大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

とりあえず一言。

ギャグが書きたかった。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百九話 脱走します

ヒエンside

 

 

 

俺は目が覚めると病院のベッドの上にいた。

 

 

「知ってる天井だ……」

 

 

首だけ動かして周りを見ると、見慣れた病室であった。

 

うん。

海鳴大学病院の…病室の個室だった。

より詳細に言えば入院したことある部屋だった。

 

起き上がって身体を見てみる。

 

所々に包帯が軽く巻いてあった。痛みは……特にない。久遠から結構攻撃食らったんだが……恐らく那美さんと十六夜さんがヒーリング能力である程度治してくれたんだと思う。

 

窓を見てみると、病院の庭園スペースでは出歩いている人達が大勢いた。

 

時刻は昼過ぎくらいか?

 

とりあえず俺はナースコールを押して起きた事を伝えることにした。

 

 

 

 

 

 

病室で待っていると白衣を着た女性がやって来た。

 

銀髪のロングヘアーの外国人で、小柄なせいか随分と幼い印象が強い。

 

 

「はじめまして、貴方の担当をさせていただくフィリス・矢沢です。どうぞよろしくお願いしますね」

 

 

フィリス先生が俺に優しく微笑む。

 

だが俺はそれどころではなかった。

 

 

 

フィリスさんやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ヾ(@゜▽゜@)ノ

 

 

 

内心、狂喜乱舞していた。

 

何を隠そう……俺がとらいあんぐるハートシリーズで一番好きだった女性がこのフィリス先生なのだ。

 

身長150cmにも満たない小柄で愛らしい容姿…

 

優雅で可憐な銀髪……

 

白衣を華麗に着こなす大人の魅力……

 

こちらを(いたわ)るような優しい微笑み……

 

そう……それらはまるで……

 

 

 

 

 

 

「白衣の天使」

 

 

 

 

 

 

ボオン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

といきなり何かが爆発したような音が聞こえた。

 

見るとフィリス先生がアワアワ慌てながら顔を真っ赤にさせていた。

 

 

「い、いきなり……いきなり何を言うんですか!?」

 

 

「へ?」

 

 

何を慌ててらっしゃる?

 

 

「しょ…初対面の女性に向かってナ、ナンパというのはいかがなものかと!?ましてや私と貴方は医者と患者という関係でありますし!!」

 

 

「あー……あの先生?とりあえず一旦、落ち着いてもらえませんか?」

 

 

それにそんな大きな声で言われるとマジでナンパしてると思われるから!?

 

そこからフィリス先生が落ち着くまで10分を要した。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

フィリス・矢沢さん

 

フィリスさんは遺憾ながら……誠に遺憾ながら……

 

恭也君主人公の……恋愛アドベンチャーゲーム『とらいあんぐるハート3』の登場人物で、なのは主人公の『リリカルおもちゃ箱』に出てくる隠しヒロインである。こんなに可愛いのになんで隠しなんじゃウラア!!表だったヒロインでええやろうがウラア!!Σ(゜Д゜)

 

フィリスさんは、とらハ3では医師をしており、恭也君の担当医だけでなく、あの戦闘民族高町家専属の主治医でもある。……ちょっと高町家に養子縁組申請してこようかな?

 

ストーリーによってはフィリスさんと恋人になれるという、まことうらやまけしから……ゲフンゲフン……とてもありがたいストーリーになっている。

 

なんか考えてたらムカついてきたな。

ちょっと恭也君にケンカ売ってこようかな?

 

フィリスさんは高機能性遺伝子障害病:通称HGSという能力の超能力者に当たる。

 

HGSとは遺伝子が何らかの原因で変調をきたし、翼……フィンと呼ばれる物が背中から生えて超能力が使えるようになることを言う。

 

もちろん翼なので空を飛ぶことも出来る。

 

HGSの超能力者は他にもおり、フィリスさんの姉、よく俺にちょっかいをかけてくる銀髪合法ロリのリスティさんもHGSの超能力者の1人である。

 

俺の知る限りでは後3人の超能力者がこの世界にはいる。まぁ、それはまた今度話すとしよう。

 

話に戻るが超能力といっても一応これは病気に当たる。人によって症状が違うのだ。

 

テレポートを使う人もいれば、念力であるサイコキネシスの使い手もいるし、心や記憶を読むサイコメトリーの能力者などもいる。能力は多岐に渡るのだ。

 

だがそんな便利なものばかりではない。

 

副作用ももちろん存在する。

 

能力が使いこなせなければ暴走を起こし、能力者自身にも危険が迫る。

 

そもそもHGSは精神に直結しているからか怒ったり、悲しんだり、極端に感情を乱すと能力が暴走しやすくなるのだ。

 

能力を使いこなすには自分の感情をうまくコントロールし、穏やかな感情を身に付けなければ苦労する。そのため幼少期から検査や投薬などを繰り返さなければならず、身体が弱い子などが比較的多い。

 

HGSはこの世界ではテレビで特集が組まれることもあり、世間的には一般の人にも認知されている。

 

 

「…体調の方に問題はないみたいですね…」

 

 

「はい」

 

 

フィリス先生は俺の胸に聴診器を当て、体調を見ていく。

 

というかフィリス先生近い…めちゃくちゃ近い。そしてめちゃくちゃいい匂いがする。

 

あとフィリス先生がはいているスパッツがやたらとエロく見える。

 

それらの要因で俺は柄にもなく緊張していた。

 

 

「あら…心臓の鼓動がやけに速いですね…」

 

 

それは貴方が無防備に近付いてくるからです!でも役得!本当にありがとうございます!Σd(・∀・´)

 

 

「どこか体調が悪いだとかありませんか?よく見れば顔も少し赤いですし……夏風邪かしら?」

 

 

「い、いえ……ちょっと暑かっただけです」

 

 

俺は病衣をキッチリ戻す。

 

そして自分の胸を触ると、引っ掻きキズみたいな跡が残っていることに気付く。

 

これは……久遠に爪で攻撃されたものについたものか。

 

俺はしばらくそれを見る。

 

見たところ…

少ししか残っていない。

これならあまり目立たないだろう。

 

そして顔を上げると、フィリス先生が少し心配そうな顔で俺を見ていた。というか今気付いたけどフィリス先生……リインフォース・ツヴァイにそっくりだなあ。

 

 

「あの……大空君大丈夫ですか?」

 

 

「あ、はい。大丈夫です」

 

 

どうやら心配をかけてしまったようだ。

 

そしてフィリス先生は真面目な顔で俺に話し始めた。

 

 

「貴方の事は那美さん達から詳しく聞いています。どうやら…大分無茶をしたみたいですね?」

 

 

「えーっと……フィリス先生は那美さん達の事をご存知で?」

 

 

「はい。那美さん達のお仕事についてはよく知っています。大空君が目覚めたことは既にさざなみ寮の皆さんに知らせましたから……もうすぐ来ると思うのでおとなしく待っていて下さいね?」

 

 

「え?そうなんですか?」

 

 

「はい。皆さん大分心配されてましたよ?なんせ()()()()()()()()()()()()

 

 

「……マジですか?」

 

 

「マジです」

 

 

まずいよ……

なんか分からないけどいろいろまずいよ…

その証拠に超直感がかなり警鐘を放ってるよ。

 

あの責任感の強い神咲姉妹の事だ。俺に対して何か言ってくるはず。

 

いやそれだけじゃない。今回の騒動の中心人物……純粋なキツネ巫女…久遠だっている。俺に大ケガを負わせた罪の意識で大泣きするかもしれない。

 

さらに下手をすれば……あの高町家にも負けないお人好し集団さざなみ寮のことだ。あの個性の強い集団全員で俺の病室に見舞いに来るなんてこともあり得る!!

 

今までの経験から分かる。

 

そうなれば何か予想も出来ない事が起こるかもしれない。いや、絶対に起こる!!

 

かなりめんどくさいことが起こるのはほぼ九割の確率で分かっている。もはや自明の(ことわり)

 

というわけで……

 

 

 

脱走します!!ε=(ノ゚Д゚)ノ

 

 

 

そうと決まれば早速行動を起こす。

 

 

「フィリス先生……ちょっとトイレ行ってきていいですか?」

 

 

「はい。大丈夫ですよ。立てますか?」

 

 

「あ、大丈夫です」

 

 

靴をしっかりとはいた後、ゆっくりと歩く。

 

うん。

問題なく歩ける。

 

 

「じゃあちょっと行ってきますね?」

 

 

「はい。トイレの場所は左に曲がって真っ直ぐいったところにありますので」

 

 

「はい。分かりました。ありがとうごいます」

 

 

そして俺は病室を抜け出すことに成功する。

 

 

(計画通り!)

 

 

今の俺は某キラのような顔で笑っていることだろう。その証拠にすれ違う人が驚いたような表情となっている。……うん。やめようこの顔。

 

そしてトイレを通りすぎ、その端の階段を降りる。ここは2階であるため、階段を降りるとすぐに1階だ。そこから出口まで歩けばもう俺の勝利はもらったものである。

 

フハハハハハ!

勝った!勝ったぞ!!

 

という訳で意気揚々と病院の出口へと向かっていると、1階ロビーで石田先生と八神はやて、ヴォルケンリッターの4人が談笑している所に遭遇した。

 

 

 

は?

 

 

 

え?

 

 

 

石田先生はいいとして…はやて?ヴォルケンリッター?

 

 

 

アイエエエエエエエエエ!!!Σ(Д゚;/)/

 

 

 

なんで!?

どうして!?

なぜこのタイミングでロビーにいる!?しかも全員大集合!?

 

いや!

まて落ち着け俺。

クールだ。クールになれ大空氷炎。

 

奴等にはまだバレていない。

となればおとなしく周れ右を……「あ、ヒエン兄ちゃ~ん!」……って当然無理ですよねぇ~

 

 

「お、おいっす」

 

 

とりあえず俺は全員に挨拶を返しておく。

 

 

(あ、相棒……出力リミッター!)

 

 

『ガゥガゥ』

 

 

あ、そう。

 

良かった。

とりあえず相棒が既に出力リミッターでリンカーコアの制限をしてくれているおかげでシャマルに魔導師だとはバレなかったようだ。

 

 

こえぇー((((;゜Д゜)))

 

 

「む……大空か」

 

 

「あ、ヒエンじゃねえか」

 

 

シグナムとヴィータが反応する。

 

 

「シグナムもヴィータも…おいっす」

 

 

俺は基本的にヴォルケンリッターとはタメ口で話している。彼女達がそれでいいと言うからだ。それで逆に遠慮しては、彼女達に失礼である。

 

 

「ヒエン君……この間ぶりね~」

 

 

「久しぶりだな」

 

 

ほんわか女性シャマルと、寡黙な男ザフィーラが声をかけてくる。

 

 

「シャマルも、ザフィーラも久しぶり」

 

 

シャマルとザフィーラにも挨拶する。

 

 

「ヒエン君……元気そう……なの?」

 

 

「あははは……ボチボチです」

 

 

石田先生の質問には控え目に返しておく。すると俺の裾をチョイチョイと揺らす感覚が。見ると車いすに乗ったはやてであった。

 

 

「なぁ、ヒエン兄ちゃん。なんで病衣なんて着てるん?もしかしてまたケガしたんか?」

 

 

「ん?あ、いや……ちょっと事故っちゃって。でも軽傷だから心配ないよ」

 

 

俺は腕の包帯を少し見せる。

 

 

「気いつけてや?こないだなんて大ケガしててんから…」

 

 

「あ、その節は本当にお世話になって……」

 

 

「ええよええよ。ほな、ウチ今日はもう帰るから。兄ちゃんまた家にごはん食べに来てえーな」

 

 

「そのときはお菓子持っていくよ」

 

 

「うん。ほななー」

 

 

シグナム「ではな」

ヴィータ「じゃあな」

シャマル「またねー」

ザフィーラ「失礼する」

 

 

そして、はやて達は出口へと出ていった。

 

それを見送った俺と石田先生は顔を合わせる。すると石田先生は露骨にため息をついた。

 

なして!?

 

 

「はぁー。貴方、今度は()()()()()()()()()?こないだ入院してたときなんて頭から血出して、背中に切り傷まであって全身打撲の重傷だったっていうのに……」

 

 

「あの先生……俺が何かに巻き込まれてる前提で話すのやめてもらえませんかねぇ!?」

 

 

「あら、違うの?」

 

 

「………」

 

 

ゼンゼンアッテマスケドorz

 

 

「沈黙は肯定ととるわよ?」

 

 

「すいませんでした!!もう十分反省してるので勘弁してもらえないでしょうか!?」

 

 

「はぁー。まぁ、私も仕事があるからこれで失礼するけど……でも本当に無茶はしちゃだめよ?」

 

 

「あ、はい。ありがとうございます」

 

 

「じゃあまたね」

 

 

「はい。失礼します」

 

 

そして石田先生も去っていった。

 

しかしまぁ…これで障害もいなくなったし……

 

 

「よし…脱走の続きとしゃれこむか」

 

 

「へぇー。どうして脱走なんてするんだい?」

 

 

「そんなの決まってるじゃないですか。あのお人好し集団……さざなみ寮の面々からに決まってるでしょう。あの個性の強すぎる面々に、一度に病室にこられたら絶対めんどうな事が起こるでしょうし……それに神咲姉妹には説教されるのは目に見えてますし……逃げるんですよ」

 

 

とここで気付く。

 

俺は()()()()()()()()()()()

 

超直感の警鐘がヤバイことになっている。

 

【絶対に後ろを見るな!!】と言っている。

 

うん。

どこのホラー映画だ。

 

 

 

ガッ!!!!

 

 

 

そして俺は勢いよく両肩を掴まれる。

 

 

 

ミシッ!!ミシッ!!ミシッ!!

 

 

 

人の肩からおよそ出てはいけない音がなっている。というかこんな音がなってるのに()()()()()()というのが逆に恐ろしい。

 

そして俺は恐る恐る後ろを向くと……俺の肩を掴んでいるのは……神咲姉妹であった。もちろんいい笑顔であった。

 

さらにその後ろには……いい笑顔をしているさざなみ寮の()()()()()()()()

 

 

「さあて……バカ弟子……今回のことで我ら全員お礼を言おうとここまで来たのに……なぜ貴様は……()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

「それにさっきの大ケガの件…はじめて聞いたよ?()()……()()()()()()?」

 

 

神咲姉妹の目のハイライトが消えててトテモコエェデス。

 

そして俺が毎度騒動を起こすみたいに言わないでほしい。

 

というか身動きとれないんですけど…。

 

アナタタチ……ホントニジョセイカネ?

 

 

「「マア、ハナシハビョウシツデユックリキカセテモラウヨ/モラオウカ」」

 

 

「キャーΣ(゜Д゜)」

 

 

そして俺は大人しく病室に連行されるのだった。

 

帰りを待っていたフィリス先生に怒られたのは言うまでもない。

 

だが怒った先生は……極限に可愛かった。

 

フィリス先生マジ天使。

 




最近悩みがあるのですよ。

聞いて驚くなよ?

ネーミングセンスが絶望的にないのだーーΣヽ(゚∀゚;)

はぁ。

次回はえっと、一応さざなみ寮の面々に主人公が関わってきた事件全部バレます。もう一度言おう。全部バレます。

では、また(・∀・)ノ

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