とりあえずでけた。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
俺は家に帰ってから自分の部屋にいき、原作ノートに覚えてる限りのことを書き出す。そして心の中にいる相棒を介してさらに俺の記憶データを探ってみるが……これといってめぼしい情報はなかった。
さて、どうしようかと悩んでいると相棒が机の上にポンと現れる。
「どうしたよ相棒?」
すると『いい考えがあるよー』との思念をもらう。
「どうした?」
俺はそれが気になり聞き出そうとした。
そのとき相棒の口から5つの小さな光が出てくる。その色は赤・黄・緑・紫・ピンクであった。
そしてそれらは形を形成していくと、小さな相棒の姿になった。
は?
「「「「「ガァウ」」」」」
な、なんか増えたー!?(゜ロ゜ノ)ノ
相棒曰く……
ジュエルシードを飲み込んだことによりパワーアップした相棒は、単体で
しかもこの5匹…なんと俺とパスが繋がっているらしい。そう言われるとなんとなくこの5匹と繋がっている感じがする。
なるほど…
っていうか俺より出せる分身の数多いじゃねえか。
それに気のせいじゃなければ…某猫型ロボットの小型ロボの配色とまるっきり同じじゃねえか。
ということで相棒の補佐をする小型ライオン達をド○えもんのミニド○からパクり、ミニッツと名付けることにした。
赤色のアカッツ、黄色のキッツ、緑色のミドッツ、紫色のムッツ、ピンク色のピッツである。
名前安直とか言わない。
これでも一生懸命考えた。
ちなみに赤・黄・緑が男の子で、紫・ピンクが女の子である。分かりやすいように紫・ピンクの二匹にはリボンがついている。
相棒的には薫さん、那美さん、久遠の三人をミニッツ達に監視してもらうということらしい。
なるほど。
ということでさっそくやる気満々な男の子チーム:赤・黄・緑の三匹が監視にいってくれた。
そういえば……
「なあ相棒…あの子達お腹空かないのか?」
「ガァウ」
「ああ……そう」
魔力プログラムみたいなものらしくお腹は空かないから大丈夫とのこと。
「それでもこれ終わったら、なんか甘いもの奢らせていただきます」
「ガァウ」
『そう伝えとくよー』との思念をいただいた。
というわけでしばらく三人を監視することになった。といっても俺自身が監視するわけではない。ミニッツ達が何か変化があると思った際にすぐに連絡するようには言ってある。
しばらくは様子見だな。
◆◆◆
あれから二日ほど過ぎた。
今回は水曜日・木曜日は薫さんとの朝稽古の日なのでさざなみ寮にお邪魔してたのだが……
明らかに薫さんの様子がおかしい。
俺との組み手でも、薫さんが少し本気を出せば俺の攻撃はうまく受け流されたりするのに集中できていないのか、カウンターが決まってばかりだった。
これは……近いうちに事が起こるかもしれない。
ミニッツ達によれば、那美さんと久遠の様子はあまり変わらないらしい。
まぁ、ここは薫さんを中心に見張った方が良いだろうな。
「………」
っていうか今気になったんだけどさ…ミニッツ達ってみんなをどう監視してんの相棒?
『ガウガウ』
あー…そうなのね。
なかなかハイスペックじゃないorz
相棒が言うには、周囲の景色と自分の身体を調和させて
俺より能力の使い方がうまいじゃないか。
とりあえず……
今日は那美さんに話を聞いてみるか。
◆◆◆
学校が終わってから俺は八束神社へと向かっていた。那美さんは学校が終わってから、ほぼ毎日八束神社に巫女としてバイトでいっているので今日もいるはずだ。
恐らく久遠も神社で日向ぼっこしているはず。一応、餌付け用に大福も買ったしこれで頭をペシペシ叩かれることもないだろう。
そして俺が神社への階段を上っていくと、社務所で日向ぼっこをしている久遠がいた。久遠は俺に気付くと駆け寄ってくる。
「くぅ~」
そしていつも通り頭の上に乗った。
神社の参道を竹ボウキで掃除していた那美さんが俺の事に気付く。
「あれヒエン君?どうしたの?」
いつも通りの巫女服であった。
うむ。
癒される。
俺は買ってきた大福の袋を見せながら話した。
「少し聞きたいことがあって」
「そうなんだ。じゃあ上がって。今お茶入れるよ」
そして社務所へとお邪魔した。
「それで今日はどうしたの?」
那美さんが麦茶を入れてくれた。
俺は買ってきたイチゴ大福を食べながら麦茶をいただく。
久遠は社務所の縁側でイチゴ大福を幸せそうに食べていた。
「
「愛さんに悪ふざけしてたときだね」
「そのことは忘れてくださいお願いします」
そのジト目はやめてください。なんだかゾクゾクしちゃう。
「あー…あのときリビングのソファーでうたた寝してたときのことなんだけどさ」
「グッスリだったね~」
那美さんがノホホンと笑う。
うん。
癒される。
違う。
そうじゃない。
「あのとき……
「夢?」
そして俺の次の一言で空気が少し変わる。
「久遠の過去」
ビクッ
那美さんの体がビクリと震える。
俺はさらに言葉を続ける。
「みつ……
「………
「ああ。久遠の秘密……那美さんの過去も……
「そっか……知られちゃったんだね」
那美さんは少し俯きながら話す。
「うん。分かった……話すよ。ヒエン君は退魔師の事情も知ってるしね」
「ありがとう」
そして那美さんは語った。
10年ほど前に突如、鹿児島の実家の神社に封じられていた祟り狐の久遠が復活したこと…
そして神咲家総出で封印にかかり、薫さんがなんとか久遠を再封印した。だがその封印が不完全であるため、いつか久遠が祟り狐として復活してしまうこと…
そして久遠に両親を殺され、当初は憎しみを抱いていた那美さんであったが、久遠の夢移しによる過去を見て久遠の深い絶望、憎悪を知ったこと…
そのときに久遠を元の心の優しい狐に育てることを決心したそうだ。
那美さんも久遠の過去から、みつや、弥太の存在を知ったらしく、図書館で詳しく調べたらしい。そしてみつや、弥太らしき人物の資料を見つけ、その詳細を俺にも教えてくれた。
二人については俺の知ってる知識とあまり変わりはなかった。
そこで俺は気になってることを聞いてみた。
「久遠は……みつがあのとき居なくなった理由を知ってるのか?」
「ううん……知らないよ。でもたぶん……久遠もみつさんに何があったか薄々気付いてると思う」
「そうか…」
そこで話が一端終わった。
「………」
「………」
ここで少し沈黙が訪れる。
俺は少しぬるくなっている麦茶を一気に飲んだ。
「ふぅ~」
そして少し気を抜いた。
「話してくれてありがとう」
「ううん…」
さて…
そろそろおいとまするかな。
「あ、これ…残りのイチゴ大福良かったら食べて」
「ありがとう…」
そして帰ろうと靴を履いていると、大きな竹刀袋を持った薫さんがやってきていた。
「あ、薫さん」
「やあ、来ていたのかい?」
「はい。もう帰りますけど」
「そうかい。気を付けて帰るんだよ」
「はい」
そして薫さんは那美さんと少し喋ると、社務所の奥へと入っていった。
俺は気になったので那美さんに聞いてみた。
「薫さんなんだって?」
「さあ?今日はここに泊まるっていってたけど……」
「そうなんだ」
そのとき超直感が少し反応した。
(もしかして今夜が……)
「じゃあ今日はもう帰るよ」
「あ、気を付けてね」
そうだ。
少し助言しておくか。
「今日の薫さん……様子がおかしいから……少し注意しておいた方がいいかもしれない」
「わ、分かったよ」
この様子だと那美さんも薫さんが少し様子がおかしいことに気付いていたみたいだ。
そして俺は急いで帰ったのだった。
さっそく家に帰ってから……俺は腹ごしらえをしていた。
今夜あるであろう
おそらく今夜が…薫さんが
だとすれば久遠に施された封印術の…
そして薫さんは……久遠が祟り狐として復活する前に久遠を
薫さんにとって久遠は那美さんと同じく……ずっと可愛がってきた大切な妹のような存在だ。
だからあんなに
だからあんなに
当たり前だ。
今まで可愛がってきた妹分の暗殺を決行しようとしているのだ。
悲しくない訳がない。
辛くない訳がない。
だが……
悪いが薫さんにそんなことをさせる訳にはいかない。
久遠は俺にとっても…可愛い妹分だ。
確かに久遠は祟り狐として暴走してしまった。だがそれは久遠の
あの黒い祟りさえなんとかすれば……久遠を救うことができる。
俺に霊力はないが代わりの力がある。
それが死ぬ気の炎……大空の炎の真骨頂【調和】だ。
この力で久遠の祟りを浄化する。
だから待ってろよ久遠…
絶対に助けてやるから……。
気持ちを新たに俺は急いで腹ごしらえを済ませるのだった。
次回、いよいよ祟り狐復活。
では、また(・∀・)ノ