大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

少しだけ日常。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百二話 悪ふざけはいけないね

ヒエンside

 

 

 

「ふぃ~」

 

 

高町家の浴室にてシャワーを借りた俺は、バスタオルでしっかりと身体をふき、学校の制服を着ていく。

 

そしてふと鏡に映る自分の姿を見る。

 

 

(筋肉も大分ついたかな?)

 

 

腹筋を見るとマッチョとまではいかないが、少し割れている。

 

美由希さんとの練習試合のために鍛えてくれた薫さんのおかげで結構体力もついたし……武器戦闘にも少しは慣れた気がする。

 

曲がりなりにも成長できているという実感が俺の中にあった。

 

とりあえず……さっさと着替えて朝御飯いただこう。

 

 

 

 

 

 

そして制服に着替えた俺は高町家のリビングへとお邪魔する。リビングには既に高町一家が勢揃いしていた。

 

 

「ヒエン君ここだよ~」

 

 

「おー」

 

 

俺はなのはに指定された席へと向かう。

 

席は丁度なのはの斜め前だった。

 

図にするとこんな感じである。

 

 

-----俺

--┏━━┓

士|----┃な

--|----┃美

桃|----┃恭

--┗━━┛

 

 

ダイニングテーブルの上には、ごはんと味噌汁、鮭のムニエル、ポテトサラダであった。

 

ずいぶん豪華である。

 

俺が一人でご飯をすませていたら、間違いなくコンビニのおにぎりである。ちなみに買うとしたらたいてい焼鮭×2、ツナマヨ×1、お茶(150㎎)である。俺的に鮭とツナマヨは確実に外せない。

 

手を合わせる。

 

 

「いただきます」

 

 

「じゃんじゃん食べてね~」

 

 

桃子さんが笑顔で言う。

 

では遠慮なく。

 

俺はまず味噌汁をいただく。

 

 

 

ズズッ

 

 

 

あ~ほっこりするんじゃ~。

やはり日本人なら味噌汁は外せないよね。

 

次はポテトサラダをいただく。

キュウリがパリパリいってマジうめえ。

卵とプチトマトも一緒に食べるとかなり良い感じ。

 

今度は鮭のムニエルをいただく。

鮭の香ばしい匂いが俺の食欲を刺激する。食べてみると熱々でこれがまたうまいのなんの。

 

最後にご飯を一口。

ごはんの甘さと鮭の香ばしさが合わさる。

 

まさに味の調和や~。

 

ウマウマ。

 

俺が幸せを噛み締めつつ味わいながら、食べているとふと視線を感じた。

 

チラリと前を向いてみると、高町家全員がこちらをジーっと見ていた。

 

なんぞ??(ーωー)

 

 

「お前は本当にうまそうに食べるな」

 

 

「実際うまいし」

 

 

恭也君と話しつつごはんをパクり。

 

 

「好き嫌いはないのか?」

 

 

「好き嫌い?うーん……」

 

 

どうなのだろう?

考えてみたが…好き嫌いはあまりなかった。

 

 

「基本的にないよ?」

 

 

俺が味噌汁をズズッと飲みながら話す。

 

 

「へぇ~すご~い」

 

 

なのはがポテトサラダを食べながらこちらを見る。

 

 

「なんか嫌いな食べ物あるのかね?」

 

 

俺はなのはに聞いてみる。

 

 

「えっと……ピ、ピーマンが」

 

 

「なるほど。俺はマヨネーズつけて食べてたなあ」

 

 

ピーマンのあの苦さがマヨネーズで調和できたので小さい頃はよくつけていた。

 

 

「ヒエン君おかわりいる?」

 

 

「あー…悪い」

 

 

なのはが俺のごはんが空になっているのに気付いてごはんをよそってくれた。少し多い気もするが……余裕で食えるのでモーマンタイ。

 

 

「ありがとー」

 

 

「いいえ~」

 

 

すると俺の足元でごはんを食べていた相棒が思念を送ってきた。

 

 

『速く食べないと遅れるよー』とのこと。時計を見ると時刻は07:40になっていた。

 

 

ホントだ。

 

とりあえず速く食べ終わるために、俺は食べる速度をあげた。

 

 

 

 

 

 

「はぁ~ごちそうさまでした~」

 

 

「お粗末様でした♪」

 

 

桃子さんがやたらと上機嫌である。

 

朝からごはん三杯もおかわりしちゃったから怒られるかなとか思ったけどそんなこともなかった。ひと安心なり。

 

っていうかこんな美味しい料理を作れる奥さんっていいよね。料理うまいわ、お菓子つくれるわ、他にも家事炊事洗濯こなすわ、その上喫茶店まで経営するってどんだけー。

 

こんなキレイな奥さんを射止めた士郎さんがマジで羨ましい。

 

このリア充め!!

 

と思いながら士郎さんを見ると、その本人は優雅にコーヒーを飲みながら新聞紙を読んでいた。

 

新聞とか俺、基本四コマ漫画しか読まないんだよね。

 

というか士郎さんマジ絵になる。

 

こういうのってイケメンの特権ですよね。

 

俺はお茶をズズッと飲みながら一息つく。

 

 

「ふぃ~」

 

 

あー

学校いきたくねぇー

ダラダラしてえぇー

 

と思いながらも時間は残酷である。

 

 

「ヒエン君速く出ないと遅刻するよー」

 

 

「はいはーい」

 

 

俺は相棒を頭に乗せ、玄関へと向かう。そこでは美由希さんとなのはが靴を履いている所であった。

 

すると桃子さんと、士郎さん、恭也君、ユーノが見送りにきた。というかユーノいたのか。ごめん気付かなかったよ。

 

 

「三人とも気を付けるんだぞ」

 

 

「「「はい/はーい」」」

 

 

士郎さんに言葉をかけられ、俺達はそれに答える。

 

すると桃子さんが俺に何か渡してきた。

 

これはお弁当か?

 

 

「はい。良かったら食べて?」

 

 

「す、すいません。何から何まで」

 

 

俺、マジ高町家の皆さんにお世話になりっぱなしなんですけど。

 

 

「弁当箱はいつでも返してくれればいいからね」

 

 

「は、はい。ありがとうございます」

 

 

俺はペコリと頭を下げる。

 

あ、そういえばさざなみ寮で耕介さんからもらった弁当箱洗ったまま、まだ返してねぇ!!

 

今日返しに行こう。

 

 

「「いってきま~す」」

 

 

そして美由希さんとなのはが先にいく。

 

 

「あ、じゃあえっと、朝御飯ごちそうさまでした。い、いってきます!」

 

 

俺も遅れて後を追った。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

最近、俺は朝はさざなみ寮と、高町家で過ごしている。

 

なぜかというと恭也君と薫さんとそれぞれ朝稽古をしているからだ。

 

今のところは月・火が高町家、水・木がさざなみ寮で朝稽古をしている。さすがに放課後は3日に1回アースラで健康診断があるので勘弁してもらった。

 

美由希さんとの練習試合の数日後、俺は恭也君と薫さんとも試合をしたのだが……連戦連敗であった。

 

手加減してもらったら善戦できるのだが、本気を出されたら防戦一方であった。二人に勝つにはまだまだ修練が必要だ。

 

そんなこんなで一週間が過ぎ……今は学校が終わったので、一度帰ってからさざなみ寮に弁当箱を返しにきていた。ちなみに桃子さんの弁当は美味しかった。美由希さんとおかずが全く同じだったのでクラスメート達から怪しまれたが…早食いすることで乗り切った。

 

さざなみ寮の入り口前に行くと、こちらに小さな黄色いモフモフが近寄ってきた。

 

 

「くぅ~」

 

 

久遠である。

 

俺の身体を一気に駆け上がり、俺の頭の上にポスンと収まった。いつもは相棒が頭の上を陣取っているのだが、今回は久遠のようである。なにその譲り合い?俺の頭の上は優先座席じゃないよ?

 

と気にしつつも入り慣れたさざなみ寮へとお邪魔する。

 

しかし一応はチャイム押しとこう。

 

 

 

ピンポーン

 

 

 

『は~い』

 

 

すると一人の女性の声が聞こえてきた。この声は愛さんだな。

 

 

「俺ですオレオレ」

 

 

『え?俺?……っは!もしかしてこれが今話題のオレオレ詐欺!?』

 

 

いや違うけど。

それ電話の詐欺やけど。

インターホンでそんな詐欺しないけど。

だがしかし…少し面白そうなので乗ってみる。

 

 

「あ、愛さん?俺ですよオレオレ。ちょっと事故しちゃってお金が必要なんですよ。だから30万円持ってきてくれません?」

 

 

『あら!大変!!今すぐ準備するからちょっと待ってて!!』

 

 

え!?

乗るの!?

 

 

「ちょっと待って!?冗談ですから!?ただ弁当箱返しにきただけですから!?だからちょっと待ってー!?」

 

 

 

ガチャン

 

 

 

「………」

 

 

「……くぅ」

 

 

「やめて久遠。分かってるから、めちゃくちゃ分かってるから。だから頭をペシペシ叩かないでくださいお願いします」

 

 

っていうか少し悪乗りしただけで信じるってどういう神経してんだこらぁ。少しは疑えよこらぁ。騙されたらどうすんねんこらぁ。

 

 

「なにやってるの?」

 

 

 

ガッ

 

 

 

そのとき誰かに肩を捕まれる。

 

 

「ふぁ?」

 

 

後ろを向くと風芽丘学園の制服を着た女性が立っていた。

 

というかさざなみ寮に住んでる女子高生神咲那美さんであった。しかし笑顔であるのだが…気のせいでなければ目が笑っていなかった。

 

 

「もしかして……全部見てた?」

 

 

「それはもう…バッチリと♪」

 

 

「Oh…」

 

 

「くぅー」

 

 

気のせいか久遠が『やれやれ……』といっているように思えた。

 

 

「はぁ。とりあえず中に入ろう?」

 

 

「あ、はい」

 

 

とりあえず俺達はさざなみ寮へと入っていった。

 

そして30万円を持って外に出ようとしていた愛さんに悪ふざけしたことを謝り、なんとか許してもらえた。

 

本人は舌を出しつつ苦笑いしていた。いや笑い事じゃないですから。というか本当に信じる人がいるとは夢にも思わなんだ。

 

そして愛さんがおやつに食べようと買っていたいちご大福をもらいつつ、目的の弁当箱を返した。

 

相棒も久遠も美味しそうにいちご大福を食べている。俺もいちご大福を食べ終え、リビングのソファーに座っていた。

 

すると段々と眠気が出てきたのか俺はうたた寝をしてしまった。

 

そして……

 

ある夢を見たのだった。

 




次回は久遠の過去の一端を垣間見る。

では、また(・∀・)ノ

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