外伝書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
高町なのは。
元ネタはアダルトゲーム『とらいあんぐるハート3、通称とらハ3』の登場人物である。
おまけシナリオである【花咲くころに会いましょう】、全シナリオクリア後のショートストーリーの『魔法少女リリカルなのは』、ファンディスクの『とらいあんぐるハートリリカルおもちゃ箱』のミニシナリオの『魔法少女リリカルなのは』の3作で主人公を務めている。
それからスピンオフとして作られたテレビアニメシリーズの魔法少女リリカルなのはシリーズの主人公も務めた。
厳密に言えば、とらハ3のリリなのとテレビアニメのリリなのの担当声優は違うため、パラレルワールド扱いである。
映画や漫画、ゲームでも彼女の活躍は描かれている。
中でもコラボ作品として、Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤや、戦姫絶唱シンフォギア、魔法少女まどか☆マギカなどのアニメのキャラ達との共演も果たしている。
そう。
『魔法少女リリカルなのは』シリーズは、従来の【女の子が主人公の可愛い魔法少女】という枠を超え、【戦う魔法少女】というイメージを確立し、男性ファンにも支持される深みのある設定やドラマを取り入れたことで、魔法少女ジャンルの表現を拡張し、市場を拡大した作品なのだ。
単に可愛らしいだけでなく、重厚なストーリーや戦略的な戦闘描写を取り入れたことで、深夜アニメの男性ファン層に受け入れられ、魔法少女作品の新たなファン層を開拓したのである。
これらの要素が融合した結果、魔法少女ジャンルそのものの表現の幅が広がり、作品のヒットによって市場が拡張される結果となったのである。
まあ、長々と語ってしまったが……つまりなのはさんスゲェと言いたいのである。
そんなスゲェなのはさんが今、俺の目の前にいる。
「高町なのはです。よろしくね」
「……ヒエン・オオゾラ、いえ、大空氷炎です。よろしくお願いします」
俺は頭を下げつつ、目の前の女性を観察する。
この世界のなのはは俺より歳上である。
年齢はこの世界の今の時期だと、23〜24歳か?
バリアジャケットのデザインからして、純戦闘用のエクシードモードであろう。
なのはの空戦魔導師としての資質を最大限に活かすために組み上げられたモードであり、絶対的な強度を誇っている。
彼女の莫大な魔力量も相まって、その防御力は俺が今まで戦ってきたSランク魔導師の最上位をいくはずだ。
つまり、防御力だけでもプレシアやギル・グレアム、ゼストさん達の上をいくのだ。
うん。
滅茶苦茶戦いたくねぇ……。
俺が内心で愚痴っていると、目の前のなのはさんは何が楽しいのか、ずっとニコニコしている。
「ヴィヴィオ……私の娘から君の事はある程度聞いてるよ。物凄く強いんだって?」
「……アハハハ。ソンナコトハナイトオモイマスヨー」
いや、ちょっとスパーリング相手しただけだから。
ちょっと隙を付いて、勝っただけだから。
「別に謙遜しなくてもいいんだけどな〜。ヴィヴィオが毎日、それはもう楽しそうに、君の事話すから私も気になってたんだよ〜」
毎日ぃ!?
おいぃ!!
ヴィヴィオー!!
俺達まだ知り合って約二週間しか経ってないんですけど!?
そんなに特に話す事もないと思うんですけど!?
一体何の話してんの!?
「ソ、ソウナンデスカー。イヤー、ハズカシイナァー」
とりあえずここは適当に会話を合わせておいて、まずは心を落ち着けよう。
いきなりの白い魔王様の登場により、俺の精神が乱れている。
落ち着け。
超落ち着け。
落ち着けよ、俺。
「そこに今回の認定試験の試験官の話が来てね?これはもう渡りに船だっ!!……って、思った訳なんだよ〜」
「ヘェー。ソンナグウゼンアルンデスネ」
泣いてもいいですか?
「本当だよね〜。でも私、噂のヒエン君と模擬戦出来るって聞いて、ワクワクしてるんだよね。だから君も変に緊張せずに、全力で来てほしいな」
「ア、ハイ」
俺はビクビクしてますけどね。
「
死刑宣告かな?
「……オテヤワラカニオネガイシマス」
いや、本当マジで、切実に。
◆◆◆
俺達は約十数メートルの距離を開けて向かい合っていた。
「それじゃ、世間話はこれぐらいにしてそろそろやろっか」
「……はい」
俺は目を閉じて精神を集中させる。
「セットアップ、真・スピリットフォーム」
俺は死ぬ気モードになると同時に、黒いジャケットに白いカッターシャツ、黒いネクタイ、黒いベストに黒いスラックスといったスーツ型バリアジャケットに換装する。
そして上腕部を保護する黒い篭手を装備すれば、準備完了である。
「……なるほどね」
なのはさんは俺が戦闘準備を済ませると、一言呟く。
何か納得したようだ。
俺は改めて彼女を観察する。
なのはさんの手には起動状態となった魔導の杖、レイジングハートが握られている。
そこから伸びる弾倉や、握り手となるステッキ部分。
これこそエースオブエースと共に十年以上空を飛び続けてきた愛機の真の姿である。
相対して分かったが、なのはさんは常に自然体でいる。
その様子だけで彼女の強さの一端が窺える。
間違いなく、俺の世界のなのはよりも強い。
まあ、俺の世界のなのははまだ十歳であるし、こちらの世界のなのはさんはもう大人だ。
色々な経験だって積んでいるだろうし、差があって当然だ。
そんな彼女に今の俺がどこまで食らいつけるかが、勝負の鍵となるだろう。
俺は元の世界のなのはとインターミドルの期間中に一度勝負して、辛勝している。
オーバーSランクの魔導師との戦闘経験だって何度もある。
だが、こちらの世界のなのはさんはそう簡単に勝てる相手ではない。
なんせ相手は戦技教導官という戦いのプロで、その中でも伝説のエースオブエースと呼ばれる程の人物なのだから。
『両者、準備の方はよろしいですか?』
俺達は頷く。
すると、通信にて試合開始のカウントダウンが告げられる。
『3』
なのはさんは愛機を構え、いつでも魔法を行使できるよう魔力を循環させる。
『2』
俺も両手の拳に炎を展開させて、前を見据える。
『1』
互いの距離は十数メートル。
魔導師にとっては、特に意識するほどの距離でもない。
故に、俺のやるべき事は決まっていた。
『試合開始!』
開始直後、俺はグローブをブースターになのはさんの背後、死角へと回り込む。
彼女には悪いが、開始早々に終わらせる。
事前に俺の身体データにも目を通しているだろうし、先程の儀式魔法の試験も見ていたはずだ。
ヴィヴィオからも話を聞いているらしいし、俺の戦闘スタイルも予測していることだろう。
ならば、彼女がその強さを発揮する前に倒すしかない。
そしてそのチャンスが、試合開始直後の、この一瞬という訳だ。
さすがに両手の炎を利用して、背後に回り込むという戦法はさすがの彼女も未経験のはずだ。
「フッ!」
俺は彼女の首筋に手刀を繰り出す。
(いける!)
完全に入ったと思った。
ガキンッ!!!!!!
だが、俺の手刀は見事に防がれる。
《Protection EX.》
俺の攻撃を察知したレイジングハートが自動詠唱で防御魔法プロテクションEXを発動させ、手刀を防いだのだ。
ならばと思い、今度は彼女の正面に回り込み、炎を纏った回し蹴りを放つ。
「っと!」
しかし、今度はレイジングハートでしっかりと受け止められてしまった。
「……びっくりしたぁ。ヒエン君、フェイトちゃん並に早いね」
「びっくりしたで受け止められる威力ではないんですがね……」
いや、一応俺もフルドライブ状態の、しかも炎を纏わせての蹴り技で、それも発勁込みの破壊力もそれなりにあるはずの攻撃だったんですけど……なんでこの人、何食わぬ顔で受け止めてるのん?
「レイジングハート!」
《Accel Shooter.》
「やばっ!?」
直後、桜色の速く鋭いホーミングレーザーの如き魔力弾が一斉に解き放たれる。
「シューット!!」
俺は加速魔法ブリッツアクションを使用して、その場から緊急離脱する。
いや、ちょっと待って?
えげつないくらいの威力なんですけど?
魔力弾に込められてる魔力量が尋常じゃねえ!?
「
俺も額の炎の質を柔から剛に切り替え、20発の魔力弾を展開させる。
Sランクを超える奴らは、全員人間を辞めているような怪物ばかりなので、小細工など全く持って不要。
全力で当たらねば瞬殺される。
二つの弾丸が俺達の中間地点でぶつかり、激しい爆発と衝撃が走る。
魔法弾の衝突によって生まれた煙幕を突き破ってきたのは、勿論桜色の弾丸だった。
相打ちにすらならないことは予測済みだったので、ラウンドシールドを展開させて受け止める。
数瞬足らずで目標に到達した桜色の魔法弾が、オレンジの魔法陣とせめぎ合うが……
「重っ!?」
球体状に圧縮された魔力の塊が圧力を伴ってぶつかる衝撃は、予想以上の威力だった。
なんせ俺の脚をアスファルトに僅かながらも、めり込ませるほどなのだから。
シールドから伝わる重みは並大抵のものではない。
「いや、だからってここまでの威力なのかよっ!?」
射砲撃の威力はあのヴォーラスと同等、若しくはそれ以上の強さはある気がする。
どうやら未来の魔王様は、俺の想像以上に強いらしい。
ゾクッ……
その時、悪寒にも似た感覚が俺の身体を駆け巡る。
すると真横から桜色の砲撃が飛来する
「
俺は咄嗟に右側に大きな氷の盾を形成する。
「ハイペリオン……スマッシャー!!」
直後、俺の背後側方へと回り込んでいたなのはさんが強力な砲撃魔法を放つ。
「おおおおおおおお!!」
声を上げながら氷に魔力を送り、強化する。
それでも威力が凄まじいのか、氷の盾に徐々に亀裂が入っていくが、額の炎をさらに燃え上がらせて亀裂を修復する。
しばらくすると、砲撃が収まった。
「……なんとか持ち堪えたか」
だが、今度は左側頭部に飛来する魔力弾の
「ええい!次から次へと!?」
「プラス……ハンマーバレット」
なのはさんの呟きが聞こえると同時に、俺は身体を捻りながら右拳に炎を纏わせ、パンチを放った。
「
剛炎の拳とハンマーバレットがぶつかり合う。
だが打ち勝ったのは俺であり、桜色の魔力弾は消滅した。
「フゥ……」
俺は息をはいて気分を落ち着かせる。
発勁を修得していて助かった。
これがなかったら、さらに防戦一方になっていた事だろう。
そして、俺はそれを放ったであろう御人に目を向ける。
「凄いっ!凄いよっ!!ヒエン君!!!」
ものすごっっっっっく……目が……キラッキラッ……していた。(白目)
次回は模擬戦続き。
長くなりそうだったのでちょっと分けました。
では、また( ゚д゚ )クワッ!!