大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

前から結構時間が飛んでます。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百十四話 嘱託魔導師の認定試験

ヒエンside

 

 

 

日本では季節は夏を過ぎ、秋の変わり目となり始めた頃……

 

「ここがミッドチルダ……思ったよりも普通だ…」

 

俺はミッドチルダへと来ていた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

なぜ俺がミッドチルダへと来ているかというと、時空管理局地上本部にて嘱託魔導師の認定試験を受けるためだ。ちなみにミッドチルダへは、アースラからの転送で一瞬でついた。

 

しかし俺はそんなことがどうでもよく感じるほどのショックを受けていた。

 

「地球とあんまり変わらない……」

 

そしてミッドチルダ中央次元港……つまり空港みたいな所からわくわくしながら出たのだが…俺の目に最初に映ったのは自動車や、タクシー、バスなどの乗り物、キャリーバックやカバンなどを持った人々の姿であった。

 

そして俺は次元港の入り口でひざまづきながら、項垂れていた。

 

「空飛ぶホウキ……杖……魔導書……を持った人はおろか……フクロウすら…いない…だと!?」

 

そして通っていく人々は俺を不思議な物を見るような目で見ていた。

 

「ヒエン!恥ずかしいので速く起き上がってください!そして貴方はハリー・○ッターシリーズの見すぎです!!」

 

俺の同行者としてクロノ、リンディさん、リニスがついてきている。別に一人でもいけると言ったのだが、なぜかこの三人もついてきた。

 

「全く……夢の見すぎだぞ」

 

「馬鹿野郎!魔法といえば、ハリー・○ッターと相場は決まってるんだコノヤロー」

 

「まぁ、映画は見たが興味深い内容だったのは確かだな。本当に地球のサブカルチャーの多さには驚く」

 

「まぁ、その中でも日本は別格だけどな」

 

本当に思う。

日本に生まれて良かったー!!と。

主に娯楽の多さで。

 

「それはそうと……なぜ三人もいるのか」

 

俺はずっと気になっていたことを聞いた。

 

するとリンディさんが答えてくれた。

 

「それは私とクロノがヒエン君を()()したから、同行する必要があったのよ」

 

 

は?

 

 

推薦?

 

 

「そういえばおかしいと思っていました。ただの認定試験であれば……時空管理局の本局又は、ミッドチルダの試験場などで受ければ良いですもんね?()()()()()()()()()()()?」

 

リニスが聞く。

それにリンディさんとクロノが答えた。

 

「PT事件の裁判の影響か、時空管理局でも大多数の人々に注目されているのよ。当然、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「そして、その民間協力者の一人がPT事件の黒幕であるプレシアを倒したことで…管理局では一気に有名になっている。そしてその人物が……嘱託魔導師の試験を受けるんだ。僕達の推薦も後を押したのだろう。そこに地上本部の連中も注目しだしてな…試験場としてウチはどうか?と打診してきたんだ。その結果、地上本部が試験場として選ばれた…という訳だ」

 

その言葉を聞いたとき俺は脱兎の如く駆け出そうとした……が既にリニスに腕をガッチリと拘束されていた。

 

うぇ…

首がしまった。

 

「全く……嘱託魔導師になりたいと言い出したのは貴方ですよ?なのになぜ逃げ出そうとするんですか…。試験はもう今日なんですよ?さっさと覚悟を決めなさい。男の子でしょう?」

 

リニスは俺に優しく叱る。

 

うん。

確かに言い出したのは俺だ。俺である。

 

だけどね……

ここに来て初耳なことばかり聞くんですけどーーーーー!!!!!?????

 

なんだよ!?

注目って!?

聞いてねぇよ!?

 

「言い出したら君は逃げ出すだろう?」

 

「………」

 

「沈黙は肯定と取るぞ」

 

「………嘱託の試験受けるだけでこんなに大事になるとは…」

 

「それだけ君のやったことが周りに評価されているということだ。そこは誇るべきだと思うぞ?」

 

「ああ」

 

俺はクロノの言葉に頷く。

 

そしてリニスが少し不安そうな表情でこちらを見ている事に気が付いた。

 

「どうした?」

 

「いえ…なんでもありません」

 

「?……そうか」

 

リニスの態度に俺は大して疑問を抱かず、タクシーに乗り地上本部へと向かった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

あのフェイトとアルフの契約記念日のお祝いから約二ヶ月の時が過ぎた。

 

あれから俺は肉体を酷使するようなトレーニングはせずに、軽く流すだけに留めていた。

 

当然…朝練で行っている高町家とさざなみ寮での組み手は、なしとなった。

 

それを言い出したのが俺の担当医であるフィリス先生なのだが……

 

特に恭也君と薫さんには有無を言わせず、笑顔でOHANASHIして納得させたらしい。

 

まぁ、そのおかげで実に平和な二ヶ月を過ごせたのだが……((((;゜Д゜)))

 

その代わりに俺は魔法の訓練に再び力を入れることにした。この二ヶ月は、なのはとユーノの二人と共にひたすら魔法の訓練に明け暮れた。

 

基本的に朝晩に、リニス考案魔法訓練をしていた。そこには新しく集束砲撃(ブレイカー)の制御の仕方も書いてあったのだが……未だに修得はできていない。

 

レイジングハートからスターライトブレイカーの術式を教えてもらったのだが……

 

俺には扱えるような代物ではなかった。

 

例えるならば…

満車状態に近い駐車場に、猛スピードで走る車をドリフトで駐車させるようなものである。

 

知ってるか?

あの未来の魔王様はこの魔力操作を感覚だけでやってるんだぜ?

 

いやホントスゲェわ。

規格外だわ。

 

しかし……これで俺となのはのスペックの差が理解できたと思う。

 

俺が1+1=2なら、あの子は9にも10にもなるのである。少し訓練しただけでスポンジの如くドンドン吸収していくのである。

 

なのはの訓練を見ているユーノはその都度、空いた口が塞がらないような表情となっているが……俺からしたらユーノも充分規格外である。

 

なんだよ…。

支援魔法のスペシャリストって…。

 

知ってるか?

あの子まだ9歳なんだぜ?

 

それで考古学者なんだぜぇ~?

天才なんだぜぇ~?

俺より偉いんだぜぇ~?

 

ワイルドだろぉ~

 

と冗談はともかく俺は魔力運用や、魔力操作の訓練を中心にひたすら行っていた。

 

まぁ、その訓練の甲斐あって防御魔法と治癒魔法、捕縛魔法はさらに磨きがかかったゼ!!

 

 

「ついたぞ」

 

 

すると考え事をしていたら、いつの間にかタクシーが大きな建物の前で止まった。

 

俺達はタクシーを降りる。

 

そして俺は真っ直ぐ上を見上げた。

 

そこにはミッドチルダにある時空管理局の地上本部があった。

 

幾つもの高層タワーがあるのだが、中でも一際大きなタワーが中央にあった。

 

周囲と比べると、周りのタワーはやや低いのだが……それでも市街地にあるビル群よりは遙かに高かった。

 

「でけぇー」

 

「ガゥー」

 

いつの間にか頭の上に現れていた相棒と一緒に、俺はジーッとタワーを見上げていた。

 

リリカルなのはストライカーズのOP映像でチラッと地上本部は出ていたのだが……想像以上にでかかった。

 

東京タワーなんて目じゃないぜ。いずれできるスカイツリーよりも高いんだろうな。

 

 

 

クスクスクス

 

 

 

クスクスクス

 

 

 

すると周囲が騒がしいことに気付く。俺が周りに目を向けると管理局員や、一般の人々が笑っていた。

 

途端に恥ずかしくなった俺は足早に地上本部へと入っていった。

 

ちなみにクロノ、リンディさん、リニスの三人は既に中に入って待っていた。入るなら声かけてよorz

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「じゃあヒエン……頑張ってくるのですよ?」

 

「おう」

 

俺は地上本部のある一室の前にいた。

 

部屋の中で筆記試験が開かれる。

 

「試験範囲はキッチリ教えたし、君なら大丈夫なはずだ」

 

「しっかりね?」

 

「はい」

 

クロノとリンディさんが受付を済ませ、俺のところにやってきた。今から地上本部のお偉いさん方に挨拶に行くそうだ。

 

そういえば(おか)と海は仲が悪いと聞くのだが……そこら辺は大丈夫なのだろうか?

 

原作でもその手の話題は語られていたしな。

 

「なあクロノ…(おか)と海って仲が悪いって聞いたんだが」

 

「心配することはない。少し挨拶に行くだけさ。仲が悪いと言っても…それは暗黙の了解で言われていることであって、公式の場では誰も何も言わないよ」

 

「…そうか」

 

「君は試験だけに集中しろ。万が一、億が一でも落ちるなんて結果になれば…お互い…大変な事になるのは目に見えてるからな」

 

「お、おう」

 

そうだ。

クロノとリンディさんが推薦してくれたのだ。ならばその信頼にしっかり答えなければ!!

 

俺は頬をパチンと叩いて気合いを入れる。

 

「よし!じゃあ行ってくる!!」

 

「頑張ってこい」

 

「ファイトよ!」

 

「落ち着いてやるのですよ」

 

そして三人の声援を背に俺は部屋の中へと入った。

 

 

 

 

 

 

部屋の中には背の低いメガネをかけた白髪の女性が一名いた。

 

「お、おおお…おはようございます!」

 

「お、おはようございます」

 

試験官が少し緊張しながら俺に挨拶する。俺も少しどもりながらも挨拶を返した。

 

「お、オオゾラ・ヒエンさんでよ、よろしいでしょうか?」

 

「あ、はい」

 

「本日、貴方の筆記試験の担当をさせていただきますミルク・メイジです。よ、よろしくお願いいたします!!」

 

「よ、よろしくお願いします」

 

試験官のミルクさんは緊張しているようだった。というより俺よりも緊張しているようである。

 

なんでやねん。

 

心の中でそう呟いた俺は悪くないと思う。

 

しかし…周りに慌てている人がいると自分が落ち着くというのは案外本当の事かもしれない。

 

だって少し緊張していた心がもう落ち着いちゃったんだもの。

 

そして俺は席に案内される。

 

部屋の中は会議室のような簡易的な部屋であった。

 

そしてある机の上に答案用紙が一枚置いてあった。

 

俺は答案用紙の置いてある席に座り、筆記用具を取り出し、準備を完了させた。

 

「そ、それではこれより試験の説明を始めます!筆記試験の時間は一時間。その後は儀式魔法の実施テスト、そしてお昼休憩を挟んで、実戦訓練となってます!!」

 

「はい」

 

そして俺は改めて座り直した。

 

「このストップウォッチで時間を計ります。準備はよろしいですか?」

 

「はい」

 

「それでは試験を始めます。よーいスタート!」

 

 

 

ピッ

 

 

 

そして筆記試験が始まった。

 

 

 

 

 

 

カリカリカリカリ_〆(。。)

 

 

 

 

 

 

カリカリカリカリ_φ(・д・。)

 

 

 

 

 

 

カリカリカリカリ_φ(゚ー゚*)

 

 

 

 

 

 

カリカリカリカリ_φ(-ω- )

 

 

 

 

 

 

ピピピピ

 

 

 

 

 

 

「時間です!ペンを置いてください」

 

そしてあっという間に時間となった。

 

手応えはあった。

 

問題の難易度としてはそんなに難しくはなかった。

 

以前リニスから習った問題が多く出ていたので、解き始めて45分ほどで終わった。

 

「この後は儀式魔法の試験となりますので場所移動をお願いします」

 

「はい」

 

そして俺は場所移動を開始した。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

続いて儀式魔法の試験に移るために俺はリニスと合流し訓練場のような所にいた。

 

セットアップを済ませ、いよいよ儀式魔法の試験に入る。

 

『では受験番号1番の方、氏名と出身世界をどうぞ』

 

試験管からの通信が聴こえる。

 

「はい。えー、第97管理外世界『地球』出身。オオゾラ・ヒエンです。こっちが使い魔のリニスです」

 

「よろしくお願い致します」

 

俺達は軽く自己紹介してペコリと頭を下げた。そして儀式魔法の試験に入る。

 

内容は長距離転送、魔力フィールドの形成、広域結界、天候操作魔法の四つであった。

 

リニスの補助もあって天候操作魔法を除く三つの魔法はなんなく成功した。

 

というより俺が形成した魔法をリニスが細かく補助してくれるおかげで、いつもより安全に発動させることができた。

 

さすが大魔導師プレシア・テスタロッサの元使い魔。魔法の補助も一流である。

 

『続いて天候操作魔法に入って下さい』

 

しかし問題がある。

 

俺はフェイトのように天候操作魔法はできない。というより使用できるほど練度が足りていない。

 

さてどうするか…。

 

『ヒエン難しく考える必要はありません。貴方は最大パワーでファーストエディションを使用してください。それを天候操作魔法の代わりとします。あとは私がカバーするので大丈夫です』

 

『お、おう』

 

というかファーストエディションは天候操作魔法の代わりにできるのか?そもそも最大パワーで使えるかな?とりあえず俺はファーストエディションを発動させる。

 

「零地点突破・ファーストエディション」

 

俺は自身の周囲に氷を生み出していく。

 

そして操作魔法の応用で氷を操り、今出せる最大パワーで部屋の中央へと氷を集める。

 

訓練場の所々が凍っていく。

そして集めた氷はいつしか猛吹雪のように吹き荒れた。

 

「ニブルヘイム!」

 

技名に関しては某ブラコン魔法師の技名を少しパクらせていただいた。

 

本来の俺のスペックであれば最大パワーでファーストエディションを使用すれば間違いなく暴発を起こし、訓練場全体を凍らせていたが、リニスが補助と制御に徹してくてれているおかげで暴走せずに済んだ。

 

部屋の中央には立派な氷の塊ができていた。

 

『ぎ、儀式魔法4種全て確認…』

 

「ふぃ~」

 

俺は死ぬ気モードを解除し、ドッと座り込む。

 

『はい。お疲れ様です。儀式実践終了です!一時間休憩ですので一休みしてください!』

 

「はーい」

 

そして俺は展開している氷を解除し、訓練場を元に戻す。

 

「お疲れ様ですヒエン」

 

そしてリニスがやってくる。

 

「おー、リニスー」

 

「ファーストエディションの威力は前より上がっていますね。しかしまだまだ細かいコントロールができていません」

 

「まだそこまで達してない…」

 

ヒートバーナーのように前方に放つというだけなら最大パワーでもある程度コントロールできるが、集束砲撃(ブレイカー)のように魔力を細かくコントロールしなければならないというのは…まだ俺には正直厳しい。

 

「しかし魔力操作は少しずつですが、確実に上手くなっています。この調子で頑張っていきましょう」

 

「おー」

 

「さて、お昼休憩も限られていますし、お弁当を作ってきたので近くのベンチにでも食べに行きましょうか?」

 

「賛成ー」

 

そして俺達は昼御飯を食べるため一端外へと向かうのだった。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

第三者side

 

 

 

地上本部の別室にてリンディは友人であり、同じ提督のレティ・ロウランと共に少年の認定試験の見学をしていた。

 

「使い魔持ちでAAAクラスの魔導師……しかもその出身が管理外世界だなんて…驚いたわ」

 

「ふふふ。そうでしょ」

 

レティは空中モニターに映っている少年のデータを確かめる。

 

「筆記試験はほぼ9割。魔法知識に関しては少なくとも魔法学校で習う範囲はバッチリね」

 

「使い魔の彼女に一年半ほどで叩き込まれたようです」

 

クロノが補足する。

 

「しかも魔力変換資質『炎熱』に『凍結』の二つ。しかも稀少能力(レアスキル)『調和』ね。その上、全ての魔法適正があるなんて……全部平均並だけれど」

 

「本人もそれを自覚してるのか……訓練生に負けないほどの基礎訓練を積んでるわよ?」

 

「そうなの。しかも、その使い魔も魔力変換資質『電気』持ちだし。す、凄いわね。リンディとクロノ君が推薦してくる理由も頷けるわ」

 

「でしょでしょ」

 

レティに褒められて気分がいいのか、リンディは嬉しそうである。

 

「それにしても…地上本部まで注目してくるとは…驚いたわ」

 

「こちらとしても秘密裏に進めたかったのだけど、裁判で情報が公開されてからはそういう訳にもいかなくなってね…」

 

「あの大魔導師プレシア・テスタロッサを倒したのが、管理外世界出身の少年だったなんて…注目するなって方が無理な話よ」

 

「でもあの子を守るには()()()()()()()()()()()()()()()()()…。情報が公開された今、()()()()のは管理局だけじゃない。下手をすれば世界中に蔓延(はびこ)る闇組織が彼を狙うことになる。それだけ彼の能力は魅力的なのよ」

 

「『調和』の能力ね…」

 

「ええ。彼の能力を前にすれば、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「そう……ね」

 

「だからこそ…私達がバックにつくことで少しは牽制になる。それに彼にはまだ秘密もあるしね…」

 

「ジュエルシードの件ね…」

 

「ええ。レティ?どうかこの件は内密に頼むわよ?」

 

「分かってるわ。任せなさい」

 

そしてレティはデータを消す。

 

「それにしても…地上本部のお偉いさんと話すのは、神経使ったわ~」

 

「お疲れ様。コーヒーいる?」

 

「ほしいー」

 

リンディはだらけながらコーヒーを飲む。

 

「誰と話したの?」

 

「決まってるでしょ。地上本部の実質トップとも言われているレジアス・ゲイズ中将よ」

 

「あー」

 

レティは同情したような視線でリンディを見る。

 

レジアス・ゲイズといえば優秀な人物で名が上がるのだが黒い噂も絶えない。彼は武力…つまり兵器を強化することによって、地上の犯罪発生率を抑え込んでいる。

 

実際に地上本部に勤める局員の中でも、彼のことを英雄視している者も少なくはない。

 

そして彼はあることで有名である。

 

それが特別な力を持つ者:稀少能力(レアスキル)所持者や、有名な魔導師を特に嫌っているのだ。

 

そんな彼レジアスと、リンディ、クロノは先ほどまで話していたのだ。

 

リンディとクロノも管理局の中では有名な人物であり、レジアスの嫌う人物直球ど真ん中であった。

 

「全く好き勝手言ってくれるわ。こっちが笑顔で対応してるっていうのに、仏頂面で嫌味ったらしいことばかり言ってくるのよ!?ねえクロノ!」

 

「は、はい。そうですね」

 

クロノは冷や汗をかきながら返事を返す。

 

「でも一つ気になることがあるのよね」

 

しかしリンディは突如、真面目な表情で話す。

 

「あの人は稀少能力(レアスキル)を持つ魔導師を特に嫌う傾向があるのよ。それなのに…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「それは僕も気になっていました。それに艦長…これは小耳に挟んだことなのですが…」

 

「どうしたの?」

 

「今回の認定試験の場所提供を言い出したのが、レジアス中将らしいのです」

 

「本当なの?」

 

「いえ…確証はありません。ただの噂ですので」

 

「そう…」

 

リンディとクロノは顎に手をつきながら考える。親子揃って同じポーズをとるのでその姿を見たレティは笑ってしまった。

 

「レティ…なにを笑っているの?」

 

それに気付いたリンディがジト目で注意した。

 

「ふふ。いえ、ごめんなさい。でも…確かにきな臭いわね。気を付けなさいリンディ。あの少年を中心に……何か大きな出来事が起こるかもしれない」

 

「ええ、そう……ね」

 

リンディは少し不安げになりながらもコーヒーを飲んだ。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

昼御飯を済ませた後、俺とリニスは再び訓練場に足を伸ばしていた。

 

午後の試験は試験管との一対一の模擬戦闘である。基本的にこの模擬戦では勝敗は関係なく、戦闘技術を見られる。なので別に勝てなくとも合格しないという訳ではない。

 

だが、俺の受けている嘱託魔導師の認定試験ランクがAAA(トリプルエー)のため予想ではあるが…相当強い魔導師が相手になることが考えられる。

 

漫画版のフェイトも嘱託魔導師の認定試験を受ける際に、俺と同じランクの試験を受けていた。ちなみにそのときのフェイトの相手はクロノであったが……俺の相手は誰になるのだろうか?

 

「ヒエン」

 

その時リニスが話しかけてきた。

 

「今日はフルドライブは使ってはダメですよ?まだ体が出力に慣れていないのですから…無理をしてはいけません」

 

「うん。分かってるよ」

 

その通りだ。

今日は試験なのだ。

別に命をかけた死闘をする訳じゃない。

 

フルドライブは出力を限界まで解放するので身体にかかる負担も相当だ。一応、システム的には俺自身にかかる負担はできるだけ軽くしてはいるのだが……リニスは心配性なのか訓練でもなかなか許可は出さなくなった…。

 

まぁ、心配させたのは俺が久遠の件で大ケガしたからなのだが。

 

 

 

ブオン

 

 

 

すると俺の前方に山吹色の三角形の魔法陣が現れる。そしてそこには黒ずくめの男性が立っていた。

 

 

「すまない。待たせてしまったな」

 

 

男性の足元には()()()()()()()()である三角形の魔法陣が形成されていた。

 

 

そしてその男性は自身の身長ほどある長槍を携えていた。

 

 

俺はその人物を見た瞬間に冷や汗が吹き出るのを感じた。その余りの迫力に……その余りの覇気の強さに……俺は圧倒されていた。

 

 

その人物は十年後…

なのはたちによる部隊、機動六課に立ち塞がる事になる人物。

 

 

「今日は俺が君の試験官を務めることになった」

 

 

時空管理局・首都防衛隊に所属するストライカー級の魔導師。

 

 

「ゼスト・グランガイツだ。よろしく頼む」

 

 

ゼスト・グランガイツが俺の目の前にいた。

 




次回はvs首都防衛隊ストライカー。

やべぇ。
最近、主人公に格上の人しか戦わせてない気がする((((;゜Д゜)))

あと嘱託魔導師の認定試験は資料があまりなかったんですよねぇ。儀式魔法については広域結界はテキトーなのであしからず。

では、また(・∀・)ノ

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