大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

いよいよ始まる練習試合。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第九十八話 練習試合 前編

ヒエンside

 

 

 

今日は美由希さんと試合の日だ。

 

早く起きすぎて落ち着かない俺は久しぶりに、桜台の高台までトレーニングにいくことにした。

 

さっそくパジャマから青いジャージに着替え、走り込みにいく。

 

空はまだ少し暗かったが、気にせず走った。朝が早いからか空気がやたらと美味しい。

 

そして20分ほどで高台についた俺は魔法の訓練と筋トレをすることにした。

 

 

 

 

 

 

「98………99………100と」

 

 

いつもの筋トレメニューの最後、腕立て伏せ百回を終わらせる。

 

そしてベンチに置いてあるスポーツドリンクを飲む。

 

 

「ゴクゴクゴク……………っぷは~」

 

 

飲んでからケータイで時間を確認すると、既に時刻は7時30分を回っていた。

 

 

「あ、やばっ!朝御飯の時間に遅れる!?」

 

 

とりあえず俺は朝御飯に遅れないように、急いでさざなみ寮へと戻った。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

なんとか朝御飯までに戻ることができた俺は、急いでリビングへと向かう。そこには既に全員そろっていた。

 

 

「お、おはようございます」

 

 

「「「「おはよう(さん/ございます)」」」」

 

 

俺はいつもの席(中央)に座らせてもらう。そしてごはんをいただこうとすると俺の右肩に相棒が乗り、左肩に久遠が乗ってきた。

 

 

「うん。お前達、なんで今このタイミングで肩に乗ってくるの?俺が朝御飯を食べるのに苦労するんですけど…」

 

 

「ガゥガゥ」

 

 

「くー」

 

 

二匹とも俺の話を聞かずに毛繕(けづくろ)いを始めた。

 

 

「え?シカト?毛繕い?」

 

 

「ガゥー」

 

 

「くぅー」

 

 

「いや、お前ら可愛く鳴いてもごまかされないから。まずは二匹とも朝御飯食べなさい。そして久遠……お前さん実質、数百歳でいい歳だろう?そこまでくるとあざといぞ?もうおばあちゃ……「くぅー!!」」

 

 

 

ペシペシペシペシ

 

 

 

すると久遠が俺のほっぺを前足で叩く。

 

ちょっ!?

やめて!?

口に今食べ物入ってるから!食べ物出ちゃうから!?

 

するとそんな俺と久遠のやり取りを見ていた女性陣から、ジト目をいただく。

 

 

「ヒエン君……女の子に年齢の話題はNGだよ?」

 

 

「君の素直な性格は好ましいが……女性に対する配慮も覚えないと……彼女できないぞ?」

 

 

「ゴフッ!!――(゚Д゚; )→ グサッ!!」

 

 

俺は心にダメージを追う。

 

神咲姉妹からお小言をいただいた。

 

だがまだまだ攻撃は終わらない。

 

 

「まあ、まだまだガキってことだなヒエンは」

 

 

「そんなんじゃモテナイぞ~ヒエン~」

 

 

「( ゚∀゚)・∵. グハッ!!」

 

 

漫画家の真雪さんと、猫娘の美緒さんからも追撃をもらった。

 

 

「はぁ~女性に対する扱いがまだまだやわ~」

 

 

「経験がないんじゃ仕方ないよ」

 

 

「( ゚Д゚)・∵. グフッ!!」

 

 

女性歌手ゆうひさんと、ロリッ子超能力者リスティさんからトドメを刺された。

 

もうやめて!

俺のライフはもうゼロよ!!

 

 

 

ズーン……

 

 

 

俺は落ち込みながらもごはんはいただく。味噌汁テラウマス。

 

 

「ほらほら、皆……もうその辺にしといてあげなよ」

 

 

「そうよ?ヒエン君だって悪気はなかったんだし」

 

 

槙原夫妻が俺を慰めてくれる。なんと心優しき夫婦か・゜・(つД`)・゜・

 

 

「そ、それより……ヒエン君は今日は昼から美由希ちゃんと練習試合みたいだけど…勝てそうかい?」

 

 

耕介さんが話題を変えてくれた。俺はそれに感謝しつつ答える。

 

 

「正直……勝つのは厳しいと思います。前に試合したときは実力差もかなりありましたから。でも……」

 

 

「でも?」

 

 

「負けるつもりは毛頭ありません。勝ちにいきます」

 

 

「そうかい」

 

 

耕介さんは俺を優しげに見る。今思うとここの人達ってお人好しな人多いんだよね。そして俺は話を続ける。

 

 

「というか俺は負ける訳にはいかないんです!勝たなければ……女装しなきゃいけなくなるので!言わばこれは俺の意地とプライドをかけた大勝負!だから絶対勝つ!」

 

 

そして俺は勢いよくごはんと味噌汁を掻き込む。

 

 

「あ……いきなりそんなに食べたら…」

 

 

案の定、喉をつまらせたorz

 

そして全員に呆れられたのは言うまでもない。

 

というか今気付いたけど、薫さんや、耕介さんが持つ霊剣に宿る精霊姉弟も長生きと聞いたのだが。

 

つまり十六夜さんも美人とはいえもう結構なおばあちゃ………「ヒエンさん……言いたいことがあるなら言ってもいいんですよ?」

 

 

「イエ……ナンデモアリマセン」

 

 

俺はこの日重要な事を学んだ。

 

女性に数字関係の話題は禁止であると。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

そして時刻は午後1時。

 

俺は今、高町家の道場に来ていた。

 

結構な同伴つきでorz

 

俺は横を見る。

 

そこには高町一家の士郎さん、桃子さん、恭也君、美由希さん、なのは、ユーノ。

 

バニングス家のアリサ、執事の鮫島さん。

 

月村家のすずか、忍さん、メイド姉妹のノエル&ファリン。

 

そしてお世話になったさざなみ寮の面々がいた。

 

 

「なんでさ……」

 

 

どうしてこんなにいるの?

別にそんな大層なイベント事じゃないんだよ?

 

俺がそんなことを考えている横で、高町夫妻と槙原夫妻が挨拶を交わしていた。会話は主に俺がお世話になった件について…桃子さんが頭を下げていた。

 

やめて桃子さん!?

それじゃなんか俺が迷惑かけたみたいになってるから!?

 

そしてプロの歌手であるゆうひさんと、漫画家である真雪さんを、すずかとアリサは知っているのか顔を輝かせながらサインをねだっていた。すごいな二人とも。目がキラキラ輝いているぞ。

 

そして恭也君と美由希さんに忍さん、薫さんと那美さんも仲良く話していた。

 

そういえばこの5人はとらいあんぐるハート3でも仲が良かったな。

 

そして一方の俺はというと肩の上に相棒と久遠が乗っている。というかお前達、いつまで俺の肩の上に乗ってるの?

 

そして俺の目の前にいる少女……なのはは、久遠を見てかなり目を輝かせている。まぁ、『リリカルおもちゃ箱』では、今のユーノのポジションは久遠だったからなあ。っていうかなのは、おめえさんにはユーノがいるじゃない。

 

 

「くぅ……」

 

 

久遠は俺の顔を盾にしながら、なのはの好奇心旺盛な視線から逃れている。そういえば久遠さん……あなた人見知りだったね。

 

そう考えると初対面から俺に対して結構態度がでかかったのはどういう事なのか小一時間程、問い詰めたい次第である。

 

俺はなのはにある物を渡す。

これがあればいかに人見知りな久遠といえど、懐くはずである。

 

 

「ヒエン君これって……」

 

 

「油揚げ」

 

 

すると久遠がキュピンと顔をあげる。

 

 

「見てろなのは」

 

 

そして俺はもうひとつの油揚げを袋から出し、久遠に寄せていく。

 

久遠は鼻をスンスンと動かし、油揚げを食べようとした。だが俺はスッと移動させ食べさせない。

 

 

 

ガチン

 

 

 

久遠の歯の音が響く。

 

フハハハハハ

 

バカめー!!

 

そう簡単に誰が食べさせるかー!!!!

 

久遠は再度食べようとする。

 

 

 

スッ……

 

 

 

ガチン

 

 

 

再度食べようとする。

 

 

 

スッ……

 

 

 

ガチン

 

 

 

「くぅー!!」

 

 

 

ペシペシペシペシ

 

 

 

久遠が俺の頬を前足で叩いてくる。

 

 

「フハハハハハハ!久遠よ!この油揚げを食べたければ俺から奪ってみるんだなああぁぁ!!」

 

 

俺はかなり良い笑顔をしながら油揚げをチラチラと見せながら、油揚げにかぶりつく。

 

 

「やべぇチョーうめぇ」

 

 

「くぅー!!」

 

 

久遠は俺の体を走り回りながら油揚げを奪おうと躍起になる……がそう簡単に奪わせない。

 

 

「甘いぞ久遠!人生とはそんなに甘くな……ブヘェ!!」

 

 

すると突如、俺は姿勢を崩し転んでしまう。俺の手に持っていた油揚げは久遠の口に収まってしまった。

 

俺はなんとか起き上がり、周りを見る。すると俺の側になのはの他に、アリサとすずかまでいた。

 

なのはは分かるんだけど、なぜに二人ともいるの?アッチでサインもらってなかった?

 

 

「あんだけバカみたいに騒いでれば誰だって気が付くわよ!それよりアンタ!久遠になんで油揚げあげないのよ!!」

 

 

「そうですよ~また子供っぽいことしてたんですか~??」

 

 

「いや、久遠に人生の厳しさを教えようとしてただけというか、女装を要求してくる二人の方がよっぽど子供っぽ………「「何か文句あるの?/あるんですか?」」……ありません」

 

 

「よし、じゃあヒエン君、正座しよっか」

 

 

すると油揚げを食べている久遠を頭に乗せたなのはがそんな事を言ってきた。

 

 

「拒否する」

 

 

すると俺がそんなことを言ったことに驚いたのか、三人は目を見開く。

 

おい。

ただ拒否しただけなのになぜそんなに驚く。

 

 

「くーちゃんをいじめたのに、それはダメだと思うの」

 

 

なのはから反論がくる。っていうかもうあだ名つけたんかい。

 

 

「あれは久遠とじゃれあっていただけだ。なあ久遠?」

 

 

そうである。

あれは久遠と俺のコミュニケーションなのだ。いつものくだりなのだ。

 

そして久遠に顔を向けると……

 

久遠は首を横に振った。

 

 

「なん……だ…と」

 

 

なぜだ!?

いつもなんだかんだいいつつ最後には油揚げあげてるやん!?オメーに毎日あげてたからワタクシ二週間で2000円は出費したんですけど!?

 

 

「「「ギルティ」」」

 

 

そしてまさかの久遠の裏切りにより、自動的に小学生三人に囲まれる俺。そして大人しく正座へと移行し三分程説教されたのだった。

 

ちなみに俺が転んだのは背後からすずかが、ヒザカックンをしたかららしい。地味に痛かったぞコノヤロウorz

 

当然そのやり取りは全員に見られていた。

 

ここまで来たらもう恥ずかしくなんてない。

 

問題ないさ~。

 

某ライオンキング芸人の真似をしてみたらちょっとだけ受けた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

俺は気を取り直し黒ジャージに籠手(グローブ)脚甲(クリーブ)を装備し、道場の中央で美由希さんと向き合った。

 

彼女の服装は白いTシャツに黒いズボンといったオーソドックスな格好であった。その手には小太刀程の長さの木刀が握られていた。

 

 

「おろ?装備変えたんだね?」

 

 

「ええまあ…諸事情により」

 

 

俺は少し遠い目をしながら話す。美由希さんはそんな俺を見ながら苦笑いしている。

 

 

「それにしても……大事になっちゃたね」

 

 

「うん」

 

 

全くだ。

こんなに見に来る人が多いとは欠片も思わなかった。なのはに至ってはフェイトに送るためかビデオカメラで撮影までしてるし。

 

 

「でもまぁ……」

 

 

俺は美由希さんに()()()()()()()話す。

 

 

「この前みたいにはいかない。悪いけど勝たせてもらう」

 

 

「へぇ~。言うねぇ」

 

 

そして恭也君が中央に寄って大きな声をあげる。

 

 

「これより高町美由希と大空氷炎の試合を行う。両者前へ」

 

 

そして俺達は5m程の距離を開けて向かい合った。

 

俺は目を閉じて精神を集中させる。

 

そして死ぬ気化した。

 

俺の雰囲気が変わったことに恭也君や、他の人達は少し驚いていた。

 

 

「今からルールを説明する。勝負は三本勝負。互いに二本先取した方を勝ちとする。互いに参った又は、一本当てることで決着とする」

 

 

なるほど。

二本先取か。

 

 

「二人とも準備はいいか?」

 

 

「いけます」

 

 

「いつでも」

 

 

美由希さんと俺は答えた。

 

 

「それではいくぞ?試合始め!!」

 

 

「『御神流』高町美由希」

 

 

「『太極拳』大空氷炎」

 

 

「「いざ、参る!!」」

 

 

そして試合が始まった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

俺は肘をやや曲げ、腕を前に出す防御の構え前羽(まえば)の構えで迎え撃つ。

 

美由希さんは木刀をそれぞれ逆手に持ちながら構え、こちらの動きを観察している。

 

前回のようにまずは俺の動きを観察してから対応する気か。だがそう何度もうまくいくと思うなよ。

 

俺はジリジリと近付いていく。

 

大丈夫。

イメージファイトなら何度もしてきた。攻撃パターンだって何度も考えた。後は自分を信じて行動するのみ!!

 

そして俺は()()()()()()()()()()、今出せる最高のトップスピードで攻撃を開始した。

 

 

「フッ!」

 

 

「!?」

 

 

俺は美由希さんの顔目掛けて右手で掌打(しょうだ)を放つ…が頬にかすっただけだった。間一髪かわされたようだ。だが攻撃はまだまだ終わらない。

 

そのまま接近し、右手で奥襟(おくえり)を取ると、柔術の小内刈(こうちが)りをかける。

 

 

「いっ!?」

 

 

驚いた美由希さんは足を一歩引きながら、右手の木刀で攻撃してくる。だが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

俺は左手の籠手でそれを防ぐと、そのまま美由希さんの右腕を取り、一本背負いをお見舞いした。

 

 

「くっ!?」

 

 

美由希さんは不安定な空中でも体勢を整え、両足でしっかり地面に着地し、そのまま俺の胸に膝蹴りを放ってきた。

 

俺はそれをクロスガードで防ぐ。

 

 

 

ズザザザザザ………

 

 

 

2,3mほど後退させられるが再び突貫する。

 

 

「シッ!」

 

 

そして今度は彼女の左側頭部に横蹴りを放つ。美由希さんは()()()()()しゃがんでかわす。俺は途中で蹴りをやめ、彼女の頭に踵落(かかとお)としを叩きつける。

 

 

 

ガン!!

 

 

 

「いった……」

 

 

彼女は咄嗟に木刀を二本交差させ、踵落としを防いだ。驚くべき反応速度だ。

 

俺はそのまま右足を軸に今度は左横蹴りを放つ。美由希さんはそれを右腕でガードする……が先ほどの踵落としで()()()()()()()()()、防ぎきれずそのまま少し吹き飛び、()()()()()()

 

彼女は急いで体勢を整えるが……時既に遅く俺は彼女の()()()()()()()()()()()

 

 

 

ピタッ

 

 

 

「ま、参りました……」

 

 

「勝負あり!勝者ヒエン!!」

 

 

まずは俺の勝ちだ。

 




あと二話で美由希練習試合編終わる予定ですー。
それ終わってとら八3のストーリー少しいれてから闇の書編に本格的に入る予定ですー。

では、また(・∀・)ノ

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