気付けばこれをかきはじめてもう一年たちました。
とりあえず無印は終わらせたから、A'sもなんとか一年以内に終わらせたいですね。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
その日は一本の電話から始まった。
俺はいつもの如く、朝練を済ませたあと家で日曜日を満喫していた。
7時から始まるテレビ朝○のアニメを見ていたのだ。そして8時30分から始まるプリキュ○が始まる前のこと。ちなみにタイトルはハートをキャッチする方である。
プルルルルル
プルルルルル
なぜだか俺はその電話に無性に出たくなかった。超直感の警鐘具合が半端ないのだ。
だが出なければ余計にややこしいことになりそうな予感がしたのでソッと出た。
「私だ」
「にゃ!?え、えーと、お、大空さんのお宅でよ、よろしいでしょうか!?」
「いえ、ウチは沢田ですが?」
「にゃ!?し、失礼しました!」
「いえいえ……では、失礼致します」
ガチャリ
「………」
ちょろくね?
プルルルルル
プルルルルル
「私だ」
「にゃ!?ま、また?も、もしかして沢田さんのお宅ですか?」
「ああ、先程の……私は沢田綱吉と申します」
「こ、これはご丁寧に。私は高町なのはと申します」
あのなのはさん?
知らない人に名乗っちゃダメよ?
この子本当に大丈夫かな?
お兄さん少しこの子の将来が心配になってきたよ。
まぁ、そろそろネタバレしますか。
「で、どうしたよなのは?」
「え、ええ、あ、あの…沢田さん?」
まだ分からんのかい!?Σ(゜Д゜)
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン、出まして来ましてヒエンさ~ん……でございます」
「な、な、な……」
「なのはさん?俺だから良かったものの、知らない人に安易に名前教えちゃダメだぞ?」
「なにやってるのおおおぉぉぉ!!」
キーン
「なのはさん耳が痛ぇです」
「もう!もう!名前いってくれなきゃ分からないでしょーーー!!!!」
「いや電話番号確かめるなり、携帯電話にかけてくるなり、他にもやりようはあったでしょうが」
「確かめたよ!でも分からなかったんだもん!!」
「そんなだからチョロ……ゲフンゲフン皆からからかわれるんだぞ?」
「ねぇ今、チョロいって言いそうにならなかった?」
「ソンナコトナイヨ」
「むぅ~」
なぜだろう…
頬を膨らませながら怒っている様子が余裕で想像できるのだが。
「それよりどうしたよー?もう少しでプリキ○ア始まるぞ?」
「今日13時に翠屋にきて!とっても!とっても!!とーーーーーーーーっても!!大事な話があるの!!あとプリ○ュアはちゃんと見るの」
「え?なに?愛の告白?俺も見るぞ」
「ふぇ?………………………………ち、ちちちちちちちちち、ちがうよ!!!!もうすぐで始まるよ?」
「そんな思いっきり否定せんでも。ジョークじゃないですか。じゃあそろそろ切るぞ?」
「ジョークにしてはタチがわるすぎるの!!……私もプ○キュア見るから切るね。じゃあ13時ね?」
「おーう」
ガチャリ
よし。
ドタキャンするか…
あ、○リキュア始まった。
◆◆◆
そんなこんなでやってきました翠屋。
え?
サボるんじゃなかったのかって?
無理に決まってますやん。
もしもサボったらディバインバスター、酷ければスターライトブレイカー待ったなしだ(俺限定)。
スターライトブレイカーを受けるのはフェイトと、ナハトさんと、ヴィヴィオだけで充分です。
というわけで俺は今、翠屋の入り口前に立っている。
だがなぜだろう?
今日に限ってこの扉が喫茶店の扉じゃなく、魔王城への扉にしか見えない。
それに気のせいでなければ、なんか扉から不穏な黒い闇のオーラみたいなものが漂っているのですがorz
しかし…
翠屋にはいつも通りお客さんが入っており、いつも通り賑わっている。どうやらこれは俺にしか見えていないようだ。いや、俺は幻影を見ているんだ。きっと疲れているんだ。
よし、帰るか。
そして俺が踵(きびす)を返し立ち去ろうとすると……
ガシッ!!
「ナンデカエロウトスルノ?」
いつの間にか後ろにいた目のハイライトを無くしたなのはが、俺の手を取っていた。
いつの間に!?
いや……それよりも……
気付かなかった……だ…と!?
そして
つまり……
この未来の魔王様は、俺の
「サアハイロウヨ?ミンナマッテルノ」
「あの、なのはさん?なんでそんなに片言?」
「サア?ジブンノムネニキイタラドウカナ?」
そう言われて考えてみる。
「思い当たる事がありすぎてどれかわからん」
ゲシ!!ゲシ!!
こらこら。
脛(すね)を蹴るんじゃないよ。
地味に痛いでしょうが。
「もう!とにかくいくよ!!」
あ、普通に戻った。
そして翠屋に入っていく。
「「イラッシャイ……ヒエン/サン」」
そして同じく目のハイライトを無くしたアリサ、すずかの姿があった。
◆◆◆
そしてある一席に、案内される。
俺の隣になのは、向かい側にアリサ、すずかが座った。
しまった…
これでは逃げられない。
さっきから嫌な予感がしてならない。
翠屋に入った瞬間から桃子さんと忍さん、美由希さんはやたらと楽しそうにしてるし。士郎さんと恭也君は俺に合掌までしてるし。
これでは何かあるとあらかじめいっているようなものである。
そしてアリサが口火を切った。
「さあヒエン?私たちに呼ばれたってことに……何か覚えがあるんじゃないかしら?」
「………」
正直覚えはありすぎる。
十中八九、ビデオメールの件だろうが…フェイトにはDVDのことは話さないように念を押しておいたし、家族には告げ口しないように手は回した。
ならば恐れることなど何もない!!
「なんのことかな?」
「あくまでもシラを切り通すつもりですか?」
すずかが見たことのないような冷笑のように笑う。
さすが忍さんの妹……絵になっている。
だがスターライトブレイカーの破壊力を生で見た俺からしたら、その程度の迫力など恐るるに足らず!!
あの桜色の光線に比べたら全ての悩みなど、まるで小さく思える。
「何も知らない」
だから何も答えない。
「そういえば……フェイトちゃんが言ってたんだ」
ギクッ
すると隣の魔王様が俺へと笑顔で話しかける。
「
「え?」
そこで俺は反応した。
「他にもこういってたよ?
「………」
「フェイトちゃんからのDVDが届いて…映像見たときはビックリしたよ。
「………」
まずい……
その一言に集約される。
バレている。
完全にバレている。
そしてその原因も分かった。
俺はフェイトにDVDを送ったとき、
その事はフェイトも分かっていたのだろう。
だから……
DVDの
フェイトさん!
確かに!
確かに!
だからって…
DVDの
迂闊だった…
フェイトが天然だとは聞いていたが……まさかここまでとは。
そしてまだまだ話は続く。
「そうそう……私たち家でこんなものを見つけたのよ?」
するとなのは、アリサ、すずかの三人はそれぞれDVDの入った箱を取り出した。そこには綺麗な文字でデカデカとこう書かれていた。
『なのは、アリサ、すずかの恥ずかし思い出特集』
俺はサッと目を逸らした。
「「「ネェ……ナンデメヲソラスノ?/ソラスノヨ?/ソラスンデスカ?」」」
「………」
ダラダラダラダラ
まずい。
冷や汗が止まらない。
なぜ俺は小学三年生の女の子にこんなにも怯えているのだろうか?
というかこの構図……まるで喫茶店で浮気がバレた男に三人の女の子が詰め寄っているかのようである。
全員……小学生だけど((((;゜Д゜)))
よし。
ここはトイレにいって窓から脱出しよう。まるで泥棒みたいであるが死ぬよりはマシである。そうと決まれば決行あるのみ。
「ちょっとトイレに…」
「窓から逃げようと思っても無駄なの」
「鮫島が待機してるから無駄よ」
「ファリンとノエルが見張ってるから無理ですよ」
完全にバレテーラ。
俺は改めて三人を見る。
気のせいでなければ三人の背後に何かスタンド?ペルソナ?守護霊?のようなものが見え始めた。
なのはの背後には、白い杖をもったピンク色の綺麗な髪の女性が立っていた。それは見惚れるようなきれいな白い肌をしている。服装もどこかの魔法使い、いや賢者のようであり理知的な雰囲気を醸し出していた。
アリサの背後には、オレンジの鮮やかな大きな鳥がいた。それは炎を纏い、まるで不死鳥のような存在感を醸し出していた。俗にいう鳳凰、フェニックスと呼ばれるものだろう。
すずかの背後には綺麗な銀髪の赤いドレスを纏った女性が立っていた。その目は赤く鋭かった。その女性の口元からは八重歯のようなものも見える。そしてその背後にはコウモリのような羽根があった。まるで伝説のヴァンパイア、吸血鬼を想像させた。
そしてその二人と一匹の守護霊達も俺へ鋭い視線を向けた。超直感が警鐘を放っている。
ここは素直に認めて謝った方が良いかもしれないorz
「ドウモスイマセンデシタ」
◆◆◆
俺は事の顛末(てんまつ)を語った。
三人にビデオメールで説教されたお返しに、フェイトに三人の黒歴史を教えることを思い付いたということを。そのついでに友達になったエピソードや、その他もろもろをDVDに送れば面白いことになるのでは……と。
そして思い付いた翌日に、三人の両親や身内に相談した。そして見事に許可をもらうことに成功。なんと協力者が件(くだん)の三人以外全員であった。
そして出来上がったDVDを全員に見せることを条件に作ったことを話した。
その話を聞いた三人は、しばらく死んだ魚のような目をしていた。
俺が「どうしたよ?」と聞くとこう返ってきた。
「「「全部ヒエン(君、さん)のせいだよ!/せいよ!/せいです!」」」
まさか俺が身内全員を味方につけているとは欠片も思っていなかったらしい。
いやだって…
親御さんの許可なくそんなことするわけないじゃん?そんなの常識だろ?フハハハハハハ(゜▽゜*)
と三人に言うと……
すると三人は集まりだしてゴニョゴニョ話し始めた。
それでしばらく暇になってボーッとしていた俺に翠屋の美人パティシエ桃子さんがコーヒーとシュークリームを持ってきてくれた。
「ふふっ。バレちゃったわね♪」
「そうですね。まさかこんなに早くバレるとは……」
「でもあのDVDよく出来てたわよ?私たちも見てて楽しかったもの」
「そうですか?それなら良かったです」
俺と桃子さんが話していると、三人の相談が終わったのかこちらに向いてきた。
「ヒエン!私たちと賭けをしましょう!!」
「賭け?」
アリサが俺に人差し指を突きつける。
「そうです!ヒエンさん、ノエルから聞いたんですけど、二週間後に美由希さんと練習試合をするそうですね?」
「ああ、まあ」
そこにすずかも一緒になって俺に人差し指を突きつける。
「そこで!ヒエン君にはお姉ちゃんに負けたら!女装してもらうの!!」
「なん……だと……」
最後になのはが同じく人差し指を俺に突き付けてくる。
というかまた女装かい!?
なのはよ?
お前さんはそこまでして俺に女服を着せようというのか!!
「私たちの純情を弄(もてあそ)んだんです!それぐらいしてもらわないと気がすみません!責任とってください!!」
「そうよそうよ!私たちを傷物にしたんだからそれくらいの責任とりなさいよ!!」
「そうだよ!私たち傷ついたんだからね!!」
うん。
俺が悪かった。
だからね……
「そんな誤解を生むような言葉を大きな声で言わないでくださいお願いします!!」
翠屋の常連客達はまたあの子か……みたいな目で見てくるが、新しく来たお客さんは俺をゴミかクズでも見るかのような目で見てくるorz
案の定、翠屋従業員達は必死に笑いをこらえているような感じで止めようとする者すらいなかった。
俺に味方はいなかった。
こうして俺の女装とプライドをかけた戦いが始まったのであった。
朝起きてハーメルンひらいたらお気に入り件数が一気に10件以上増えてて焦りました。
でもありがとうごさまいます。
では、また(・∀・)ノ