いつの間にか美由希さんと俺を試合させようぜという話になっていた。
え?
ちょっと待って?
どういうこと?
理由を聞くと、なのはが二人に俺を鍛えてあげてほしいとお願いしたそうで……その関係で俺がリニスから鍛えられているという話もでてきたそうで……そしてなのはがさらに「ヒエン君は強いよ!」と主張したそうで……それならまずは美由希さんと腕試しに練習試合させようぜという話になったらしい。
俺は二人にお願いした。
「時間を下さい!!」と。
そこから二人に頼んでなんとか三週間、時間をもらった。
曰く、感覚を取り戻す時間を下さいと。
今、美由希さんと真っ正面から戦ったところで、鈍った体で勝てるほど甘くない。
そこから三週間……
俺は今度は身体を鍛えるために奔走することになった。
まぁ、俺の日常生活はこんな感じである。
ちなみに今日がその三週間後となる。
そしてさらにちなみに……今日の午後から美由希さんとの練習試合をすることになっている。
はぁ。
どうしよう((((;゜Д゜)))
次は主人公が三週間でいかにして美由希対策をするのかを書こうと思います。
では、また(・∀・)ノ