あと一ヶ月で、なのはRefrection公開しますね。
マテリアルも出ますね。
早くみたいわー。
シュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリを映像でめちゃくちゃみたいわー。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
『なのはのお姉さんとの練習試合凄かったよ。見てて興奮しちゃった』
時刻は23時を過ぎた頃…
俺は今フェイトから送られてきたDVDを自室で見ていた。フェイトは何やら楽しいことがあったのか笑顔で語っていた。こんなに嬉しそうな彼女を見ると俺も嬉しくなる。
『それでね……罰ゲームでのヒエンの女の子の姿、物凄く可愛かった!!』
すぐに死にたくなった。
おおおおおー!!!
見られてたー!!!
やっぱり見られてたー!!!!!
フェイトが俺の女装姿を知っているということは既にアースラ中に広まってると考えた方がいいだろうorz
お祭り好きの彼女のお姉さんと、その使い魔が楽しそうに話を広めているのがすぐに思い浮かぶ。
そしてフェイトは他にもアースラでの生活の事を教えてくれた。リニスの魔法の特訓をアリシアやアルフと一緒に取り組んでいること、クロノとよく模擬戦をしていることなど色々教えてくれた。
まぁ、元気そうで何よりだ。
『あ、そうだ。今度は私とも模擬戦してほしいな。クロノだけヒエンと戦えてずるいし』
体調が良ければいいよorz
そういえばフェイトとは一度しか戦ってなかったな。結局あの戦いも途中でジュエルシードが暴走して巨大Gと戦うことになったし。
『じゃあまたね』
そしてDVDは切れた。
今度は俺がフェイトにDVDを送る番である。
内容はどうするかな?
そうだ。
今度のお返しのDVDはさざなみ寮の皆さんを紹介してみようかな?というか俺は友達を一人も紹介していないということに今さら気が付いた。まぁ、それはおいおい考えるか。
そういえば明日は例の日だった。
時間に遅れないようになのはと合流しないとな。
そして俺はDVDを片付け、眠りについた。
ヒエンside end
◆◆◆
なのはside
なのはは自室でフェイトから送られてきた
ちなみに昼間にアリサの屋敷にて、いつもの仲良し三人組で
『……じゃあ続き、先にアルフに替わるね』
映像は一端途切れアルフの姿が映った。
『久しぶりだね…。なのは、ユーノ。こっちはもう超元気でやってるよ。最近は容疑者扱いもだいぶ緩くなってきてさ。あたしらの素行もいいから、もうほとんど自由行動だね。管理局の人達にもよくしてもらってるよ。次はこの子に替わるよ』
するとアルフから別の人物に替わる。
『久しぶり~!元気~!なのは!!ユーノ!!』
「アリシアちゃん!!」
そこにはアリシアも映っていた。実を言うとアリシアもフェイトと一緒にDVDに映りたかったのだが、ある日リニスにイタズラを仕掛けた結果、怒らせてしまい謹慎処分を食らったのだ。そしてその謹慎が解けて、ようやくDVDに映ることができたのだ。
『いや~全くリニスも頭が堅いよ。ちょっとしたユーモアなのにぃ~』
「にゃはははは…」
「彼女らしいね」
アリシアの説明を聞いて苦笑いするなのはとユーノ。
『そうだ。フェイトもそんなところにいてないで映ろうよ~』
『わ、わわ。ちょっと姉さん…』
するとアリシアがフェイトを引っ張ってくる。
『え、えーっと…ま、まだ私もアルフも姉さんもぎこちないところがあるけど…アースラの人達とも仲良くしていきたいって思ってるんだ…』
フェイト、アリシア、アルフの三人が映る。
『でもリンディさんのお茶にはビックリしちゃったかな…。あんなにお砂糖を入れるんだね…』
「フェイトちゃんも見たんだね…」
『あ、驚きと言えばエイミィが料理、上手くてさ。これもちょっとびっくりなんだよ』
『リニスにも負けないくらい美味しいよね!』
「そうなの?」
「うん!」
ユーノがなのはに聞く。
「例のお料理の準備もエイミィさんがするんだって!」
「へええ!」
なのはとユーノの言う例の日にエイミィが腕を振るうらしい。
『今はクロノと魔法の訓練もしてるんだ…。でも完全に子供扱いで…なのはもけっこう苦戦するかも…』
『あの子はもうホント容赦無いからなあ』
『ホントに的確なところばかり攻めてくるもんね…』
「そうなんだ…」
なのははクロノに指導してもらったことはあるが、戦ったことはなかった。
『ユーノも見てる?』
「うん!」
『……なのはの魔法本当にすごかった…。なのはの魔法はユーノが教えてたって聞いたよ。…会えるようになったら私にも魔法を教えてくれるかな?……防御とか補助系の魔法はどうも苦手なんだ』
「もちろん!」
『ユーノ…お互い相棒同士が友達になったんだからさ…あたしらも仲良くしよう。自由の身になったら……一緒に散歩とか行きたいね』
「そうだね」
「うん!」
そしてしばらくしてDVDは終了した。
なのはは机に置いてあるカレンダーを見る。そこには翌日の日にちが、赤い丸印で囲われていた。
「ついに明日だね…喜んでくれるといいね!」
「うん!」
(……きっと明日はフェイトちゃんにとって特別な日。いっぱいの笑顔があふれて…フェイトちゃんの素敵な思い出になる日)
なのはは待機状態になっているレイジングハートを手に取り、気合いを入れる。
(……私にはちょっとのお手伝いしかできないけど…リリカルマジカルがんばります!!)
そしてなのはは明日に備えて眠った。
なのはside end
◆◆◆
アースラside
クロノとエイミィは、フェイト達の夕御飯を艦長室へとサービスワゴンで運んでいた。
「…なのはに連絡したのか?」
「うん♪」
「……何をしようとしてるかは知らないが面倒事は起こさないでくれよ…」
「…そんな事はしません」
「…ヒエンの時みたいなミスはしないでくれよ?」
「…分かってるよー」
エイミィは少しションボリしたような表情で返す。ヒエンとの通信でミスが発覚したエイミィはクロノに、こってりとしぼられたらしい。
現地の人間に会話を聞かれるというオペレーターとしてあり得ないミスを犯してしまったが……ヒエンがクロノに何も問題はなかったと伝えたことで減給半分だけで済んだ。
しかしこれでもし……何も知らない第三者に聞かれていようものならどうなっていただろうか?と考えると、少し恐ろしくなるエイミィであった。
そしてリンディの艦長室にてフェイト、アリシア、アルフ、リニス、リンディの五名はリラックスしながら席に座っていた。
するとエイミィとクロノが料理を持って部屋へとやってきた。そして机に料理を置いていく。
ガタンッ!!
机に置かれたハンバーグにアルフが反応する。全員の視線が一気にアルフへと向いた。
「…ええと!あのその…!」
「全く…アルフ貴方という人は…。はしたないですよ?」
「だって仕方ないじゃないか~」
リニスがアルフに注意する。アルフはションボリしながらも机の料理から視線を外さない。
「よかったら私の分もあげるわ」
エイミィとリンディがさらに料理を並べていく。
「うーん!でも…!!」
アルフがリニスに視線をチラチラと向けていると…
「じゃあ!私がもらう!!」
「あ、ズルいよアリシア!!」
アリシアが既にもらっていた。
「えへへ。まだまだいっぱいあるからね~」
落ち込むアルフにエイミィはさらに料理を並べていく。アルフの機嫌は数秒で良くなった。
その様子をフェイトは静かに優しそうな笑顔で見ていたのだった。
そして翌日…
クロノは情報室にてある作業を行っていた。
ピッピッピッ…
「ふう…これでよし……」
ビィー
そのとき資料を持ったリンディが情報室へとやってきた。
「あ…艦長」
「あらクロノ、ちょっとした資料確認でね……クロノは?」
「夕方には調査審問からフェイトが戻るのでトレーニングルームの準備をしておこうかと」
「ああ…調査審問は今日で終わりだものね」
「アースラ艦内でならフェイト達もほとんど自由行動ですからね。稽古はフェイトからのリクエストです」
「……はぁ…」
そのときリンディが軽く溜め息をつく。気になったクロノは聞いてみた。
「どうしたんです艦長?」
「……それにしてもほんとフェイトさんも、なのはさんも、ヒエン君もウチに来てくれないかしら?」
「そうですね…」
「だって素敵じゃない?
リンディの言うとおり、四人共綺麗にタイプが別れていた。
なのはは、強靭な防御力で攻撃を弾いたり、受け止めて操作性に優れた多数の誘導弾と、一撃必倒の大威力砲で仕留める重装高火力のパワー型の魔導師であり、
フェイトは、高速移動からの斬撃による一撃離脱を得意とし、射撃・広範囲魔法も優れた前衛戦闘型の魔導師である。
クロノは、遠・近の攻撃から防御、補助に至るまで、効率を重視した魔法を偏りなく使いこなし、相手の動きを先読みし無効化することに特化した万能型の魔導師であり、
ヒエンは高速移動からの徒手空拳を得意とし、相手に合わせて様々な攻撃や防御、幻影などを駆使して戦うクロノとはまた違った万能型の魔導師である。
「強制はできませんよ。彼らの未来を決めるのは彼らですから」
「それはそうなんだけど…」
「今度ヒエンが嘱託魔導師の試験を受けるようですけど…」
「あら…そうなの。なんとか勧誘できないかしら?」
リンディが顎に手を当て考える。クロノは再度話しかけた。
「ああ、それから艦長も僕らと夕食の時間を合わせてくれませんか?」
「?」
「フェイトの帰艦に合わせてエイミィが腕を振るってくれるそうです」
「あら、ほんと?……そういえば今日って確か……」
「リンディ艦長?」
「…ふふっ……秘密のお楽しみはとっておきましょう」
「???」
楽しそうなリンディの反応にクロノは首を傾げる。
「……まぁ、食事はみんなでする方がいいものですし、フェイトもアルフも楽しみにしているそうです」
「そうね。ぜひ参加させていただくわ」
「では、よろしくお願いします」
「楽しみね」
その頃フェイトはというと…
アルフと共にミッドチルダの時空管理局へと来ていた。
「ではこれで本日の調査はすべて終了とする。お疲れ様」
「はい。ありがとうございました」
「どうも」
フェイトとアルフの前には一人の女性審査官が立っている。今日の分の調査は終わった様である。
「何かあればご連絡します。8番艦アースラでしたね」
「はい。よろしくお願いします」
フェイトはペコリと頭を下げて時空管理局を後にした。
「あー…疲れた」
「お疲れ様アルフ」
「しかし裁判っていうのはいろいろ面倒だね」
「そうだね」
キュルルル
そのときアルフのお腹が鳴り響いた。
「はぁ、頭凝るし…お腹も減ったし…」
「今日はエイミィが夕食を作ってくれてるんだって」
「やった!メニューは何かな~?夕飯までおやつは我慢だ!」
「ふふっ楽しみだね」
二人は楽しそうに歩いていく。そしてアルフはフェイトに気になっていることをふと聞いた。
「……フェイトはさ、裁判が終わったらどうするの?やっぱりリンディ艦長の誘いを受けて管理局に入る?」
「…そうだね……まだ決めてないよ。しばらくは自由なままでいたいなとも思うし、なのは達に会いに行きたいとも思うし」
「……そっかぁ…」
「アルフはどこか行きたい所とかある?」
「あたしは別に…どんな時だってフェイトの隣があたしの居場所だから…笑ってるフェイトと美味しい食事とふかふかタオルがあれば後はもうなんにも要らないよ!」
「ありがとうアルフ」
二人はゆっくり歩きながら話す。
「……アルフとは小さい頃からずっと一緒だね……。アルフは覚えてた?今日はわたし達の……」
「……覚えてるよ!あたしとフェイトの
「うん!」
そして二人とも外へと出るとミッドチルダの転送ポートへと向かった。
シュンッ!!
「エイミィただいま」
「ただいま~」
転移魔法でアースラへと帰って来たフェイトとアルフ。するとエイミィがエプロンをしながら忙しく動き回っていた。
「お、フェイトちゃん、アルフ帰ってきたね」
「エプロン着けてこれからご飯の支度?」
「おう!今夜は気合い入ってるよー!」
エイミィは笑顔で二人に話す。
「手伝おうか?」
「わたしも」
「今日はいいよ。二人ともゆっくりしてて」
「そう?」
「そうなの!」
エイミィが笑顔で話す。
「あ、フェイトちゃんは艦長がお話あるからクロノ君との稽古の前によかったらブリッジに来てだって」
「じゃあこれから向かうよ。お茶を入れて持っていこうか?」
「助かるなぁ。ありがとう~」
フェイトとアルフはエイミィの仕事の補佐をよくしており、アースラでも家族のように接していった。
「給湯室に艦長のお気に入りのコーヒーを入れてあるから」
「うん、わかった」
「…じゃあ、あたしは散歩でもしてるかな」
「あとで合流しよう」
そしてフェイトとアルフは別れて、後で合流することになった。エイミィが手を振って見送った。
「夕飯までには帰ってくるよ!」
「行ってきます」
「今日のご飯はスペシャルだから期待しててね~!」
その頃…
リンディはメインルームにて情報をまとめていた。
「うん…本日も事件も事故も特に無しと……」
すると後ろからフェイトがコーヒーを持ってやってきた。
「リンディ提督失礼します」
「ああ、フェイトさん戻ったのね?」
「はい。さきほど帰艦しました」
「あら、コーヒーを持ってきてくれたの?」
「はい。どうぞ」
フェイトは入れたてのコーヒーを渡した。
「…うーん…良い香りね。ありがとうフェイトさん」
リンディはコーヒーを一口飲む。
「……これね、なのはさんのお店で出してるコーヒーなんですって。なのはさんのお母さんから頂いたの」
「……なのはのお母さん……きっと優しくて素敵な人なんだろうな……」
フェイトは優しげな表情で話す。リンディはそれを温かく見守りながら、フェイトを席へと案内した。
「…さ、座ってねフェイトさん」
「はい。失礼します…」
「……ごめんなさいね。いろいろ忙しくてあまりまとまった時間がとれなくて……」
「いえ……いつもありがとうございます」
「……今日は少し聞きたい事があるの」
「?」
「管理局の人間としての質問じゃないから無理に答えなくていいんだけど……」
「……お母さんの事…今はどう思ってる?」
リンディはフェイトにどうしても聞いておかなければならないことがあった。それがプレシアについてであった。
PT事件から約一ヶ月の月日が経った。
今は裁判も落ち着き、比較的穏やかな日を過ごしている。
そしていろいろ落ち着いた日を見計らって…リンディは思い切って聞いてみることにしたのだ。
「……またストレートですね」
「いけなかった?」
「……いえ」
フェイトは顔を少し伏せつつ話し始めた。
「……そうですね。少し時間が経っていろいろ気持ちも落ち着いてきました……。
裁判の最中、母さんの過去の事もいろいろ分かってきましたし……初めはやっぱり混乱しましたけど……今はもう自分でも不思議なくらい……恨む気持ちとか裏切られてたんだなって気持ちは無くて。
最初から最後までわたしは単に実験の失敗結果で……使えないお人形だったんだなって……」
「フェイトさんそれは…」
「違うんです……自虐的な意味じゃないんです。もっとその……厳然たる事実というか言葉通りの意味として」
「…………」
リンディは心配そうにフェイトを見る。
「………あの人は…母さんは…自分の大切な子に…アリシアに…姉さんに
だからこそわかってたんだと思います。作り物じゃ代わりにはなれないって。
……姉さんにそっくりなのにちっとも姉さんじゃないわたし。姉さんが眠ってるのに起きているわたし…。
……母さんはきっと思っていました。なんで失敗作のあなたが生きているのにアリシアは戻って来れないの……って……」
「………ひどい話ね………」
「……わたしは母さんが好きですし、尊敬してます。でもそれは姉さんの記憶を頼りにわたしがそう思い込んでただけで……わたしは最初から最後まで姉さんではなくって…
母さんの心の中にいた姉さんの代わりにはなれなかったから…
……だからそれはきっと母さんにしてみれば……ずいぶん残酷な事だったと思うんです……」
「フェイトさん…」
「母さんに言いたいことがあるとすればひとつだけ……」
「…え?」
「……それは本当の事を言ってくれなかった事。……わたしが生まれてすぐに……あなたはアリシアを蘇らせるために作った子だから私とアリシアのために働きなさいって…言ってくれなかった事……。
……そうしたらわたしはあんなに母さんの事を傷つけなかったし二人のためにもっといい方法を探せたかもしれないから……」
「……フェイトさん駄目よ……やっぱり自虐的に聞こえるわ……」
「あ、ごめんなさい…」
「大丈夫よ。謝らなくていいわ。それに貴方のお母さんと、お姉さんはあの子が助けてくれたでしょ?」
「はい///」
フェイトは少し顔を赤くしながら、俯いた。
「私が話を聞かせてもらってるんだもの…さ、胸を張って」
「えへん…」
フェイトは少し遠慮ぎみに胸を張る。
「ぷっ」
「ふふふ」
楽しそうに笑う二人。
二人の間には穏やかな空気が流れていた。
「……それに、仮にプレシア女史があなたにそう伝えていたとしましょうか。そうしたらあなたは全てを知ったまま、なのはさんや私達と戦う事になってたわよね?ジュエルシードを巡って……」
「………はい」
「……優しいあなたの事だもの。どっちを取るかきっと悩んだわ……。なんとか出来る道を探そうと懸命になってその間にやっぱりアルフやプレシア女史を傷つけたり困らせていたかも……」
「そう…ですね。その通りです」
「ね?愛情や想いって温かくて万能で、キラキラ輝く素敵なだけのものだって思ってしまうけど…実際はそうでもないのよね。
武器や魔法と同じ…大切な人を守ったり、自分を支える力にもなるけど人を傷つけてしまう事だってある。
強くなるほど…見えなくなるものも多いのに…どんなに強く育てても叶わない事もある。……なんだか皮肉ね」
「なんとなくだけどわかります」
「難しいわ…武器や魔法の扱いも……大切な想いの持ち方も」
「はい…」
リンディはコーヒーを一口飲む。少しぬるくなっていた。
「……ねぇフェイトさん?もう少しストレートな質問…」
「…はい」
「お母さんとはやっていけそう?」
「…わかりません。まだ…わからないです……」
フェイトは両手を胸の前に持って……目を閉じて話す。
「……でも…わからないから…それがわかるまで…わたしはあの人の…母さんの娘のままで……フェイト・テスタロッサのままでいようと思ってます」
「そう」
「……それに今のわたしは一人じゃありませんから。アルフにリニス、姉さんがいてくれますし。母さんも……その……謝ってくれましたから。これから時間をかけて……ゆっくりと過ごしていくつもりです」
「そうなの」
リンディはコーヒーを全部飲みほす。コーヒーはすっかりと冷めてしまっていた。
「でも無理はしちゃダメよ?いくら魔法が強くてもあなたはまだ子供だもの。自由になってもちゃんとした大人がついていないといろいろ大変な事もあるし………
プレシア女史が出てくるまで……あなたの事をいろいろ知っていて、別世界の友達とも上手くやっていけるようにするとなると……保護者は私が適任かしら?なんて思ってたのだけれど…」
「え!?あああの……ええと…あの……っ」
フェイトは慌てながら手をバタバタさせる。
「……そんなに慌てないで?急な切り出しだったわね…。ダメねぇ、どうも仕事の癖が抜けなくて……」
「いえ…!」
「うちのクロノとも仲良くやれてるみたいだし…でもまあ一番の理由はあなたがとてもいい子だからなんだけど。これでもね、人を見る目はけっこう確かなの」
「あの……お気遣いありがとうございます。その、素直にうれしいです」
「急な話だし、すぐに答えてくれなくてもいいわ。法的な後見人とかそういう部分だけで頼りにしてくれてもいいし」
「……はい」
「裁判が終わる頃まで…自由になれる時までにゆっくりと考えてくれたらいいわ」
「……はい。ふぅ~」
フェイトはゆっくりと息をはく。どうやら三十分ほど話していたらしい。
「失礼します」
そのときクロノがメインルームにまでやってきた。
「あらクロノ」
「艦長お話し中でしたか」
「もう終わるわ。フェイトさんにご用?」
「はい」
「じゃあフェイトさん、今の話はまたいずれ」
「はい」
そしてフェイトとクロノはメインルームを出ていった。この後、クロノと訓練をするのだ。
「行ってらっしゃい」
「「行ってきます」」
そして二人は訓練ルームにまで足を伸ばすのだった。
「あ、そういえば…フェイト、君に渡しておくものがあったんだ」
「?」
そう言うとクロノは歩きながら金色の三角形を取り出した。それはフェイトのインテリジェントデバイス:バルディッシュであった。
「フェイト、バルディッシュを返しておこう」
「あ、うん。ありがとう」
フェイトはバルディッシュを受け取る。
「バルディッシュ三日ぶりだね」
《Yes sir.》
「インテリジェントデバイスもいいものだな」
「うん、相棒だから…。クロノも持てば?」
「暇を見つけて組んでみようとは思うんだけど…処理速度が心配でね」
「
「ん?」
「………」
いきなり黙り混むフェイト。
(なんだかクロノ……お兄ちゃんみたいだな)
「どうかしたかフェイト?」
「な、な、なんでも…なんでも…」
(クロノがお兄ちゃんなら……なんて呼べばいいんだろう?兄さん?兄上?それともやっぱりお兄ちゃん?)
そして二人は訓練ルームへと入っていった。
互いにセットアップを済ませ向き合う二人。
「いくよクロノ」
「いつでもいいぞ」
そしてまずはフェイトが動き出した。
ヒュン!!
「はあッ!」
ガギンッ!!
勢いよくデバイスをぶつけ合う二人。
そして互いに少し距離を取る。
《Photon lancer.》
《Stinger snipe.》
そして射撃魔法でお互いを牽制し合った。
そのときフェイトがバルディッシュをクロノへと向ける。
「貫け!スマッシャー!!」
《Thunder Smasher.》
勢いよくクロノへと迫る金色の砲撃。
《Round shield.》
クロノはそれをラウンドシールドで受け止める。
だがそのとき……
ドゴッ!!
訓練ルームにあった測定器が爆発を起こし故障してしまった。
すぐにサンダースマッシャーを解除し、測定器へと駆け寄るフェイト。
シュウウウ…
測定器は焦げたような音を出しながら煙を吹かせていた。
「またやっちゃった…」
「一旦やめよう」
クロノが測定器へと近寄る。
「しまったなあ。こりゃ直すのはちょっと厄介だぞ…」
「ごめんクロノ…つい力が入っちゃって…」
「いや、こっちが相殺し切れなかっただけだよ。後で修復を手伝ってくれ。自分達で直す分には誰に文句を言われる筋合いも無いからね」
「…うん。ありがとうクロノ」
「しかし君はまた魔力が強くなってるのか……」
「バランスのとれた食事と健康的な暮らしのおかげかな?……
「良い事だ。今後も続けていくといい」
「うん、ありがとう。その……負けたくない人達がいるから」
フェイトの脳裏に炎の少年と、白い少女の後ろ姿がよぎった。
「……それにしてもやっぱりクロノには全然かなわないな……。本気を出されると全然当たらないし、避けられない」
「かなわれても困るんだけどな。本音を言うと今でも割とギリギリさ」
「どうだか…」
フェイトは苦笑いしながらクロノと話す。
「でもまあ、奴と戦うときは一切気を抜けないのは確かだな」
「奴って……ヒエン?」
「ああ。あの男は勝つためならば、あの手この手で来るからな。正直、戦いにくくてしょうがない。フェイトも気を付けろ?こちらが一度使った戦法は、奴には通用しない。いやむしろ……自分に使えそうなものは、積極的にパクってくるまである」
「そ、そうなんだ。気を付けるよ」
ひどい言われようである。
すると…
『こちらセッティング担当エイミィ。リンディ艦長、クロノ執務官、それからフェイトちゃんとアルフ。状況Dが完了しました。至急6番テーブルまで集合お願いします』
とエイミィからの通信が訓練ルームに響いた。
「……っと食事みたいだな。戻ろうか」
「うん。続きは夜にね」
そしてフェイトとクロノは、食堂へと向かうことに。通路を歩いていると…
「おつかれさま~」
「アルフ!」
「ああ」
アルフがいた。
そして合流し、三人で向かうことに。
「エイミィの料理…なんだろう?」
「ね?」
「だいぶはりきっているからな」
そして食堂にたどり着いた三人。
ザワザワ
ザワザワ
食堂では人がごった返していた。
「ただいま」
「ただいま~!」
フェイトとアルフの二人は、リニスとアリシアを見つけ声をかけた。
「お帰りなさいフェイト、アルフ」
「おかえり~」
するとアリシアがフェイトとアルフの背中を押す。
「はいはい二人ともこっちこっち~!!」
「わっ、わわっ」
「ちょっとアリシア」
そして二人をあるテーブルの前まで押すと……
「「「「「契約記念日おめでとう~!!」」」」」
パンパンパン!!!!!!
パンパンパン!!!!!!
そこにはクラッカーを持ったアースラスタッフ全員がいた。
机の上には色とりどりの豪華な料理が並んでいた。
「……あ、そういう事か!」
クロノはようやく合点がいったようだ。
そう。
今日はフェイトとアルフの契約記念日であったため、アースラスタッフ全員でお祝いしようと画策していたのだ。
「前の事情聴取の時に聞いてね?お祝いしたいなって考えてたんだ♪」
エイミィがサムズアップをしながら答える。
「おおおおおお、肉肉肉~!!散歩中、なんか良い匂いがしてきたなって思ってたんだ~…!」
アルフが目を輝かせる。
「これはまたずいぶん豪華だなあ」
「……す、すごい!」
クロノとフェイトも唖然としていた。
「こういう日は美味しいもの食べてのんびり過ごすものでしょ!」
リンディがノリノリで話す。
「誕生日じゃないんだけどお祝いのケーキも用意したよ」
エイミィが手作りのケーキを持ってきた。
「じゃあ照明を少し……落とすよー」
アリシアが照明を消し…
「ではロウソクに火をつけますね」
リニスが火をつけた。
ヒラヒラヒラ…
ヒラヒラヒラ…
「きれい…」
「うん」
ロウソクが綺麗に燃える。
「さぁ、二人で吹き消して」
「ああ…」
「ええと…その……」
そして二人はドキドキしながらケーキに近付く。
「「せーの………ふーーー…っ」」
パチパチパチ
パチパチパチ
オメデトー
カワイイゾー
フェイトチャンサイコー
アルフサンフンデクダサイー
アースラスタッフ全員が拍手する。
「あ、ありがとう」
「ああもう!あんまりフェイトを照れさせないで!……あたしもなんだか照れるんだから」
顔を赤くするフェイトとアルフ。
『おめでとうフェイトちゃん』
そのときフェイトの耳に聞き覚えのある
『わたしからもお祝いを言わせて』
それはフェイトが最も聞きたい
『おめでとう。フェイトちゃんアルフさん』
「………なのは…?」
フェイトが視線を向けると空中モニターになのはの姿が映っていた。
アースラside end
◆◆◆
ヒエンside
俺の目の前ではなのはが、フェイトとアルフを祝っていた。
『こ、これって禁止されているリアルタイム通信じゃ…!?』
フェイトが思わず立ち上がる。
『かわいい身内の特別な日だと管理の注意力も散漫になるみたいね』
『厳密には0,05秒遅れで繋いでいるのでリアルタイムではないですしね』
だがリンディさんとエイミィは気にしている素振りはない。完全にフェイト達はアースラの身内と思われているようだ。
良いことである。
それよりなのはさん?
そろそろ俺にもモニター代わってくんない?久しぶりに俺もフェイト達と話したいのですが…
「あらためておめでとう。フェイトちゃんアルフさん」
「おめでとう」
なのはとユーノがお祝いの言葉を話す。
『ありがとうなのは』
『ユーノもありがとうね』
フェイトとアルフもお礼を言った。
「それじゃヒエン君に代わるね?」
「あ、忘れてた訳じゃなかったのね」
「むぅ。ひどーい!忘れてなんていないよー!!」
なのはは、頬を膨らませながら代わってくれた。そして俺はモニターの前に移動する。
「えーっと、おめでとうフェイト、アルフ」
『ありがとうヒエン』
『ありがとう…』
フェイトは優しく笑いながら、アルフは少し照れながら笑っていた。周りをみるとリニスや、アリシアもいた。
「……今から俺となのは、ユーノがお祝いするから少しだけ見ててくれ」
そして俺は封時結界を発動させる。
そして籠手を出現させ、ある魔法を発動させる。
「いくぞ相棒!」
『ガァウ!』
そして俺は死ぬ気モードとなり、両手を上げて巨大なオレンジの魔法陣を展開させる。
「ちょ、ちょっと兄さん!?いきなり
「心配するな!きっとうまくいく!!」
「きっとって……願望じゃないですか!?無理ですよ!!
「安心しろ!大丈夫だ!!……タブン(ボソッ)」
「今、小さい声でたぶんっていったよね!?」
なのはとユーノがアワアワ慌てている。
『おいヒエン……一応聞くが大丈夫なのか?』
クロノが声をかけてくる。
「大丈夫!!大船に乗ったつもりでいろ!!」
ギュイイイイ…
そして魔法陣にエネルギーが集束された。
じゃあさっそく言わせてもらおうか!!
昨日一日考えた文言というものを!!
「
そのとき……
ドゴオオオオオォォォォンン!!!!!
「うお!?」
「きゃあああ!?」
「わあ!?」
俺達は巨大なオレンジの爆発に巻き込まれてしまった。そして…
「………」
「………」
「………」
チーン……プスプス
三人仲良く丸焦げになってしまった。
集束していた魔力エネルギーが突如暴発し、大爆発が起こってしまったのだ。
当然俺の近くにいたなのはと、ユーノもその被害を受けた。
「ケホッ…失敗した…」
「うぅ……黒焦げなの…」
「だから無茶だって言ったじゃないですか~」
『『『『『………』』』』』
なんとも言えない微妙な空気が俺達を包む。気のせいでなければあっちの空気から呆れの気配がする。
ウン……ゴメンヨ…。
「なのはバトンタッチ…」
「うぅ……こんな空気でバトンタッチしたくなかったよ…」
マジスイマセン。
「それじゃ…気を取り直して……」
なのはがレイジングハートを構える。
《Standby ready.》
「いくよユーノ君!レイジングハート!」
「うん」
《All right.》
ギュイイイイ…
レイジングハートに桜色の魔力が集束されていく。
「夜空に向けて砲撃魔法平和利用編!打ち上げ花火バージョン!!………全力全開……」
そして夜空にレイジングハートを向けた。
「スターライトオオオオォォォ………
ブレイカアァァァーーーーーっ!!!」
ドゴオオオオオォォォォンン!!!!!
「ブレイク……シュ──────ト!!」
ドオン!!!!!!
ドオン!!!!!!!!!
ドゴオオオオオォォォォンン!!!!!
ドンッ!!
ドンッ!!!!
ドンッ!!!!!!
見事な打ち上げ花火が打ち上がった。
しかしスターライトブレイカーの連射か……。
恐ろしいな((((;゜Д゜)))
『わあ、きれい!』
『すごい…光のアートね』
『またむやみに巨大な魔力を…』
エイミィ、リンディさん、クロノがそれぞれコメントする。
『………………』
そしてフェイトは……
『すごい…なのは…夜空にキラキラ光が散って…すごくきれいだ』
優しげな笑顔で打ち上げ花火を見ていた。
◆◆◆
「…さ、さすがにちょっと疲れたね」
「うん…」
「お、おつかれさん…」
三人でグデーッと地面に寝転がる。
「しかし兄さんは…
「お、おう」
『魔力集束』があんなに難しいとは正直思わなんだ。というか失敗するとあんなに爆発するとは……。要練習だな。
そしてなのははというと…
「はぁ~」
一息ついていた。
「なのは大丈夫か?」
「な、なんとか~」
かなり疲れているようだ。
「仕方ないよ。いくら威力と範囲を落としていてもブレイカーの連打だからね。それは疲れるよ」
「でも、ユーノ君のコントロールのおかげできれいに花火っぽくできたよ。ありがとユーノ君」
「あははは。兄さんが結界張ってくれてたおかげで、制御に集中できたよ」
「ヒエン君もありがとね」
あ、そういえば言い忘れてた。
「すまん…なのは、ユーノ。さっきブレイカーが暴発したせいで
「「……え?」」
二人が首をギギギッとこちらへ向ける。
「「いまなんて?」」
「ごめん。結界壊れてもた」
「「えええええええ!!!!?!?」」
そして……
ピーポーピーポー
するとサイレンらしき音が聞こえてきた。俺達は顔を見合わせる。
「とりあえず逃げるか」
「「さ、賛成!!」」
そして急いでその場から離れるのだった。
そんな中、俺は先ほどの花火を見てある願い事をしていた。
今まで色々あったけど…
今は皆それぞれの場所で…
それぞれ出来ることをやっている。
精一杯頑張っている。
そんなことを考えながら願った。
『また皆で笑顔で再会できるように…また皆で新しい日々を始められるように…リリカルマジカル…皆が幸せでありますように……』ってな?
ある日の友人とのやり取り。
友人「なあぐっさん」
俺「なんぞ?」
友人「他にもクロス作品考えたんだ」
俺「は?」
友人「とりあえずハートキャッチ終わらせたら、手始めにとある魔術&超電磁砲、魔法科高校の劣等生、戦姫絶唱シンフォギアな。そのあと本家に殴り込みな?」
俺「え?」
友人「とりあえずストーリーはよろ~」
俺「え?お前バカなの?アホなの?」
友人「お前の妄想を爆発させろよ!!諦めんなよ!!もっと熱くなれよ!!」
俺「うぜぇ!!Σ(゜Д゜)」
というわけで友人の強い要望により、それぞれの章を終わらせたら、あと何作品かコラボすることになるかもしれませぬ。
でもやるにしても、ストライカーズとか終わらせてからですがね((((;゜Д゜)))
チクショー
無茶ばかりいいやがってorz
では、また(・∀・)ノ